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🎯 このページについて

権利関係の「賃貸借・借地借家法」は、毎年複数問が出題される最重要かつ得点源にしやすい論点です。

土地を借りる「借地」、建物を借りる「借家」、そして更新のない「定期借地・定期借家」、さらに敷金・転貸・使用貸借まで、このページ1枚で総整理します。

覚えることは多く見えますが、問われる数字と結論はほぼ固定です。

「借地は本人名義の建物で対抗」「明渡しが先で敷金」「定期は別書面で説明」という結論を軸にぶら下げていくのが攻略の近道です。

 

📌 30秒で分かる「賃貸借・借地借家法」

📊 借地(存続期間・更新・対抗)

項目 ルール
存続期間 建物所有目的なら最短30年。期間を定めなかったときも30年。30年より短い定めや更新排除の特約は借地権者に不利で無効(借地借家法9条)
更新後の期間 最初の更新は20年、2回目以降は10年。これより短い定めは法定期間に引き上げられる
更新の可否 期間満了時に建物があり借地人が更新を請求しても、地主が正当事由ある異議を述べれば更新されない
対抗要件 借地権の登記がなくても、借地権者本人名義の登記建物があれば第三者に対抗できる。家族名義の建物では対抗できない。対抗力が及ぶのは登記に敷地として表示された土地に限る(数棟あるうち一棟の登記で土地全部に及ぶ)
建物買取請求権 更新されずに終了したときに借地人が請求できる。借地人の債務不履行解除の場合は行使できない。適法行使後は代金支払まで引渡しを拒めるが、敷地占有の対価(賃料相当額)は支払う必要がある
地代減額請求 普通借地では、一定期間地代を減額しない特約があっても無効で、借地人は減額請求できる
先取特権 借地権設定者は、弁済期が到来した最後の2年分の地代等について借地上の建物に先取特権を有する(12条1項)
非建物目的 資材置場など建物所有を目的としない土地賃貸借には借地借家法は適用されず、民法どおり(最長)となる

📊 借家(更新・解約・造作)

項目 ルール
期間1年未満 普通建物賃貸借で期間を1年未満とすると、期間の定めのない契約とみなされる
法定更新 期間満了の通知(更新拒絶等)を怠ると法定更新され、更新後は期間の定めのない契約となる(26条)
解約申入れ 期間の定めがないとき、賃貸人からは正当事由+6か月で終了。賃借人からは3か月で終了
造作買取請求権 任意規定なので、行使しない旨の特約は有効。適法な転借人も造作買取請求権を有する
正当事由 諸事情を総合して判断する。立退料の申出だけで当然に正当事由があるとはみなされない
賃借人の修繕 修繕の必要を通知しても賃貸人が相当期間内に修繕しないとき、または急迫の事情があるときは、賃借人が自ら修繕できる。賃借人の帰責事由で必要になった修繕は賃貸人が義務を負わない
内縁配偶者の承継 賃借人が相続人なく死亡したとき、事実上の夫婦の同居者は、知った後1か月以内に反対の意思表示をしない限り権利義務を承継する(36条)
賃貸人地位の移転 賃借人が引渡しを受けた建物が譲渡されると賃貸人の地位は譲受人に移転する。ただし地位の留保+譲受人への賃貸の合意があれば移転しない
通常損耗 通常損耗・経年変化は原状回復義務に含まれない。負担させるには契約書に範囲を明記する等の明確な特約が必要。賃借人に帰責事由のない損傷も除かれる

📊 定期借地・定期借家

種類 要件
一般定期借地権 存続期間50年以上で、更新なし等の特約を書面で定められる(60年も可)。15年など50年未満では要件を満たさず普通借地(最短30年)となる
事業用定期借地権 設定契約は公正証書によらなければならない(23条3項)。「公正証書等の書面」では足りない。居住用建物には利用できない
建物譲渡特約付借地権 設定後30年以上を経過した日に建物所有権を相当対価で移転する旨を定める。20年経過日とする定めは無効
定期建物賃貸借(定期借家) 契約書とは別に、更新がなく期間満了で終了する旨を記載した書面を交付して説明する必要がある。契約書だけ・口頭説明だけでは足りず普通借家となる
定期借家の賃料特約 「一定期間賃料を減額しない」特約は定期借家では有効で借主は減額請求できない(普通借家・借地では減額不請求特約は無効)
定期借家の中途解約 床面積200㎡未満の居住用建物で、やむを得ない事情で居住が困難になったときは、賃借人から解約の申入れができる

📊 敷金・転貸・使用貸借

項目 ルール
敷金の返還時期 建物の明渡しが先履行。賃貸人は返還を受けるまで敷金返還を拒める(同時履行ではない)。賃借人は敷金返還請求権で家屋を留置できない
敷金の充当 未払賃料などへの充当を請求できるのは賃貸人側。賃借人から充当を請求することはできない(622条の2は賃貸人が「充てることができる」)
敷金関係の承継 建物所有権が移転すると、未払賃料に充当された残額が新所有者に承継される
転貸の承諾 賃借人が転貸するには賃貸人の承諾が必要。適法転貸では転借人は賃借人の債務の範囲でAへ直接履行義務を負い、賃料の前払をAに対抗できない
合意解除と転借人 賃貸人・賃借人が合意解除しても転借人に対抗できない(当然には明渡しを求められない)。ただし解除当時に債務不履行による解除権があったときは対抗できる
債務不履行解除と転借人 賃借人の賃料不払いで解除するのに転借人への催告は不要。解除後は転借人に明渡しを求められる。転貸借は賃貸人が転借人に返還を請求した時に履行不能で終了する
転貸借の終了通知 原賃貸借が解約申入れ・期間満了で終了するときは、賃貸人が転借人に通知しなければ終了を対抗できない
使用貸借 借主はいつでも返還(解除)できる。貸主の承諾なく転貸はできず、契約の本旨に反する使用による損害賠償は返還時から1年以内に請求する

 

🚨 宅建試験で頻出のひっかけ10選

過去12年の本試験で実際に使われた「ひっかけ」を、1枚ずつカードで整理します。

❌ ひっかけ① 「借地権を対抗するには借地権の登記が必要」

正解:借地権の登記がなくても、借地権者本人名義の登記建物を所有していれば第三者に対抗できます。配偶者や子など家族名義の建物では対抗できません

→ 対抗要件の名義すり替え(平成30-問11、平成28-問11、令和7-問11 等)。

❌ ひっかけ② 「事業用定期借地権も、公正証書以外の書面で設定できる」

正解:事業用定期借地権の設定契約は公正証書によらなければ無効です(借地借家法23条3項)。「公正証書等の書面」でよいのは一般定期借地権のほうです。

→ 書面の種類のすり替え(令和6-問11、令和5-問11、令和3年10月-問11 等)。

❌ ひっかけ③ 「賃料を減額しない特約があれば、普通借地・普通借家でも減額請求できない」

正解:普通借地・普通借家では、賃料(地代)を減額しない特約は無効で減額請求できます。減額しない特約が有効なのは定期借家だけです。

→ 定期借家と普通借家の入れ替え(令和5-問11、令和5-問12、令和2年10月-問11 等)。

❌ ひっかけ④ 「期間の定めのない建物賃貸借は、賃貸人からも3か月で解約できる」

正解:賃貸人からの解約申入れは正当事由+6か月の経過で終了します。3か月で解約できるのは賃借人からのときです。

→ 6か月と3か月の入れ替え(令和3年12月-問12、令和3年10月-問12、令和7-問12 等)。

❌ ひっかけ⑤ 「造作買取請求権を行使しない旨の特約は無効」

正解:造作買取請求権は任意規定なので、行使しない旨の特約は有効です。「借主に不利だから無効」と早合点させるのが定番です。

→ 任意規定と強行規定の混同(令和7-問12、令和3年12月-問12 等)。

❌ ひっかけ⑥ 「定期建物賃貸借は、契約書に更新なしと書けば成立する」

正解:契約書とは別に、更新がなく期間満了で終了する旨を記載した書面を交付して説明する必要があります。これを欠くと普通借家となり、更新拒絶できません。

→ 事前説明の要否のひっかけ(令和4-問12、令和2年12月-問12、平成29-問12 等)。

❌ ひっかけ⑦ 「敷金返還と建物明渡しは同時履行の関係」

正解:明渡しが先履行で、賃貸人は建物の返還を受けるまで敷金返還を拒めます。同時履行ではないため、敷金返還請求権で家屋を留置することもできません。

→ 先履行と同時履行のすり替え(令和3年10月-問1、令和2年10月-問4 等)。

❌ ひっかけ⑧ 「賃借人は通常損耗(経年変化)も原状回復しなければならない」

正解:通常の使用で生じる通常損耗・経年変化は原状回復義務に含まれません。負担させるには契約書に範囲を明記する等の明確な特約が必要です。

→ 原状回復の範囲のひっかけ(平成30-問8、令和2年10月-問4 等)。

❌ ひっかけ⑨ 「賃料不払いで解除するには、転借人にも催告しなければならない」

正解:原賃貸借を賃料不払いで解除するのに、転借人へ催告して支払いの機会を与える必要はありません。一方、貸主・借主の合意解除は転借人に対抗できません(債務不履行解除権があった場合は対抗可)。

→ 転借人保護の範囲のひっかけ(平成28-問8、令和2年12月-問6 等)。

❌ ひっかけ⑩ 「借地の更新後の存続期間も、一律30年」

正解:更新後の存続期間は最初の更新が20年、2回目以降が10年が法定の最短です。これより短い定めは法定期間に引き上げられます(当初の最短が30年)。

→ 更新後の期間の数字ずらし(令和2年10月-問11、令和6-問11 等)。

 

💡 暗記の決め手「先・承諾・別書面」

賃貸借・借地借家法は、次の3つのキーワードに結論をぶら下げると混乱しません。

  • 先(さき) … 敷金は「明渡しが先」。だから同時履行にならず、留置もできない
  • 承諾 … 転貸・使用貸借の転貸には賃貸人(貸主)の承諾が必要。合意解除は転借人に対抗できない
  • 別書面 … 定期借家は契約書とは別の書面で事前説明。欠けば普通借家に転落

数字はこの2グループで押さえます。

  • 借地 … 最短30年/更新後20年→10年/一般定期50年以上・書面/建物譲渡特約30年以上/先取特権は最後の2年分
  • 借家 … 賃貸人の解約6か月/賃借人の解約3か月/期間1年未満は定めなし扱い/定期借家の終了通知は1年前〜6月前/定期借家の中途解約は200㎡未満の居住用

「賃料を減額しない特約が有効なのは定期借家だけ(普通借地・普通借家では無効)」も、地味ですが毎年ねらわれるので合わせて覚えておきましょう。

 

📝 この論点が出た過去問(12年分・31問)

出題 問われたこと
令和7年 問11 一般定期借地の要件・借地の対抗力
令和7年 問12 解約申入れ・造作買取・取壊し予定建物
令和6年 問11 借地の存続期間・事業用定期借地の書面
令和6年 問12 定期借家の減額特約・内縁配偶者の承継
令和5年 問9 賃借人が自ら修繕できる要件
令和5年 問11 普通借地の更新・地代減額特約
令和5年 問12 賃貸人地位の留保・賃料減額特約
令和4年 問6 賃貸借と使用貸借の中途解約・転貸
令和4年 問8 地上権と賃借権の抵当・妨害排除
令和4年 問11 借地上建物の再築・建物買取請求
令和4年 問12 定期借家の書面説明・敷金返還
令和3年10月 問1 敷金返還と明渡しの先後(先履行)
令和3年10月 問11 建物譲渡特約・定期借地の要件
令和3年10月 問12 賃貸人解約6か月・敷金の承継
令和3年12月 問11 更新後の期間・建物登記の対抗範囲・先取特権
令和3年12月 問12 法定更新後の期間・正当事由・転貸
令和2年10月 問4 原状回復義務と敷金返還の先後
令和2年10月 問11 更新後の存続期間・借地の対抗要件
令和2年12月 問6 適法転貸と合意解除の対抗
令和2年12月 問11 借地の対抗力(建物登記・一棟)
令和2年12月 問12 賃借人の修繕・無断転貸・定期借家
令和元年 問11 一般定期借地の存続期間要件
令和元年 問12 転貸終了の通知・定期借家
平成30年 問8 通常損耗補修特約と原状回復
平成30年 問11 借地の存続期間・借地の対抗要件
平成30年 問12 法定更新・定期借家・造作買取
平成29年 問11 建物所有目的と非建物目的の借地
平成29年 問12 定期借家の書面説明・更新拒絶
平成28年 問8 転貸の催告・直接請求・解除
平成28年 問11 借地の対抗要件(本人名義の登記)
平成28年 問12 法定更新・正当事由・造作買取

この論点の過去問は、当サイトのゲーム教材「宅建ものがたり」の練習モードで実際に解けます(無料体験あり)。

 

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ごりへい

宅建・賃管・管業・FP2級など複数の資格を取得。学習法や合格体験をもとに、不動産業やキャリア形成に役立つ情報を発信中。実務と資格の両面から「キャリアアップを応援!」をテーマにブログを運営しています。

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