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35条 重要事項説明(宅建士の独占業務)|宅建攻略ノート

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35条 重要事項説明(宅建士の独占業務)|宅建攻略ノート

📚 宅建攻略ノート|35条 重要事項説明
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🎯 このページについて

35条の「重要事項説明」は、宅建業法の中でも毎年複数問出題される最頻出テーマです。

契約前に、宅地建物取引士が書面(または電磁的方法)で買主・借主に説明する宅建士の独占業務であり、「いつ・誰が・どうやって・何を」を正確に押さえることが得点の柱になります。

とくに「売買では説明が必要だが貸借では不要」という売買と貸借の説明事項の違いが、ひっかけの温床です。

このページでは、手続の骨格・説明事項の切り分け・頻出ひっかけを、過去問ベースで整理します。

 

📌 30秒で分かる「重要事項説明」

📊 いつ・誰が・どうやって

項目 ルール
いつ 契約が成立するまでの間(契約前)に行う
誰が 宅地建物取引士が説明する。専任である必要はなく、宅建士であればよい
どうやって 重要事項説明書を交付し、宅建士が説明する。書面には宅建士の記名が必要(押印は廃止・記名のみで足りる)。相手方の承諾があれば電磁的方法での提供も可
宅建士証 重要事項説明の際は、相手方から請求がなくても宅建士証を提示しなければならない(IT重説でも画面で提示。省略不可)
説明の場所 法令上の限定はない。事務所で行う必要はない
IT重説 双方向で映像・音声のやりとりができる環境なら、テレビ会議等で説明可(売買・貸借いずれも可)。映像のない電話のみは不可
相手方が業者のとき 相手方が宅建業者なら説明を省略できるが、35条書面の交付は省略できない

🆚 売買・貸借に共通する主な説明事項

項目 ポイント
登記された権利 登記された権利の種類・内容等。抹消予定でも説明が必要(引渡しまでに抹消される抵当権も省略不可)
法令上の制限の概要 都市計画法・建築基準法・急傾斜地法・津波防災地域づくり法など、各区域の制限の概要(貸借では制限の範囲が売買と異なる=下の表参照
石綿(アスベスト) 使用の有無の調査結果が記録されているときはその内容を説明。自ら調査する義務はない
耐震診断 昭和56年6月1日より前に着工した建物が耐震診断を受けているときは、「その旨」ではなく「その内容」を説明
水害ハザードマップ 市町村が作成した位置図に含まれるときは、所在地を示して説明(売買・貸借とも必要)。洪水・内水・高潮の各マップは該当する全種類を提示
代金以外の金銭 代金・借賃以外に授受される金銭は、額と授受の目的を説明(保管方法は不要)
損害賠償額の予定・違約金 定めがあるときはその内容(売買・貸借とも

🏠 売買・交換に固有の説明事項

項目 ポイント
私道負担 私道に関する負担の有無・内容(建物の貸借では説明不要
建物状況調査(インスペクション) 既存建物で、実施の有無・実施している場合の結果の概要。結果の概要の説明対象は鉄筋コンクリート造等の共同住宅で2年以内・戸建て等で1年以内に実施したもの
書類の保存状況 設計図書・点検記録等の保存の状況(売買・交換のみ。貸借では不要)。既存住宅の検査済証等の保存状況も説明し、なければその旨を説明
住宅性能評価 住宅性能評価を受けた新築住宅であるときはその旨(売買・交換のみ。貸借では不要
契約不適合責任の履行確保措置 保証保険契約の締結等の措置を講ずるかどうか、講ずる場合はその概要
金銭貸借のあっせん あっせんの内容、および貸借が成立しないときの措置
手付金等の保全措置 自ら売主の売買で保全措置を講ずるかどうか、講ずる場合はその概要

🔑 貸借に固有の説明事項

項目 ポイント
契約終了時の精算金 敷金その他名義を問わず、契約終了時に精算することとされている金銭の精算に関する事項
建物の設備の状況 台所・浴室・便所その他の設備の整備の状況(建物の貸借)
管理の委託先 建物の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人は商号・名称)・住所(法人は主たる事務所の所在地)。区分所有建物か否かを問わず説明
用途その他の利用制限 区分所有建物の貸借では、専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め(ペット禁止等)
借地の建物取壊し 宅地の貸借で、契約終了時における宅地上の建物の取壊しに関する事項を定めようとするときはその内容
貸借で説明が不要になるもの 建物の貸借では、都市計画法・建築基準法(建蔽率・容積率)等の法令上の制限、私道負担、書類の保存状況、住宅性能評価は説明不要

⏱ その他の付随論点

項目 ポイント
区分所有建物の追加事項 管理委託先のほか、計画的な維持修繕費用の積立てを行う規約の定めがあるときはその内容と既に積み立てられている額、維持修繕の実施状況の記録など
供託所等の説明(35条の2) 営業保証金を供託した供託所・所在地(保証協会の社員なら弁済業務保証金の供託所等)を、契約成立前に説明。書面交付は法律上義務付けられていない(相手方が業者なら不要)
信託受益権の売主 自らを委託者とする信託受益権の売主となる場合、原則として重要事項説明が必要(相手が業者でも省略不可)。ただし必要事項が全て記載された目論見書を交付するなら省略できる場合がある

 

🚨 宅建試験で頻出のひっかけ10選

過去12年の本試験で実際に使われた「ひっかけ」を、1枚ずつカードで整理します。

❌ ひっかけ① 「代金・引渡し時期・移転登記の時期も35条で説明する」

正解:代金の額・支払時期・引渡しの時期・移転登記の申請時期は35条ではなく37条書面の記載事項です。35条で説明するのは「代金以外に授受される金銭の額・目的」です。

→ 35条と37条の事項すり替え(令和3年10月-問26、令和4年-問36、平成29年-問41 等)。

❌ ひっかけ② 「重要事項の説明は、宅建業者の事務所で行わなければならない」

正解:説明の場所に法令上の限定はありません。テレビ会議等のIT重説も、双方向の映像・音声のやりとりができれば可能です(映像のない電話のみは不可)。

→ 説明場所の限定・IT重説の要否(令和7年-問27、令和2年10月-問41、令和4年-問40 等)。

❌ ひっかけ③ 「重要事項説明書に記名する宅建士は、専任でなければならない」

正解:記名する宅建士も説明する宅建士も、専任である必要はありません。宅建士であれば足ります。買主に記名させる必要もありません。

→ 「専任」を紛れ込ませる型(令和6年-問26、令和2年10月-問41、令和7年-問27 等)。

❌ ひっかけ④ 「宅建士証は、相手方から請求されたときだけ提示すればよい」

正解:重要事項説明のときは、請求がなくても宅建士証を提示しなければなりません。IT重説でも画面で提示が必要で、承諾があっても省略できません(37条書面の交付時は請求がなければ提示不要という点と対比)。

→ 提示義務の場面すり替え(令和5年-問42、令和2年10月-問41、平成30年-問39 等)。

❌ ひっかけ⑤ 「媒介業者は、売主・買主の双方に重要事項を説明する」

正解:重要事項説明の相手は、原則として物件を取得する側(買主・借主)です。売主への説明義務はありません。交換では、自分が取得する物件について説明義務を負います。

→ 説明の相手方すり替え(令和5年-問42、令和5年-問33、平成29年-問33 等)。

❌ ひっかけ⑥ 「引渡しまでに抹消される抵当権は、説明しなくてよい」

正解:登記された権利は、抹消予定であっても説明が必要です。「契約日までに抹消される予定だから省略」という肢は誤りです。

→ 抹消予定を理由に省略させる型(令和6年-問41、令和元年-問39 等)。

❌ ひっかけ⑦ 「建物の貸借でも、建蔽率・容積率など法令上の制限を説明する」

正解:建物の貸借では、都市計画法・建築基準法(建蔽率・容積率)等の法令上の制限、私道負担、書類の保存状況、住宅性能評価は説明不要です。売買・宅地貸借とは説明範囲が違います。

→ 貸借で不要な事項を要求する型(令和3年10月-問36、令和元年-問41、平成30年-問39 等)。

❌ ひっかけ⑧ 「区分所有建物の維持修繕積立ては、規約の内容だけ説明すればよい」

正解:計画的な維持修繕費用の積立ての規約があるときは、その内容に加えて「既に積み立てられている額」も説明します。「既積立額は不要」は誤りです。

→ 積立額の説明を落とす型(令和2年10月-問44、令和6年-問26、平成29年-問41 等)。

❌ ひっかけ⑨ 「石綿の記録がなければ、宅建業者が自ら調査して説明する」

正解:石綿は、使用の有無の調査結果が記録されているときにその内容を説明すれば足り、自ら調査する義務はありません。規約や規約案も、案の段階でも説明が必要です。

→ 調査義務を過大に見せる型(令和2年10月-問31、令和元年-問28、令和7年-問37 等)。

❌ ひっかけ⑩ 「相手方が宅建業者なら、35条書面の交付も省略できる」

正解:相手方が宅建業者のときは口頭の説明は省略できますが、35条書面の交付は省略できません。電磁的方法での提供には、相手方の書面等による承諾が必要です(口頭の依頼だけでは足りません)。

→ 業者間取引の省略範囲と電磁的提供の承諾(令和3年12月-問35、令和5年-問33、平成30年-問35 等)。

 

💡 暗記の決め手「契約前・宅建士・書面」+売買と貸借の切り分け

35条は、まず手続の3点を固定してから、説明事項を「売買と貸借の差」で覚えると混乱しません。

  • 契約前 … 説明は契約が成立するまでの間。供託所等の説明も契約前
  • 宅建士 … 説明・記名は宅建士(専任でなくてよい)。宅建士証は請求がなくても提示。これが宅建士の独占業務
  • 書面 … 35条書面を交付(押印廃止・記名のみ)。相手方の承諾があれば電磁的方法も可。相手が業者なら説明は省けても交付は省けない

売買と貸借の切り分けは、この3つを軸に整理します。

  • 建物の貸借で「不要」になる代表格 … 法令上の制限(建蔽率・容積率等)/私道負担/書類の保存状況/住宅性能評価
  • 貸借で「固有」に必要 … 契約終了時の精算金/建物の設備の状況/管理の委託先(区分所有か否かを問わず)/専有部分の用途制限(区分所有)
  • 売買・交換で「固有」に必要 … 私道負担/書類の保存状況/住宅性能評価/契約不適合責任の履行確保措置/手付金等の保全措置

「代金・引渡し時期・移転登記の時期」は37条の事項、と唱えておくと、35条のひっかけの大半を弾けます。

 

📝 この論点が出た過去問(12年分・31問)

出題 問われたこと
令和7年 問27 管理委託先の説明・記名する士は専任不要・説明場所の限定なし
令和7年 問30 共同売主の重説義務・規約案の省略不可・手付金保全概要
令和7年 問37 建物状況調査2年以内・貸借の法令制限は不要・規約案も説明
令和7年 問43 信託受益権と目論見書・未完成貸借の構造・精算金・津波防護区域
令和6年 問26 ガス配管の所有権・記名する士は専任不要・管理委託先・積立額
令和6年 問37 水害ハザードマップ・建物状況調査・貸借で私道負担は不要
令和6年 問41 抹消予定の抵当権も説明要・借地の建物取壊し・貸借で性能評価不要
令和5年 問33 交換で取得する物件を説明・引渡時期は37条・電磁的提供の承諾
令和5年 問42 士証は請求なくても提示・説明の相手は取得者・代金は37条
令和4年 問28 自ら買主の業者は説明書不要・説明の相手は買主・作成は士でなくてよい
令和4年 問34 耐震診断は「その内容」を説明・造成宅地防災区域・石綿
令和4年 問36 既存住宅の検査済証の保存状況・代金は37条・引渡時期は37条
令和4年 問40 IT重説の要件(電話のみ不可)・説明は宅建士本人が行う
令和3年10月 問26 代金以外の金銭の額・目的・専任不要・移転登記時期は37条
令和3年10月 問33 水害ハザードマップの提示(全種類・貸借も・未作成時の扱い)
令和3年10月 問36 建物貸借の説明事項(都市計画法の制限は貸借で不要)
令和3年12月 問32 供託所等の説明(契約前・書面交付は義務でない・業者相手は不要)
令和3年12月 問35 契約前に交付・IT重説でも士証提示・業者相手でも書面交付
令和2年10月 問31 損害賠償予定は貸借も・石綿は自ら調査不要・用途制限は貸借も
令和2年10月 問41 記名する士は専任不要・士証亡失中は説明不可・説明場所の限定なし
令和2年10月 問44 信託受益権の売主・耐震診断・貸借の精算金・積立額も説明
令和2年12月 問32 法令上の制限の概要(急傾斜地・土砂災害・津波防護区域等)
令和2年12月 問42 歴史的風致形成建造物の届出・確認済証・維持修繕・設備の状況
令和元年 問28 区分所有建物の貸借の用途制限・貸借で性能評価不要・石綿
令和元年 問39 借地の建物取壊し・貸借で書類保存不要・抹消予定でも説明
令和元年 問41 管理会社の商号・所在地(区分所有か否か問わず)・貸借で建蔽率不要
平成30年 問35 業者間は交付で足り口頭説明不要・契約不適合の履行確保措置
平成30年 問39 業者相手は口頭説明不要・貸借の設備・IT重説でも士証提示
平成29年 問33 説明の相手は取得者・金銭貸借あっせん・貸借で私道負担不要
平成29年 問41 管理委託先・移転登記時期は37条・ガス配管・積立額
平成28年 問36 定期借地権・流通業務地区の制限・代金は37条・未完成貸借の構造

この論点の過去問は、当サイトのゲーム教材「宅建ものがたり」の練習モードで実際に解けます(無料体験あり)。

 

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ごりへい

宅建・賃管・管業・FP2級など複数の資格を取得。学習法や合格体験をもとに、不動産業やキャリア形成に役立つ情報を発信中。実務と資格の両面から「キャリアアップを応援!」をテーマにブログを運営しています。

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