
📚 マン管攻略ノート|標準管理規約 総則
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マンション管理士試験で毎年3〜5問と安定して出るのが、国土交通省のマンション標準管理規約です。なかでも「専有部分と共用部分の範囲」「専用使用権」「専有部分の修繕」は、条文の言い回しを1か所ずらしただけのひっかけで繰り返し問われます。
私は宅建・賃管・管業・FP2級を取ってきましたが、標準管理規約は「暗記量より、境界線をどこで引くか」の一点勝負です。窓ガラスは専有か共用か、玄関扉はどこまでが専有か——ここを条文どおりに言えるかどうかで、そのまま得点差になります。
このページでは、標準管理規約(単棟型)の総則・専有共用・使用(第1条〜第19条)を、試験で問われる形のまま整理します。3類型の違いも表で押さえるので、団地型・複合用途型の設問にも対応できるようになりますよ。
📌 30秒で分かる「標準管理規約 総則・専有共用・使用」
まず全体像です。マンション標準管理規約は国土交通省が示す「規約のひな形」で、単棟型・団地型・複合用途型の3類型があります。試験のメインは単棟型です。
単棟型は全部で1条から70条超まであり、その最初のブロック(第1条〜第19条)が「総則」「専有部分・共用部分」「用法(使用ルール)」にあたります。ここが今回の主戦場です。
ここで、規約の全体像を1つだけ整理しておきます。マンションのルールは「規約→使用細則→総会・理事会の決議」という階層になっており、規約が最上位です。規約で大枠を決め、細かい使い方(ペット・駐車・楽器など)は使用細則にゆだねる、という役割分担になっています。この建て付けを知っておくと、「なぜこのルールは規約本文になくて使用細則なのか」という設問にも迷わなくなります。
ちなみに、規約を設定・変更・廃止するには総会での特別決議(区分所有者数および議決権の各4分の3以上)が必要なのに対し、使用細則の制定・変更は普通決議(過半数)で足りるのが標準的な取り扱いです。つまり規約は重く、使用細則は軽く動かせる。この重み付けの違いも、両者の役割分担の理由になっています。
そしてもう1つ大事な前提が、標準管理規約はあくまで国が示すひな形(モデル)だという点です。実際の各マンションは、これをベースに自由に修正して自分たちの規約を作れます。試験では「標準管理規約では原則こう定めている」という基準を問うので、まずはこのひな形の標準ルールを正確に覚えることが得点への最短ルートです。
🆚 標準管理規約の3類型
まず、混同しやすい3つの類型を切り分けます。設問では「団地型なのに単棟型のルールで解かせる」ような出題があるので、性格の違いを押さえておきましょう。
| 類型 | 想定するマンション | 管理組合の構造 |
|---|---|---|
| 単棟型 | 1棟の住宅専用マンション | 全区分所有者による1つの管理組合 |
| 団地型 | 複数棟+土地・附属施設を全体で共有 | 団地全体の管理組合を基本に、必要に応じ各棟の管理も(二層構造) |
| 複合用途型 | 住宅と店舗・事務所が同居する1棟 | 全体の管理組合に加え、住宅・店舗それぞれの「一部共用部分」を管理 |
ポイントは「団地型=複数棟を土地でくくる」「複合用途型=1棟の中に用途が混在する」という切り口の違いです。団地型は棟をまたぐ、複合用途型は棟の中で分かれる、と覚えると混同しません。
複合用途型では、住宅部分だけが使う廊下や、店舗部分だけが使う共用部分が出てきます。これを「一部共用部分」と呼び、管理費もその部分の区分所有者だけが負担するのが原則です。ここは複合用途型特有の論点なので、単棟型の感覚で解かないよう注意してください。
団地型のイメージも具体化しておきましょう。たとえばA棟・B棟・C棟が同じ敷地に建ち、道路・公園・集会所を全体で共有しているのが団地型です。土地(敷地)と附属施設は団地全体で共有し、その全体を管理する団地管理組合を置きます。一方で、各棟の建物そのものの管理(棟の共用部分の修繕など)は、その棟の区分所有者で決めるべき事項として棟ごとの取り扱いが残ります。この「全体」と「棟別」の二層構造が団地型の骨格です。
試験対策としては、まず単棟型を徹底的に固めるのが正攻法です。団地型・複合用途型は「単棟型と何がどう違うか」という差分で問われることが多く、単棟型が土台になっていれば応用が利きます。逆に単棟型があいまいだと、3類型すべてで失点します。だからこそ、この総則・専有共用・使用のブロックが合否を左右するのです。
📊 専有部分と共用部分の境界(第7条・第8条)
次が最頻出、専有部分と共用部分の「境界線」です。標準管理規約(単棟型)第7条・第8条と別表第2で、どこまでが専有かが決められています。
ここで別表の役割も押さえておきましょう。標準管理規約は、細かい範囲や割合を本文ではなく別表にまとめています。専有部分・共用部分の具体的な範囲は別表第2、共有持分の割合は別表第3、専用使用権の対象は別表第4です。「範囲は別表第2、持分は別表第3、専用使用は別表第4」と番号ごと覚えておくと、どの表を参照する問題かを取り違えません。
| 部位 | 区分 | ポイント |
|---|---|---|
| 天井・床・壁 | 躯体を除く部分=専有 | コンクリート躯体は共用。内側の上塗り・仕上げ部分だけが専有(上塗り説) |
| 玄関扉 | 錠・内部塗装=専有/それ以外=共用 | 扉そのものは共用。専用使用権あり(第14条) |
| 窓枠・窓ガラス | 専有に含まない=共用 | 共用だが専用使用権あり。割れたら原則は自己管理範囲 |
| 配管・配線 | 共用部分内にある部分=共用/専有部分内の枝管等=専有 | 「共用部分内かどうか」で切り分ける |
| バルコニー | 共用部分 | 専用使用権あり(第14条)。避難経路のため制限が多い |
| エントランス・廊下・階段・EV・屋上・外壁・基礎 | 共用部分 | 建物の骨格と共同利用部分は共用 |
最重要は「窓枠・窓ガラス=共用」「玄関扉は錠と内部塗装だけ専有」の2つ。ここは本試験で毎回のように狙われます。窓ガラスを専有と書いてある肢は、それだけで誤りと判断できます。
なぜ窓や玄関扉が共用かというと、これらは建物の外観をつくる「顔」であり、1住戸だけがバラバラの色や形に変えてしまうと、マンション全体の統一感や防犯・防火の性能が損なわれるからです。外から見える部分は共用にして全体で揃える——この発想が、専有共用の境界を考えるうえでの一本の軸になります。玄関扉の「内側(塗装・錠)だけ専有」も、外から見える面は共用に残す、という同じ理屈で説明できます。
もう1つ、天井・床・壁は躯体(コンクリート本体)を除いた内側の仕上げ部分が専有です。躯体そのものは共用なので、「壁の中まで全部専有」という肢はひっかけです。
なぜ躯体が共用なのかというと、躯体は建物全体を支える骨格であり、1住戸だけの都合で壊したり穴を開けたりされると建物全体の安全が脅かされるからです。だから躯体は共用部分として、みんなで守る扱いにしています。この「なぜ」を押さえておくと、上塗り説(内側の仕上げだけが専有)が理屈で腹落ちします。
配管・配線の切り分けも頻出です。基本は「共用部分内にある部分=共用、専有部分内にある枝管・枝線=専有」です。パイプスペースの中を縦に走る本管は共用、そこから各住戸内に枝分かれした配管は専有、というイメージです。ただし実務では、専有部分内の配管でも共用の縦管と一体で管理・更新した方が合理的なため、規約でまとめて管理対象に取り込む例もあります。標準管理規約のコメントでも、この一体管理の考え方が示されています。
あわせて、メーターボックス・パイプスペース・給湯器やボイラーを置くスペースなどは共用部分です。ただしその中に設置された各戸の給湯器そのものは、専用に使う設備として専有部分の扱いになります。「場所(スペース)は共用、そこに置いた各戸専用の機器は専有」という切り分けを覚えておきましょう。
📊 共有・持分・使用ルール(第9条〜第16条)
境界を押さえたら、次は「使い方」のルールです。第9条以降を1本にまとめます。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第9条(共有) | 敷地・共用部分等は区分所有者の共有 |
| 第10条(共有持分) | 持分割合は専有部分の床面積の割合(別表第3)。1戸1票の頭割りではない |
| 第11条(分割請求・単独処分の禁止) | 敷地・共用部分等の分割請求は不可。専有部分と敷地・共用部分の共有持分を分離して処分できない |
| 第12条(専有部分の用途) | 専ら住宅として使用。住宅宿泊事業(民泊)は「可能とする例」「禁止する例」の2案が示される |
| 第13条(用法) | 敷地・共用部分等は、それぞれの通常の用法に従って使用 |
| 第14条(専用使用権) | バルコニー・玄関扉・窓枠・窓ガラス・1階の庭・屋上テラスに専用使用権(別表第4) |
| 第15条(駐車場) | 特定の区分所有者に使用させ、使用料を徴収。区分所有権を譲渡・貸与すると使用契約は効力を失う |
| 第16条(第三者の使用) | 管理事務室・管理用倉庫等を、管理業者など第三者に使用させることができる |
ここでの二大論点は「持分=床面積割合(頭割りではない)」と「分離処分の禁止」です。専有部分だけを売ったり、敷地の持分だけを切り離したりはできません。区分所有法とセットで問われる定番なので、確実に押さえましょう。
用途(第12条)では、近年は住宅宿泊事業(民泊)への対応が定番の論点です。標準管理規約は民泊を「可能とする例」と「禁止する例」の2つのモデル条文を示しており、各マンションがどちらを選ぶかを規約で明記できる形になっています。裏を返せば、規約に何も定めがなければ民泊が当然に自由というわけではなく、専ら住宅として使用するという原則の解釈が問題になります。「標準管理規約は民泊を一律に禁止している」「一律に許可している」という決めつけの肢は、いずれも誤りになりやすい点に注意してください。
駐車場(第15条)で外せないのが、区分所有権を手放すと駐車場使用契約も効力を失うという仕組みです。これは、駐車場を使う権利がその住戸の所有者であることと結びついているためです。住戸を売ったのに駐車場だけ使い続けられる、という不都合を防いでいます。使用料を徴収し、その収入は駐車場の管理や修繕積立金に充てるのが一般的です。
第16条の「第三者の使用」は、管理員室・管理用倉庫・宅配ボックスの設置場所などを、管理業者や特定の第三者に使わせる場面を想定した条文です。共用部分は区分所有者みんなのものですが、管理を円滑にするために一部を第三者に使わせることを、あらかじめ規約で認めているわけです。
📊 専用使用権と使用料(第14条・別表第4)
専用使用権は「共用部分なのに特定の人だけが使える権利」です。対象と使用料の有無を整理します。
| 対象 | 専用使用料 |
|---|---|
| バルコニー | なし |
| 玄関扉・窓枠・窓ガラス | なし |
| 1階に面する庭 | あり(別に定めるところにより管理組合に納入) |
| 屋上テラス | あり(別に定めるところにより納入) |
覚え方は「使用料を取るのは庭とテラスだけ」。バルコニーや玄関扉には使用料がかかりません。「バルコニーの専用使用料を徴収する」という肢が出たら、原則として誤りです。
専用使用権があっても、そこは共用部分であることは変わりません。だからバルコニーに物置を固定したり、避難ハッチをふさいだりはできません。「専用使用権=自分のもの、自由に改造できる」と考えると足をすくわれます。
専用使用権はあくまで無償で使わせるのが原則(庭・屋上テラスを除く)で、その部分を「所有」しているわけではありません。だからバルコニーや窓ガラスであっても、共用部分としての制約——避難経路の確保、美観の統一、勝手な形状変更の禁止——がそのまま及びます。ここは「専用使用=占有できるが、所有ではない」と整理すると混乱しません。
もう1つ、専用使用部分の管理・修繕の負担も問われます。通常の使用に伴って生じる経年劣化などの修繕は管理組合の負担ですが、専用使用者の使い方が原因で生じた損傷は、その使用者が費用を負担するのが原則です。バルコニーの防水など建物の保全にかかわる部分は組合、専用使用者が持ち込んだ物による破損は本人、というイメージで押さえておきましょう。
📊 専有部分の修繕と使用ルール(第17条〜第19条)
最後は、区分所有者が自分の部屋に手を入れるときのルールです。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第17条(専有部分の修繕等) | 共用部分・他の専有部分に影響を与えるおそれがある修繕等は、あらかじめ理事長に申請し、書面(又は電磁的方法)による承認が必要。設計図・仕様書・工程表を添付。承認は理事会の決議による |
| 第18条(使用細則) | 使用に関する詳細ルールは使用細則で定める(ペット飼育・駐車場・専用庭の使い方など) |
| 第19条(専有部分の貸与) | 貸与する場合、規約・使用細則を賃借人に遵守させる旨を契約に定める。第19条の2で暴力団員等への貸与を制限 |
第17条の急所は「承認が要るのは、共用部分や他の専有部分に影響を及ぼすおそれのある工事だけ」という点です。壁紙の貼り替えなど影響のない軽微な工事まで、いちいち承認が要るわけではありません。
そして承認するのは理事長個人ではなく、理事会の決議です。「申請先=理事長」「判断=理事会」という2段構えを、そのまま覚えておいてください。
ペットの飼育ルールが規約本体ではなく使用細則(第18条)で定められる、という点もよく問われます。標準管理規約は「飼ってよい・悪い」を本文で断言せず、使用細則にゆだねる建て付けになっています。楽器の演奏時間、駐輪・駐車の細かい取り決めなども同様に、規約本文ではなく使用細則で定めるのが標準的な整理です。
専有部分の修繕(第17条)は、もう少し掘り下げておきましょう。承認が必要になるのは、フローリングへの張り替えのように階下への遮音性能に影響するおそれがあるケースや、給排水管に手を入れて共用の配管に影響するケースなどです。逆に、壁紙の貼り替えや室内塗装のように他に影響しない工事は、承認までは不要とされています。標準管理規約のコメントでは、影響のない工事でも組合が把握できるよう「届出」を求める運用例が示されており、「承認は不要でも届出は必要」という中間パターンがある点も押さえどころです。
そして、承認を得た工事のために共用部分への立入りが必要になる場面もあります。標準管理規約では、管理組合が必要な範囲で専有部分や専用使用部分に立ち入れる規定(第23条など)も用意されており、修繕と立入りはセットで理解しておくと関連問題に強くなります。
専有部分の貸与(第19条)では、区分所有者が住戸を賃貸する場合、賃借人にも規約・使用細則を守らせる旨を賃貸借契約に定めるのがルールです。所有者が変わっても住人が変わっても、マンションのルールが守られ続ける仕組みになっています。さらに第19条の2で、暴力団員等を反社会的勢力として排除する規定が置かれ、そうした相手への貸与を制限しています。近年の改正で強化された分野なので、貸与=借主にもルール順守義務+暴排条項、とまとめて覚えておきましょう。
🚨 マン管試験で頻出のひっかけ8選
ここからは、本試験で実際に使われる引っかけの型を8つ紹介します。「✕こう書いてあったら誤り→○正しくはこう」の形で覚えてください。
標準管理規約のひっかけには、はっきりした「クセ」があります。ほとんどが①専有と共用の取り違え、②使用料の有無のすり替え、③承認・決議の機関の入れ替えの3方向に集約されます。逆に言えば、この3つの角度を意識して肢を読むだけで、正誤の判断精度がぐっと上がります。以下の8問を、単に暗記するのではなく「どの角度のひっかけか」を意識しながら読んでみてください。
✕ ひっかけ①:窓ガラスや窓枠は専有部分である。
○ 正しくは:窓枠・窓ガラスは専有部分に含まれず共用部分です(第7条)。ただし専用使用権はあります。共用と専用使用権を混同させる王道の型です。ガラスが割れたときの費用負担や、防犯・断熱ガラスへの交換の可否を絡めて問われることもありますが、まず「窓は共用」を出発点に考えれば筋を外しません。
✕ ひっかけ②:玄関扉は住戸の入口だから、全体が専有部分である。
○ 正しくは:玄関扉のうち専有部分は錠と内部塗装部分だけ。扉そのものは共用部分です(第7条)。「どこまでが専有か」を細かく問う典型です。だから錠の交換や内側の塗り替えは自分でできても、扉自体の交換や外側の塗装は共用部分の工事として管理組合が扱う、という切り分けになります。
✕ ひっかけ③:天井・床・壁は、コンクリート躯体まで含めて専有部分である。
○ 正しくは:躯体部分を除いた内側の仕上げ部分だけが専有です(第7条・上塗り説)。躯体そのものは共用部分です。
✕ ひっかけ④:共用部分の共有持分は、1戸につき1の割合(頭割り)で決まる。
○ 正しくは:共有持分は専有部分の床面積の割合によります(第10条・別表第3)。議決権の頭割りと混同させる型です。ここで使う床面積は、標準管理規約では壁の内側で測る「内法(うちのり)」の考え方が基本で、登記簿上の床面積を使うのが一般的です。「持分は住戸数で均等」という肢は、床面積の広い住戸と狭い住戸を同じ扱いにしてしまう点で誤りだと見抜けます。
✕ ひっかけ⑤:区分所有者は、専有部分を残したまま敷地の共有持分だけを他人に売却できる。
○ 正しくは:専有部分と敷地・共用部分の共有持分は分離して処分できません(第11条)。敷地・共用部分の分割請求もできません。これは区分所有法の一体性の原則を規約でも確認したもので、抵当権の設定など処分全般に及びます。「共用部分の持分だけを担保に入れる」「敷地だけを分筆して売る」といった肢は、いずれもこの禁止に反するため誤りです。
✕ ひっかけ⑥:専有部分の修繕は、内容を問わずすべて理事長の承認を得なければならない。
○ 正しくは:承認が必要なのは共用部分・他の専有部分に影響を与えるおそれのある修繕等だけ(第17条)。しかも承認は理事長個人ではなく理事会の決議で行います。申請時には設計図・仕様書・工程表の添付が求められます。「軽微な工事でも総会の決議が必要」という肢は、承認機関を総会に取り違えさせるひっかけなので要注意です。
✕ ひっかけ⑦:バルコニーには専用使用権があるので、専用使用料を徴収するのが原則である。
○ 正しくは:専用使用料がかかるのは1階に面する庭と屋上テラスだけ(第14条・別表第4)。バルコニー・玄関扉・窓枠には使用料はかかりません。庭やテラスは面積が大きく、特定の住戸に与える利益が大きいため使用料を取る、という理屈で覚えると忘れません。「駐車場と同じく専用使用部分はすべて有料」という一般化した肢は、この例外を無視している点で誤りです。
✕ ひっかけ⑧:駐車場使用契約は、区分所有権を第三者に譲渡した後も、そのまま元の所有者に効力が残る。
○ 正しくは:区分所有権を譲渡・貸与すると、駐車場使用契約は効力を失います(第15条)。駐車場の権利だけが独り歩きしない仕組みです。使用料を滞納した場合の扱いや、外部の第三者への駐車場貸しの可否とあわせて問われることもありますが、「使う権利は住戸の所有者に紐づく」という原則を軸にすれば整理できます。
💡 暗記の決め手「専有共用 6キーワード」
最後に、この論点を試験本番で一瞬で思い出すためのキーワードを6つにまとめます。声に出して覚えてください。
🔑1|「マドは共用、トビラは半分」
窓枠・窓ガラス=共用。玄関扉=錠と内部塗装だけ専有、あとは共用。専有共用の最頻出はこの2つ。
🔑2|「躯体を除いて専有(上塗り)」
天井・床・壁はコンクリート躯体を除いた仕上げ部分だけが専有。躯体本体は共用。
🔑3|「持分は面積、分離はダメ」
共有持分=専有部分の床面積割合(頭割りではない)。専有部分と持分の分離処分・分割請求は禁止。
🔑4|「使用料を取るのは庭とテラス」
専用使用料がかかるのは1階の庭と屋上テラスだけ。バルコニー・玄関扉・窓枠は使用料なし。
🔑5|「影響あるなら理事長へ、承認は理事会」
専有部分の修繕は、共用・他専有に影響のおそれがある場合だけ承認が必要。申請先は理事長、判断は理事会決議。
🔑6|「単・団・複、団地は棟またぎ複合は棟の中」
3類型は単棟型・団地型・複合用途型。団地型は複数棟を土地でくくり、複合用途型は1棟の中で用途が分かれる。
この6キーワードを言えれば、標準管理規約の総則・専有共用・使用の設問はほぼ取り切れます。特に🔑1と🔑4は毎年のように顔を出すので、最優先で固めてください。
本番での解き方のコツも1つ。専有共用の肢に出会ったら、まず「これは専有か共用か」→「専用使用権はあるか」→「使用料はかかるか」の順に切り分けてください。窓ガラスなら「共用→専用使用権あり→使用料なし」、1階の庭なら「共用→専用使用権あり→使用料あり」と、3ステップで正体が見えます。この型を体に入れておくと、初見の肢でも慌てません。
もう1点、標準管理規約の論点は区分所有法とセットで出ることが非常に多いです。分離処分の禁止、共用部分の持分、専有部分の範囲といったテーマは、区分所有法の条文と標準管理規約の条文が並べて問われます。「法律ではこう、標準管理規約ではこう」という対応関係を意識して学ぶと、両方の得点が一気に伸びます。今回のノートで押さえた境界線は、そのまま区分所有法の学習の土台にもなります。
標準管理規約は範囲こそ広く見えますが、問われる境界線とルールはほぼ決まっています。窓は共用、扉は半分、持分は面積、使用料は庭とテラス——この核を外さなければ、あとは過去問で「出題の形」に慣れるだけです。専有共用の1点を、確実に自分のものにしていきましょう。
📅 マン管攻略ノート:標準管理規約 総則・専有共用・使用|v1.0
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