
「30年以上で2回、5年ごとに見直し、0.6倍と1.1倍」と覚えるのがおすすめ!
この記事は、管理業務主任者(管業)とマンション管理士(マン管)の勉強を始めたばかりの人に向けて、長期修繕計画と修繕積立金のガイドラインを、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、図を見ながらやさしく解説します。
同じ内容は、約10分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|長期修繕計画と修繕積立金(約10分)
あおい先生とけんたさんの会話で、計画期間、目的と見直し、対象の範囲、前提条件、まぎらわしい用語、工事費と収支、積立方式、額の目安を確認できます。
▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ
額の目安の表、機械式駐車場の加算、過去問のひっかけまで、記事でくわしく解説しています。
計画期間と見直し|30年以上で2回、5年程度ごと
計画期間は30年以上

30年以上で、大規模修繕工事が2回含まれる期間以上
計画を作る目的は3つ

計画を作る目的は3つ
確定ではなく、5年程度ごとに見直す

5年程度ごと。積立金の額もあわせて見直す
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 計画期間 | 30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上。新築も既存も同じ | 第3章第1節5/令和7 問23 a(25年は不適切)・令和4 問25 b(既存20年は不適切)・マン管 令和5 問37 b |
| 工事の周期 | 一般的に12〜15年程度 | コメント第3章第1節5/令和5 問24 d |
| 確定ではない | 内容・時期・費用を確定するものではない。時期は目安で、金利や物価などの不確定要素がある | 第2章第1節2三/令和5 問21 エ・令和7 問20 イ |
| 見直しの周期 | 5年程度ごとに調査・診断して見直す。修繕積立金の額も同じ。おおむね1〜2年かかる | 第3章第1節10/令和4 問25 d・マン管 令和2 問38 a(10年は不適切) |
| 見直しの時期 | 大規模修繕工事の中間に単独で、または工事の直前か直後に行う | コメント第2章第2節1/令和3 問27 |
※長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)と公式の正答をもとに整理。
対象と前提条件|専有部分も入ることがある
計画の対象

共用部分の工事に伴う専有部分は入る
前提は4つ

前提は4つ
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 単棟型の対象 | 組合管理部分の敷地、建物の共用部分、附属施設 | 第2章第1節2一/令和3 問25 a・令和5 問21 ア・令和4 問25 a |
| 専有部分 | 共用部分の工事に伴って工事が必要になる専有部分は含む | 第2章第1節2一/令和3 問25 b・令和7 問22 b・マン管 令和3 問36 d |
| 給排水管の一体工事 | 計画に記載し、修繕積立金からの拠出を管理規約に定める | 第2章第1節2一 |
| 団地型の対象 | 団地全体の土地、附属施設、団地共用部分と、各棟の共用部分 | 第2章第1節2一/令和3 問25 c・d |
| 前提条件 | 維持・回復の工事が基本/必要に応じて改良工事/点検と経常的な補修を適切に/工事の要否は調査・診断で判断 | 第2章第1節2二/令和2 問27・令和7 問20 ア・ウ |
※長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)と公式の正答をもとに整理。
まぎらわしい用語|積立金は「計画」修繕工事に充てる
推定と計画のちがい

積立金を充てるのは計画修繕工事
| 用語 | 意味 | 根拠 |
|---|---|---|
| 推定修繕工事 | 計画期間に見込まれる修繕工事と改修工事 | 第1章4十三/令和6 問20 ア・令和3 問26 a |
| 計画修繕工事 | 長期修繕計画に基づいて計画的に実施する工事 | 第1章4十四/令和6 問20 イ・令和3 問26 b |
| 大規模修繕工事 | 建物の全体または複数の部位の大規模な計画修繕工事(全面的な外壁塗装など) | 第1章4十五/令和6 問20 ウ |
| 修繕積立金 | 計画修繕工事の費用に充当するお金 | 第1章4十六/令和3 問26 d(推定修繕工事は不適切) |
※長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)と公式の正答をもとに整理。
工事費とお金の計画|累計額が下回らないように
工事費の見積もり方

地域差があるのは労務費
お金の計画

一時的に下回る年は、一時金や借入れで
積立金のほかに入るお金

どれも修繕積立金会計に入れる
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 工事費 | 数量×単価。単価の地域差は材料費・リース費にはほとんどなく、労務費にある | 第3章第1節8三・コメント/マン管 令和5 問37 d・令和6 問23 a・令和7 問21 イ |
| 工事の集約 | 仮設の費用を減らせる。過剰にまとめると積立金が一時的に不足する | コメント第3章第1節7/マン管 令和5 問37 c |
| 収支 | 積立金の累計額が工事費の累計額を下回らないように。一時的に下回るときは一時金や借入れ | 第3章第1節9・第2節3/令和6 問22 a |
| 基金・一時金 | 修繕積立基金、一時金、使用料の残りは修繕積立金会計に繰り入れる | 第3章第2節2/令和2 問28 c・d・令和5 問22 c(区分は不適切) |
| 機械式駐車場 | 駐車場使用料会計を分けることも考えられる | 第3章第1節9/令和6 問22 d |
※長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)と公式の正答をもとに整理。
決め方と保管|総会で決議、管理組合が保管
計画の決め方

説明会のあと総会で決議
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 決定まで | 理事会・専門委員会で検討→専門家に依頼→説明会→総会で決議→議事録とあわせて配付 | 第2章第2節1・第3節1/令和4 問27 ウ・マン管 令和7 問38 c |
| 保管と閲覧 | 管理組合が保管し、求めがあれば閲覧できるようにする | 第2章第1節3三・第3節2/令和4 問27 ア・エ |
※長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)と公式の正答をもとに整理。
積立方式と額の目安|均等が基本、0.6倍と1.1倍
2つの積立方式

最初は0.6倍以上、最後は1.1倍以内
| 方式 | 特長 | 注意点 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 均等積立方式(基本) | 将来の増額を組み込まず、安定して積み立てられる | 多額の資金を管理する状況が生じる。見直しで増額が必要になることもある | 第3章第2節1・ガイドライン4/令和2 問28 a・令和5 問25 |
| 段階増額積立方式 | 最初の負担が小さく、多額の資金を管理する必要性が低い | 増額の合意ができず不足する場合がある。最初0.6倍以上・最後1.1倍以内が目安 | ガイドライン4(1)(2)/令和5 問25・令和7 問24・マン管 令和3 問39 |
※修繕積立金ガイドライン(令和6年6月改定)と公式の正答をもとに整理。
額の目安

足して、総専有床面積と月数で割る
| 階数・建築延床面積 | 事例の3分の2が入る幅 | 平均値 |
|---|---|---|
| 20階未満・5,000㎡未満 | 235〜430円 | 335円 |
| 20階未満・5,000㎡以上10,000㎡未満 | 170〜320円 | 252円 |
| 20階未満・10,000㎡以上20,000㎡未満 | 200〜330円 | 271円 |
| 20階未満・20,000㎡以上 | 190〜325円 | 255円 |
| 20階以上 | 240〜410円 | 338円 |
※専有面積1㎡あたりの月額で、機械式駐車場の分を除く。修繕積立金ガイドライン(令和6年6月改定)をもとに整理。
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 平均額の計算 | (最初の残高+集める総額+使用料からの繰入額)÷総専有床面積÷計画期間の月数 | ガイドライン3(2)①/令和4 問28 |
| 幅の外でも | 目安の幅に収まらなくても、直ちに不適切ではない | ガイドライン3(1)(3)/令和6 問24 c |
| 超高層 | 特殊な足場などで工事費が増える傾向がある | ガイドライン3(2)②/令和6 問24 b・マン管 令和3 問39 c |
| 機械式駐車場 | 別に加算する(1台あたりの月額×台数を、総専有床面積で割る) | ガイドライン3(2)③ |
| 専有部分のリフォーム | 修繕積立金には原則として含まれない | ガイドライン2(1)/令和6 問24 a |
※修繕積立金ガイドライン(令和6年6月改定)と公式の正答をもとに整理。
試験に出る|ひっかけと過去問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 計画期間は25年以上 | 30年以上で2回以上(令和7 問23 a) |
| 既存のマンションの計画期間は20年以上 | 既存も同じ(令和4 問25 b) |
| 30年以上「または」大規模修繕工事が2回含まれる期間 | 「かつ」(マン管 令和4 問36 c) |
| 10年程度ごとに見直す | 5年程度ごと(マン管 令和2 問38 a) |
| 専有部分は対象に入らない | 工事に伴う部分は入る(令和3 問25 b) |
| 修繕積立金は推定修繕工事の費用に充てる | 計画修繕工事(令和3 問26 d) |
| 修繕積立基金や一時金は、修繕積立金会計と分ける | 修繕積立金会計に入れる(令和5 問22 c) |
| 専有部分のリフォームの費用も修繕積立金に含まれる | 原則含まれない(令和6 問24 a) |
| 目安の幅に収まらないと不適切 | 直ちに不適切ではない(令和6 問24 c) |
過去問の出題
令和2〜7年度で、問題文を読んで確かめると、この2つのガイドラインが主題の問題は、管業で25問、マン管で7問です。管業では毎年3〜5問出ています。
| 年度 | 管業 | マン管 |
|---|---|---|
| 令和2 | 問26・27・28 | 問38 |
| 令和3 | 問25・26・27 | 問36・39 |
| 令和4 | 問25・26・27・28 | 問36 |
| 令和5 | 問21・22・23・24・25 | 問36・37 |
| 令和6 | 問20・21・22・23・24 | — |
| 令和7 | 問20・21・22・23・24 | 問38 |
※問題文と公式の正答から1問ずつ確かめたもの(令和2〜7年度)。
まとめ|30年以上で2回、5年ごとに見直し、0.6倍と1.1倍
- 計画期間は30年以上で、大規模修繕工事が2回含まれる期間以上。新築も既存も同じ
- 計画は確定ではない。5年程度ごとに調査・診断して、積立金の額も見直す
- 対象は敷地、共用部分、附属施設。工事に伴う専有部分も入る
- 修繕積立金は計画修繕工事に充てる。基金や一時金は修繕積立金会計に入れる
- 積立ては均等積立方式が基本。段階増額積立方式は最初0.6倍以上、最後1.1倍以内
- 額の目安の幅に収まらなくても、直ちに不適切ではない
あわせて読みたい関連論点
出典・参考にした公式資料
- 国土交通省 長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント(令和6年6月改定)
- 国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改定)
- 管理業務主任者試験・マンション管理士試験 令和2〜7年度の過去問と公式の正答(上の表の問題)
こちらもCHECK
-
-
管理業務主任者の通信講座・予備校おすすめ4選|料金・合格率を比較【2026年版】
続きを見る
