
📚 FP攻略ノート|相続税・贈与税
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こんにちは、ごりへいです。相続分野の中でも、この「相続税・贈与税」は数字が命のパートです。基礎控除、非課税枠、税額軽減、申告期限——ここは覚えた数字がそのまま点になります。逆に言えば、数字があいまいだと確実に落とします。
このノートでは、直近の本試験(2024年5月〜2026年5月)で実際に問われた論点を軸に、贈与税(暦年課税・相続時精算課税・配偶者控除)と相続税(基礎控除・配偶者の税額軽減・生命保険金非課税・延納/物納・申告期限)を、試験に出る数字と要件だけに絞って整理しました。
表と💡覚え方・⚠️ひっかけで、混同しやすいところを潰していきましょう。
1. 贈与の基本(民法上の贈与)
贈与は「あげます・もらいます」の意思の合致で成立する契約です。まずは種類を整理します。
| 種類 | 内容とポイント |
|---|---|
| 定期贈与 | 定期的に給付する贈与。贈与者・受贈者どちらかの死亡で効力を失う(2024年9月問51で正解肢) |
| 負担付贈与 | 受贈者に一定の負担を課す贈与 |
| 死因贈与 | 贈与者の死亡で効力が生じる。双方の合意で成立する契約(=一方的な意思表示ではない)。課税は相続税 |
⚠️ひっかけ:2025年1月問51で「死因贈与は贈与者の一方的な意思表示により成立」が不適切(=正解肢)。死因贈与は契約なので双方の合意が必要です。一方的なのは「遺贈」のほう。遺贈の規定が準用される点と混同させる狙いです。
💡書面によらない贈与:2025年5月問51で「書面によらない贈与は、履行が終わった部分を除き、各当事者が解除できる」が正解肢。口約束はまだ履行していない部分だけ撤回OK、と覚えます。
2. 贈与税の課税財産・非課税財産
みなし贈与財産
本来は贈与でなくても、実質的に贈与と同じ利益なら贈与税がかかります(生命保険金、低額譲受、債務免除益など)。
⚠️ひっかけ:離婚による財産分与は、原則として贈与税の課税対象になりません(2025年1月問52で正解肢)。ただし分与が過大な場合や、税逃れ目的の離婚では課税されることがあります。
法人からの贈与
⚠️ひっかけ:2026年5月問51で「個人が法人から贈与を受けた財産は贈与税の課税対象」が不適切(=正解肢)。法人からの贈与は所得税(一時所得または給与所得)の対象で、贈与税はかかりません。贈与税は「個人→個人」だけ、と覚えましょう。
3. 暦年課税(贈与税の原則)
1年間(1/1〜12/31)に受けた贈与の合計から基礎控除110万円を差し引いて課税します。
💡覚え方(最重要):基礎控除110万円は「もらう人1人あたり・1年で110万円」です。贈与者ごとに110万円ではありません。
⚠️ひっかけ(頻出):2025年1月問53で「父母それぞれから贈与を受けた場合、基礎控除は各贈与者につき最高110万円」が不適切(=正解肢)。2025年5月問52でも「最高220万円」が不適切(=正解肢)。父からも母からももらっても、合計して110万円が上限です。毎回のように狙われる定番ひっかけなので確実に。
4. 贈与税の配偶者控除
婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産またはその取得資金を贈与したとき、基礎控除110万円とは別に最高2,000万円を控除できます(合わせて最大2,110万円)。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 婚姻期間 | 贈与日時点で20年以上(その年1月1日ではない) |
| 対象財産 | 居住用不動産、または居住用不動産の取得資金 |
| 控除額 | 最高2,000万円(+基礎控除110万円) |
| 回数 | 同一夫婦間で1回のみ |
⚠️ひっかけ:2024年9月問52で「婚姻期間20年以上を贈与を受けた年の1月1日で判定」が不適切(=正解肢)。判定は贈与を受けた日時点です。また2026年5月問52では「贈与財産の種類や金額に制限はない」が不適切(=正解肢)。対象は居住用不動産等に限られます。
5. 相続時精算課税制度
60歳以上の父母・祖父母から、18歳以上の子・孫への贈与について選択できる制度。累計2,500万円の特別控除までは贈与税がかからず、超過分に一律20%課税。贈与者の死亡時に、贈与財産を相続財産に加算して相続税で精算します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特別控除 | 累計2,500万円 |
| 税率 | 2,500万円超の部分に一律20% |
| 年間基礎控除 | 2024年からは年110万円の基礎控除を別途利用可(この分は相続財産に加算されない) |
| 財産の種類・回数 | 制限なし(2024年9月問53で正解肢) |
| 注意 | 一度選択すると同じ贈与者からの贈与は暦年課税に戻れない |
⚠️ひっかけ:2024年5月問52で「税率は一律25%」が不適切(=正解肢)。正しくは20%。数字を1つずらすだけの単純ひっかけなので、逆に確実に取りたい肢です。
6. 相続税の基礎控除
相続税の最重要数字がこれです。
💡基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
「法定相続人の数」の数え方(特有ルール)
- 相続放棄した人も、放棄がなかったものとして数える
- 養子の算入制限:実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで(2025年5月問55で「実子の有無にかかわらず1人まで」が不適切=正解肢)
【計算例:2026年5月問55】 妻B・実子C(相続放棄)・養子D(普通養子)・孫E・孫Fという関係で、法定相続人の数は? → 放棄したCも数に含め、実子がいるので養子Dは1人算入。孫は代襲相続ではないので数えない。よって妻B・子C・養子Dの3人。基礎控除は 3,000万+600万×3=4,800万円。
7. 死亡保険金・死亡退職金の非課税
相続人が受け取る死亡保険金・死亡退職金には、それぞれ非課税枠があります。
💡非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
⚠️ひっかけ:2025年1月問58で「相続を放棄した人が受け取った死亡保険金も非課税の適用を受けられる」が不適切(=正解肢)。放棄した人は「相続人」ではないので、保険金は受け取れても非課税枠は使えません(全額課税)。ただし基礎控除の「法定相続人の数」には放棄者も含める——ここが混同ポイントです。「非課税枠=放棄者ダメ」「基礎控除の頭数=放棄者OK」と区別して覚えましょう。
8. 配偶者に対する相続税額の軽減
配偶者が取得した財産のうち、①1億6,000万円 ②配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までは相続税がかかりません。
- 2026年5月問56:相続人が配偶者のみで全遺産を取得した場合、この軽減により納付税額は生じない(正解肢)。
- 2024年9月問57:適用対象の配偶者は法律上の婚姻届を出している者に限る(正解肢)。内縁の配偶者は不可。
⚠️ひっかけ(未分割):2025年1月問55が正解肢とした通り、申告期限までに未分割の財産は原則として軽減の対象外。ただし「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、3年以内に分割すれば適用を受けられます。この救済措置はセットで覚えます。
9. 2割加算
被相続人の配偶者・子(代襲相続人を含む)・父母以外の人が相続・遺贈で財産を取得した場合、相続税額が2割加算されます。
💡覚え方:加算されないのは「一親等の血族(親・子)+配偶者」だけ。兄弟姉妹・孫(代襲でない養子)・受遺者(第三者)は2割加算の対象。孫養子は原則加算対象(代襲相続人である孫を除く)。
10. 相続税の申告と納付
申告期限
相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、被相続人の死亡時の住所地の所轄税務署長に申告・納付します。
⚠️ひっかけ:2025年5月問56で「相続人の住所地の所轄税務署長に提出」が不適切(=正解肢)。提出先は被相続人(亡くなった人)の住所地です。期限「10カ月」は正しく、提出先だけずらす引っかけでした。
延納・物納
金銭一括納付が困難なときは延納(分割払い)、延納でも困難なら物納(現物での納付)が認められます。順番は「金銭一括 → 延納 → 物納」。
- 2024年5月問57:延納の担保は、相続財産に限らず、相続人が相続開始前から所有していた財産も提供できる(正解肢)。
11. 財産評価の頻出肢(相続税評価)
宅地の評価と貸宅地・貸家建付地
他人に権利が及んでいる宅地は評価が下がります。区別が超頻出です。
| 区分 | 状況 | 評価 |
|---|---|---|
| 自用地 | 自分で使用 | 路線価×地積(補正後) |
| 貸宅地(底地) | 他人に土地を貸し、他人が建物所有 | 自用地×(1−借地権割合) |
| 貸家建付地 | 自分の土地に自分でアパートを建て賃貸 | 自用地×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合) |
⚠️ひっかけ(頻出):2024年5月問58で「自分の土地にアパートを建てて賃貸している宅地を貸宅地として評価」が不適切(=正解肢)。これは貸家建付地です。「土地だけ貸す=貸宅地」「土地に自分のアパートを建てて貸す=貸家建付地」と区別しましょう。
金融資産の評価
⚠️ひっかけ:2024年9月問58で「外貨預金の邦貨換算は預入時のTTB」が不適切(=正解肢)。相続税評価は課税時期(相続開始日)のTTBで換算します。「預入時」ではなく「相続開始時」です。
12. 事業承継税制(納税猶予)
非上場株式等について、一定要件のもと贈与税・相続税の納税猶予・免除が受けられる制度です(特例措置あり)。
💡贈与税の納税猶予と相続時精算課税は併用できます。2025年5月問60で「納税猶予の特例を受ける場合、相続時精算課税制度を選択できない」が不適切(=正解肢)。むしろ猶予打切りリスクに備えて併用が推奨されるケースがあります。
まとめ:数字を制する者が相続税を制す
この分野で絶対に落とせない数字は、①暦年課税の基礎控除110万(もらう人ごと・年間合計)②相続時精算課税2,500万+20%③相続税の基礎控除3,000万+600万×法定相続人④生命保険金非課税500万×法定相続人⑤配偶者控除2,000万(婚姻20年)⑥配偶者の税額軽減1億6,000万⑦申告10カ月の7つ。
そして最大の得点源はひっかけの型を知ること。「暦年110万は贈与者ごとに増えない」「放棄者は非課税枠×だが基礎控除の頭数は○」「貸宅地と貸家建付地の区別」——この3つを外さなければ、相続税・贈与税は安定して稼げます。過去問で数字を体に入れていきましょう。
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