
📚 FP攻略ノート|損益通算・所得控除・税額控除
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所得税は「収入 → 各種所得 → 損益通算 → 所得控除 → 課税所得 → 税額 → 税額控除 → 納付税額」という流れで計算します。このノートでは、そのうち差がつきやすい「所得控除」と「税額控除(特に住宅ローン控除)」、そして「確定申告が必要かどうか」を、実際の出題ベースで固めていきます。
ごりへいです。所得控除は種類が多くて覚えにくいのですが、FP2級で問われるのは実は数字と要件の細部に集中しています。「合計所得金額の上限はいくらか」「年末調整で受けられるのか、確定申告が必要なのか」——ここを正確に持っておくだけで、タックス分野の得点がぐっと安定します。
特に、直近の本試験(2024年5月〜2026年5月)で繰り返し狙われた「医療費控除に所得上限はない」「配偶者控除の対象外になる人」「住宅ローン控除の要件」「確定申告不要の給与収入ライン」を重点的に扱います。
所得控除の全体像
所得控除は「所得金額そのものから差し引く」控除で、全部で15種類あります。まずは代表的なものの控除額と要件を表で押さえましょう。
| 控除の種類 | 控除額の目安 | 主な要件・ポイント |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 最高48万円 | 合計所得金額2,400万円以下で48万円。2,500万円超で0円 |
| 配偶者控除 | 最高38万円 (老人控除対象配偶者48万円) |
配偶者の合計所得金額48万円以下/本人の合計所得1,000万円以下 |
| 配偶者特別控除 | 最高38万円 | 配偶者の合計所得48万円超133万円以下/本人の合計所得1,000万円以下 |
| 扶養控除 | 一般38万円/特定63万円/老人48万円(同居老親等58万円) | 扶養親族の合計所得48万円以下。特定扶養=19歳以上23歳未満 |
| 医療費控除 | 最高200万円 | (支払額−保険金等)−(10万円 or 総所得金額等×5%の少ない方) |
| 社会保険料控除 | 支払額の全額 | 本人・生計を一にする親族の分も対象 |
| 生命保険料控除 | 合計最高12万円 | 新制度は一般・介護医療・個人年金の各区分ごと最高4万円 |
| 地震保険料控除 | 最高5万円 | 支払額の全額(上限5万円) |
※令和7年度税制改正(令和7年分以後)で基礎控除は最大95万円(基準58万円)、配偶者控除・扶養控除の所得要件は58万円以下(給与収入123万円以下)に引き上げ済み。2026年5月試験までは法令基準日の関係で改正前の48万円・103万円で出題、以後の試験回は最新の法令基準日を確認してください。
医療費控除——「所得の上限はない」が最頻出
医療費控除は、支払った医療費から保険金などで補てんされた分を引き、さらに「10万円」または「総所得金額等の5%」の少ない方を差し引いて計算します(控除上限200万円)。
⚠️ひっかけ
「納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合、医療費控除の適用を受けることはできない」——これは誤り(2024年5月・問34の不適切肢)。医療費控除に所得金額の上限はありません。高所得者でも受けられます。配偶者控除や住宅ローン控除に所得上限があることと混同させてくる、定番の引っかけです。
⚠️ひっかけ
「給与所得者は、年末調整により医療費控除の適用を受けることができる」——これも誤り(2026年5月・問34の不適切肢)。医療費控除・寄附金控除・雑損控除の3つは、年末調整では受けられず、確定申告が必要です。「医・寄・雑(い・き・ざつ)は自分で申告」と覚えてください。
配偶者控除——対象外になる人がポイント
配偶者控除は、配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入なら103万円以下)で、かつ本人(納税者)の合計所得金額が1,000万円以下のときに適用されます。控除額は本人の所得に応じて逓減し、最高38万円(70歳以上の老人控除対象配偶者は48万円)です。
⚠️ひっかけ
「青色事業専従者として給与を受ける配偶者は、合計所得48万円以下なら控除対象配偶者に該当する」——これは誤り(2025年1月・問34の不適切肢)。青色事業専従者・白色事業専従者は、金額にかかわらず配偶者控除・扶養控除の対象外です。専従者給与で経費に落としている以上、二重に控除は使えない、と理解しましょう。
また「内縁関係(婚姻の届出をしていない者)でも控除対象配偶者に該当する」も誤り(2025年5月・問34の不適切肢)。配偶者控除は法律上の婚姻関係が要件で、内縁の配偶者は対象外です。
💡覚え方
配偶者控除で対象外になる人=「①事業専従者(青色・白色とも) ②内縁(届出なし) ③配偶者の所得が48万円超(→配偶者特別控除へ) ④本人の所得が1,000万円超」。この4パターンが出題の9割です。
税額控除——住宅ローン控除を完全攻略
税額控除は「計算した税額から直接差し引く」控除で、所得控除より節税効果が大きいのが特徴です。FP2級では 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)が毎回のように出ます。要件を丸ごと押さえましょう。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 合計所得金額 | 2,000万円以下であること |
| 床面積 | 原則50㎡以上(合計所得1,000万円以下なら40㎡以上でも可の特例あり) |
| 居住用部分 | 店舗併用の場合、床面積の2分の1以上が居住用であること |
| 返済期間 | 償還期間10年以上の住宅ローンであること |
| 入居時期 | 取得・新築から6ヵ月以内に居住し、適用年の12月31日まで引き続き居住 |
| 初年度の手続き | 給与所得者でも初年度は確定申告が必要(2年目以降は年末調整で可) |
⚠️ひっかけ(頻出No.1)
「住宅ローン控除は、給与所得者であれば、居住の用に供した年分から年末調整により適用を受けることができる」——これは誤り(2024年5月・問35の不適切肢)。初年度(最初の年)は必ず確定申告が必要で、年末調整で受けられるのは2年目以降です。ここは本当に何度も出ています。
⚠️ひっかけ(合計所得金額)
「住宅ローン控除の適用を受けるには、合計所得金額が3,000万円以下でなければならない」——これは誤り(2024年9月・問34の不適切肢)。正しくは2,000万円以下です。以前は3,000万円でしたが引き下げられており、「3,000万円」と書いてあったら誤りと判断できます。
⚠️ひっかけ(繰上げ返済)
「一部繰上げ返済により返済期間が最初の返済月から10年未満となった場合でも、残りの控除期間について適用を受けられる」——これは誤り(2026年5月・問35の不適切肢)。繰上げ返済の結果、返済期間(当初の返済月から完済までの期間)が10年未満になると、その年以降は住宅ローン控除を受けられなくなります。「10年以上」の要件は入口だけでなく、途中で崩れてもアウトです。
なお、店舗併用住宅の「床面積の2分の1以上が居住用」でなければ適用できない、という点(2025年1月・問35)や、繰上げ返済で期間が10年未満になると打ち切り、という点は、いずれも上表の要件をそのまま問うたものです。要件表を丸暗記すれば全部取れます。
💡覚え方
住宅ローン控除の数字は「2・50・1/2・10・6」でワンセット。所得2,000万円以下/床面積50㎡以上/居住用2分の1以上/返済10年以上/入居6ヵ月以内。この5つの数字を呪文のように唱えておけば、住宅ローン控除の正誤は迷いません。
確定申告が必要か・不要か
所得控除・税額控除の締めくくりとして、「確定申告が必要かどうか」も頻出です。給与所得者の判定を中心に整理します。
給与所得者が確定申告を要する主なケース
- その年の給与収入が 2,000万円を超える場合
- 給与所得・退職所得以外の所得が 20万円を超える場合
- 2ヵ所以上から給与を受けている場合(一定の場合)
- 住宅ローン控除(初年度)・医療費控除・寄附金控除・雑損控除を受ける場合
⚠️ひっかけ
「1ヵ所から給与として年額1,500万円の支払を受けた給与所得者は、確定申告を要しない」——これは正しい(2025年5月・問36の適切肢)。確定申告が必要になるのは 給与収入が2,000万円を「超える」場合。1,500万円ならラインを超えていないので、年末調整で完結し確定申告は不要です。「高給=申告必要」と早合点しないこと。
公的年金等がある場合の申告不要制度
公的年金等の収入金額が 400万円以下で、かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得が 20万円以下のときは、確定申告が不要になります(確定申告不要制度)。
実例(2024年9月・問35の適切肢)
給与収入70万円+公的年金に係る雑所得250万円のケース。
公的年金等の収入が400万円以下で、年金以外の所得(給与所得)が少額であれば、確定申告は不要と判定されます。年金生活者を過度に申告義務で縛らない、という趣旨の制度です。
💡覚え方
確定申告のキーナンバーは「2,000・20・400」。給与2,000万円超は申告必要/給与以外の所得20万円超は申告必要/公的年金400万円以下は原則申告不要。この3つの数字を押さえれば、申告要否の問題はほぼ攻略できます。
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