
「翌月末日」と「保証契約がいるのは収納口座を通すときだけ」を最初に覚えるのがおすすめ!
この記事は、管理業務主任者(管業)の勉強を始めたばかりの人に向けて、マンション管理適正化法の財産の分別管理と管理事務の報告を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、図を見ながらやさしく解説します。
同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|財産の分別管理と管理事務の報告(約4分)
あおい先生とけんたさんの会話で、修繕積立金等を分けて管理する理由、収納口座・保管口座の3つの方法と名義、保証契約と印鑑のルール、毎月の会計の書面、管理事務報告書と説明会を確認できます。
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口座の名義と保証契約の表、保証契約がいらない例外、2026年の改正で増えた印鑑の例外、過去問のひっかけまで、記事でくわしく解説しています。
お金を分けて管理する|3つの方法と翌月末日
分別管理とは

自分のお金とも、ほかの組合のお金とも分ける
3つの管理の方法

収納口座から保管口座へは、翌月末日まで
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 分けて管理する財産 | 修繕積立金と、管理組合や区分所有者等から受け取った管理費用に充てる金銭・有価証券(まとめて修繕積立金等) | 法76条・規則87条1項/マン管 令和3 問49 ア(正) |
| 1つめ(イ) | 修繕積立金等金銭を収納口座に入れ、毎月、その月分から当月の管理事務の費用を引いた残りを、翌月末日までに保管口座へ移す | 規則87条2項1号イ/管業 令和6 問49 |
| 2つめ(ロ) | 修繕積立金は保管口座に直接入れ、管理費用に充てるお金は収納口座に入れて、残りを翌月末日までに保管口座へ移す | 規則87条2項1号ロ |
| 3つめ(ハ) | 修繕積立金等金銭を収納・保管口座に入れて、そのまま管理する | 規則87条2項1号ハ |
| 有価証券 | 金融機関や証券会社に、保管場所を自分の財産・ほかの管理組合の財産と明確に分けさせ、どの管理組合のものかわかる状態で管理させる | 規則87条2項2号 |
| 残りを移さないと | 管理組合の承認を得ても、残りを収納口座に置いたままにはできない | 管業 令和5 問49 イ(違反する) |
※マンション管理適正化法76条・同施行規則87条(e-Gov法令検索の現行条文)と、公式の正答をもとに整理。
| 口座 | どんな口座か | 名義 |
|---|---|---|
| 収納口座 | 集めたお金を入れて、一時的に預貯金として管理する口座 | 定めなし(管理会社の名義でもよい) |
| 保管口座 | 修繕積立金を入れたり、収納口座から残りを移したりして、預貯金として管理する口座 | 管理組合等(管理組合か管理者等) |
| 収納・保管口座 | 集めたお金を入れて、そのまま預貯金として管理する口座 | 管理組合等 |
※規則87条6項1〜3号。管業 令和6 問49 b(収納口座は管理組合名義が必要=最も不適切)、マン管 令和3 問49 エ(保管口座を「一時的」「管理業者名義も可」=誤り)、管業 令和3 問49 エ・令和2 問48 エ(定義どおり=正)。
保証契約と印鑑|収納口座を通すときの守り
1か月分以上の保証契約

保証契約がいるのは、収納口座を通すときだけ
印鑑・カードは持てない

保管口座の印鑑・カードは、原則として持てない
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 保証契約がいるとき | 1つめ(イ)・2つめ(ロ)の方法で管理するとき。区分所有者等から徴収する1か月分の修繕積立金等金銭(ロは管理費用に充てるお金)の合計額以上 | 規則87条3項本文/管業 令和6 問49 c(適切) |
| いらないとき | 3つめ(ハ)の収納・保管口座で管理するとき | 規則87条3項/管業 令和4 問49 a・令和3 問49 イ(いずれも保証契約が必要とする肢は誤り)・令和5 問49 ウ(違反しない) |
| イ・ロでもいらない例外 | 次の両方にあてはまるとき:①お金が区分所有者等から管理組合等名義の収納口座に直接入る(または管理会社や委託先が徴収しない)②管理会社がその収納口座の印鑑等を保管しない | 規則87条3項ただし書/管業 令和2 問48 ア(印鑑を保管していれば承諾があっても保証契約が必要) |
| 委託先が徴収するとき | 管理会社から委託を受けた者が徴収する場合は、例外にあたらず保証契約が必要 | 規則87条3項ただし書1号/管業 令和6 問49 c(適切) |
| 印鑑・カード | 保管口座・収納・保管口座の印鑑、預貯金の引出用カードなどは保管してはならない(管理者等の承認があっても不可) | 規則87条4項本文/管業 令和6 問49 a(適切)・令和5 問49 ア(違反する) |
| 例外① | 管理者等が置かれていないとき、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り保管する | 規則87条4項1号 |
| 例外②(2026年4月から) | 管理会社がその管理組合の管理者等で、5つの要件をすべて満たすとき(下の表) | 規則87条4項2号 |
※マンション管理適正化法施行規則87条3項・4項(e-Gov法令検索の現行条文)と、公式の正答をもとに整理。
2026年4月の改正|管理会社が管理者のときの印鑑
2026年4月1日施行の規則改正で、管理会社が管理組合の管理者等になっている場合に、次の5つの要件をすべて満たせば、保管口座などの印鑑等を保管できる例外が加わりました。
| 要件 | 中身 |
|---|---|
| ほかに引き受け手がいない | 管理会社や密接な関係のある者のほかに、印鑑等の保管を承諾する人がいない |
| 保管体制 | 不正な利用・盗難・紛失などのおそれがない、適切な保管体制を整えている |
| 保証契約 | 保管口座(または収納・保管口座)にある金額以上の保証契約を結んでいる |
| 名義 | 口座の名義が、管理組合のものだと一見して明らか |
| 集会の決議 | 上の4つを区分所有者等に説明・書面交付したうえで、管理会社が保管する旨の集会の決議がある |
※規則87条4項2号イ〜ホ(2026年4月1日施行)。令和7年度までの過去問は改正前なので、例外を「管理者等が選任されるまでの比較的短い期間」の1つだけで書いています(管業 令和4 問49 b・令和3 問49 ウ・令和2 問48 ウ、マン管 令和3 問49 イ)。今の条文では例外がもう1つあります。
管理組合への報告|毎月の書面と管理事務報告書
毎月の会計の書面

毎月の書面は、翌月末日までに管理者へ
事業年度ごとの管理事務の報告

管理者がいないときは、説明会で報告
| くらべる点 | 毎月の会計の書面(規則87条5項) | 管理事務の報告(法77条・規則88条・89条) |
|---|---|---|
| いつ | 毎月。その月の分を翌月末日まで | 事業年度の終了後、遅滞なく |
| 中身 | その月の会計の収入と支出の状況 | 報告の対象期間、会計の収入と支出の状況、管理受託契約の内容に関する事項 |
| 管理者等がいるとき | 管理者等に交付 | 管理業務主任者が管理者等に交付して説明 |
| 管理者等がいない・業者が管理者等のとき | 交付に代えて事務所ごとに備え置き、区分所有者等の求めで業務時間内に閲覧(事業年度の終了日から2か月を経過する日まで) | 説明会を開き、管理業務主任者が区分所有者等に交付して説明。日時・場所は1週間前までに掲示、管理組合ごとに開催 |
| 管理業務主任者 | 関与の定めなし(記名も報告も不要) | 説明するのは主任者。説明のときは主任者証を提示(請求がなくても) |
| 記名 | なし | なし(重要事項・成立時の書面とちがう) |
※同施行規則87条5項・88条・89条、マンション管理適正化法77条をもとに整理。マン管 令和5 問49 エ(毎月の書面に主任者の記名=誤り)・管業 令和7 問48 ウ(毎月の書面を主任者に報告させる=誤り)・マン管 令和6 問50 ウ(管理事務の報告を毎月=誤り)・マン管 令和5 問49 イ(管理者なしなら書面交付で足りる=誤り)・管業 令和6 問48 ウ・令和7 問49 a(適切)。
試験に出る|ひっかけと過去問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 収納・保管口座で管理するときも、1か月分以上の保証契約が必要 | いらない(管業 令和4 問49 a・令和3 問49 イ) |
| 収納口座の印鑑を保管していても、管理組合の承諾があれば保証契約はいらない | 印鑑を保管していれば保証契約が必要(管業 令和2 問48 ア) |
| 収納口座は、管理組合を名義人とする必要がある | 収納口座の名義に定めはない(管業 令和6 問49 b) |
| 保管口座は、一時的に管理する口座で、管理業者名義でもよい | 一時的なのは収納口座。保管口座は管理組合等名義(マン管 令和3 問49 エ) |
| 管理者等の承認があれば、保管口座の印鑑を管理できる | 承認があってもできない(管業 令和5 問49 ア) |
| 管理組合の承認を得れば、残りを収納口座に置いたままでよい | 翌月末日までに保管口座へ移す(管業 令和5 問49 イ) |
| 毎月の書面は、当月末日に管理者等に交付する | 翌月末日まで(マン管 令和3 問49 ウ) |
| 毎月の書面は、管理業務主任者に記名・報告させる | 主任者の記名も報告もいらない(マン管 令和5 問49 エ・管業 令和7 問48 ウ) |
| 管理者等がいないときは、毎月の書面を区分所有者等に交付する | 事務所に備え置き・閲覧(管業 令和2 問48 イ) |
| 管理事務の報告は、毎月、管理者等に行う | 事業年度の終了後(マン管 令和6 問50 ウ) |
| 管理者等がいないときは、管理事務報告書を交付すれば足りる | 説明会で主任者が説明(マン管 令和5 問49 イ) |
過去問の出題
令和3〜7年度で、財産の分別管理が主題の問題は、管業で4問、マン管で1問です。管業はほぼ毎年、問49に出ています。毎月の書面や管理事務の報告は、ほかの問題の肢としてもくり返し出ています。
| 年度・問 | 出たポイント |
|---|---|
| 管業 令和6 問49 | イの方法(印鑑・収納口座の名義・委託先の徴収と保証契約・翌月末日) |
| 管業 令和5 問49 | 違反するもの(保管口座の印鑑・残りを収納口座に置く・ハ方式と保証契約) |
| 管業 令和4 問49 | 分別管理(ハ方式と保証契約・印鑑の例外・管理者なしの備え置き) |
| 管業 令和3 問49 | 分別管理(76条・ハ方式と保証契約・印鑑の例外・保管口座の定義) |
| マン管 令和3 問49 | 分別管理と毎月の書面(対象の財産・印鑑・当月末日・保管口座の定義) |
※問題文と公式の正答から1問ずつ数えたもの(令和3〜7年度)。令和2年度も管業 問48が主題。肢として:管業 令和6 問48 ウ・令和7 問48 ウ・令和7 問49 a、マン管 令和5 問49 イ・エ・令和6 問50 ウ・令和7 問50 b。
まとめ|分けて管理し、毎月と年度末に報告
- 修繕積立金等は、管理会社のお金・ほかの管理組合のお金と分けて管理
- 収納口座からは、費用を払った残りを翌月末日までに保管口座へ。保管口座・収納・保管口座は管理組合等の名義
- 収納口座を通すなら1か月分以上の保証契約。収納・保管口座だけなら不要
- 保管口座の印鑑・カードは原則として持てない(管理者が決まるまでの短い期間などは例外)
- 毎月の書面は翌月末日までに管理者等へ。事業年度が終わったら管理事務報告書を主任者が説明
あわせて読みたい関連論点
出典・参考にした公式資料
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律(e-Gov法令検索):76条・77条
- 同施行規則(e-Gov法令検索):87条〜89条
- 管理業務主任者試験・マンション管理士試験 令和2〜7年度の過去問と公式の正答(上の表の問題)
※2026年4月1日施行の改正まで反映したマンション管理適正化法・同施行規則にもとづく内容です。
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