
📚 FP攻略ノート|法人税・消費税
FP2級・3級(ファイナンシャル・プランニング技能検定)受験者応援サイト|不動産資格キャリアLABO
🎯 このページについて
タックスプランニングの後半、法人にまつわる税金がこのノートのテーマです。FP2級の学科では、タックス分野10問のうち後半4〜5問が「法人税・消費税・会社と役員間の取引・決算書」から出題されます。数でいえば所得税と並ぶ大きな山です。
ごりへいです。個人事業やこれから会社を作る方の相談に乗るなら、法人税と消費税の基礎は避けて通れません。とはいえFP2級で問われるのは、税理士のような詳細計算ではなく、「損金になる/ならない」「益金になる/ならない」「基準期間はいつか」「みなし仕入率とは何か」といった、仕組みの正誤判定です。ここも要件と数字を正確に持てば、確実に得点できます。
特に、直近の本試験(2024年5月〜2026年5月)で繰り返し狙われた「役員給与の損金算入(定期同額給与は届出不要)」「反則金は損金不算入」「消費税の基準期間・特定期間」「簡易課税のみなし仕入率」「インボイスと簡易課税の併用」「建物は定額法のみ」を重点的に扱います。
税制の全体像——直接税と間接税・課税方式
まず、税金の分類を確認しておきましょう。ここは1問目で問われることがあります。
- 直接税(税を負担する人と納める人が同じ)=所得税・法人税・相続税・贈与税など。
- 間接税(負担する人と納める人が別)=消費税・酒税・たばこ税など。
「法人税は直接税、消費税は間接税」という組合せは正しい記述です(2024年9月・問31の適切肢)。
⚠️ひっかけ
「相続税は、税務署長が納付税額を決定する賦課課税方式である」——これは誤り(2025年5月・問31の不適切肢)。相続税は納税者が自ら申告する申告納税方式です。賦課課税方式なのは個人住民税・固定資産税・不動産取得税など。「相続税=お上が決める」と書いてあったら誤りです。
法人税の基本的な仕組み
納税地の異動・軽減税率
法人税の実務ルールで出やすいのが「納税地の異動届出書」です。法人は納税地に異動があった場合、原則として 異動前の納税地の所轄税務署長に異動届出書を提出します(2024年5月・問36、2025年5月・問37の適切肢)。「異動後」ではなく「異動前」の税務署が窓口、という点に注意。
税率については、期末資本金1億円以下の一定の中小法人は、所得金額のうち 年800万円以下の部分に軽減税率(15%)が適用されます(2024年9月・問36の適切肢)。800万円を超える部分は原則税率(23.2%)です。
益金・損金の基本
法人税は「益金 − 損金 = 所得」で計算します。会計上の「収益・費用」とは範囲が少しずれる(申告調整する)のがポイントです。
⚠️ひっかけ(益金)
「棚卸資産の評価換えで帳簿価額を増額した場合、その増額分は益金に算入する」——これは誤り(2026年5月・問37の不適切肢)。法人税では、原則として評価換えによる評価益は益金に算入しません(帳簿価額を増額しても、その増額はなかったものとされる)。恣意的な利益操作を防ぐためです。逆に「無償で資産をもらった(受贈益)」は益金に算入します。
損金になる/ならないの判定
損金の可否は本試験の超頻出テーマ。代表例を表で押さえましょう。
| 項目 | 損金算入の可否 |
|---|---|
| 会議に伴う茶菓・弁当など通常要する飲食費 | ○ 全額 損金算入(会議費) |
| 定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与(役員給与) | ○ 損金算入(要件を満たせば) |
| 従業員の業務中の交通違反の反則金を会社が負担 | × 損金不算入 |
| 法人税・住民税本税、各種加算税・延滞税 | × 損金不算入 |
⚠️ひっかけ(反則金)
「従業員の業務中の交通違反の反則金を会社が負担した場合、その負担金は損金に算入できる」——これは誤り(2025年1月・問37の不適切肢)。罰金・科料・過料・交通反則金は損金不算入です。ペナルティの負担を税金で軽くするのはおかしい、という考え方。業務中でもダメです。
役員給与——「定期同額給与は届出不要」が最頻出
役員給与のうち損金に算入できるのは、原則として次の3種類です。
① 定期同額給与…毎月同額の給与(届出不要)
② 事前確定届出給与…所定の時期に確定額を支給。事前に税務署長へ届出が必要
③ 業績連動給与…一定の指標に連動(同族会社は非同族会社の完全子会社等を除き損金算入不可)
⚠️ひっかけ
「定期同額給与を損金算入するには、あらかじめ届出書を税務署長に提出しなければならない」——これは誤り(2024年5月・問37の不適切肢)。届出が必要なのは事前確定届出給与のほう。毎月同額の定期同額給与は届出不要です。「定期同額=届出いらない/事前確定=届出いる」を必ずセットで。
減価償却——建物・建物附属設備・構築物は定額法のみ
法人の減価償却では、資産の種類によって選べる方法が決まっています。
- 1998年4月1日以後に取得した建物 → 定額法のみ(定率法は選べない)
- 2016年4月1日以後に取得した建物附属設備・構築物 → 定額法のみ
- 機械装置・器具備品など → 定額法・定率法を選択可(届出がなければ法定償却方法の定率法)
⚠️ひっかけ
「2016年4月以後取得の建物・建物附属設備・構築物は、届出の有無にかかわらず定率法しか認められない」——これは誤り(2025年5月・問38の不適切肢)。正しくは真逆で、定額法しか認められません。建物系は「定額法オンリー」と覚えてください。「率」と「額」を入れ替えてくる典型パターンです。
会社と役員間の取引
社長個人と会社の間でお金や資産が動くと、所得税・法人税の両面で調整が入ります。ここは「役員側は何所得になるか」を問う問題が多いです。
| 取引 | 課税上の取扱い |
|---|---|
| 役員が会社の社宅に無償で居住 | 通常の賃貸料相当額が役員の給与所得の収入に算入 |
| 役員が会社の土地を時価より低額で譲り受け | 時価と譲受価額の差額が役員の給与所得に算入 |
| 役員が会社へ無利息で貸付け | 原則、役員側・会社側とも課税なし(会社側は受贈益と支払利息が同額で相殺) |
| 会社が役員から土地を無償で譲り受け | 時価全額が会社の益金に算入 |
⚠️ひっかけ(何所得か)
社宅無償居住や低額譲受による役員の経済的利益は「雑所得」ではなく給与所得です(2024年5月・問39、2024年9月・問39ともに「雑所得」とする記述が不適切肢)。役員という地位に基づく利益なので給与所得になります。「役員個人が得した利益=給与所得」を軸にすると迷いません。
⚠️ひっかけ(無償譲受の益金)
「会社が役員から土地を無償で譲り受けた場合、時価の2分の1相当額が会社の益金に算入される」——これは誤り(2026年5月・問38の不適切肢)。無償で資産をもらった会社は、時価の全額(100%)が受贈益として益金に算入されます。「2分の1」という数字が入っていたら疑ってください。
消費税
納税義務者と基準期間・特定期間
消費税で「課税事業者か・免税事業者か」を決めるのが基準期間と特定期間です。ここは数字の暗記勝負。
| 用語 | 個人事業者 | 法人 |
|---|---|---|
| 基準期間 | その年の前々年 | その事業年度の前々事業年度 |
| 特定期間 | 前年の1月1日〜6月30日 | 前事業年度開始日から6ヵ月間 |
基準期間の課税売上高が 1,000万円以下なら、原則としてその期は免税事業者になります(特定期間の課税売上高=給与等でも判定し、1,000万円超なら課税事業者)。
⚠️ひっかけ(基準期間・特定期間)
「消費税の基準期間は、個人事業者についてはその年の前年である」——これは誤り(2025年5月・問39の不適切肢)。正しくは前々年。
また「特定期間とは、その年の前年7月1日から12月31日までの期間」も誤り(2024年5月・問38の不適切肢)。正しくは前年1月1日〜6月30日(前半6ヵ月)。「前年」「後半」に書き換えてくるのが定番です。
確定申告の期限
消費税の確定申告期限は、法人と個人で異なります。
- 法人 → 課税期間の末日の翌日から 2ヵ月以内
- 個人事業者 → 翌年 3月31日まで(所得税の3/15とは違う点に注意)
⚠️ひっかけ
「課税事業者である法人は、確定申告書を課税期間の末日の翌日から1ヵ月以内に提出しなければならない」——これは誤り(2024年9月・問38の不適切肢)。法人の消費税は2ヵ月以内です。法人税の申告期限(原則2ヵ月)と同じと覚えると混乱しません。
簡易課税制度
中小事業者は、実際の仕入れを集計する代わりに、売上に一定の「みなし仕入率」を掛けて仕入税額を計算できます。これが 簡易課税制度です。
- 適用対象=基準期間の課税売上高が 5,000万円以下の事業者
- 事前に「簡易課税制度選択届出書」の提出が必要
- みなし仕入率は 事業の種類(第1種〜第6種)ごとに決まっている(卸売90%・小売80%・製造70%・その他60%・サービス50%・不動産40%)
⚠️ひっかけ(みなし仕入率)
「簡易課税では、課税売上高に従業員数に応じて定められたみなし仕入率を乗じて仕入税額を計算する」——これは誤り(2026年5月・問39の不適切肢)。みなし仕入率は従業員数ではなく事業区分(業種)によって決まります。「従業員数」「資本金」など、業種以外の基準を持ち出してきたら誤りです。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)
2023年10月1日から始まったインボイス制度も、消費税の定番論点になりました。
- 仕入税額控除を受けるには、原則として 適格請求書(インボイス)の保存が必要。
- インボイスを発行できるのは、登録を受けた 適格請求書発行事業者だけ。
- 適格請求書発行事業者になると、課税売上高にかかわらず 課税事業者となる。
⚠️ひっかけ(簡易課税との関係)
「適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者は、簡易課税制度の適用を受けることができない」——これは誤り(2024年5月・問40の不適切肢)。インボイス発行事業者でも、要件を満たせば簡易課税制度は併用できます。両者は別の制度で、排他関係ではありません。
逆に「適格簡易請求書を交付するには簡易課税の適用が必要」も誤り(2024年9月・問40の不適切肢)。適格簡易請求書(小売業などの簡易版インボイス)は、簡易課税とは無関係に交付できます。名前が似ていますが別物です。
💡覚え方
適格請求書の記載事項でないものを選ばせる問題(2025年1月・問38)も出ます。記載が必要なのは「①発行事業者の氏名・名称+登録番号 ②取引年月日 ③取引内容(軽減税率対象ならその旨) ④税率ごとの合計額と適用税率 ⑤消費税額等 ⑥交付を受ける相手方の氏名・名称」。「本店・主たる事務所の所在地」は記載事項ではありません。所在地は不要、と覚えておきましょう。
決算書の基礎(財務諸表)
タックス分野の最後には、決算書(財務諸表)の基本を問う問題が入ることがあります。仕組みだけ押さえておけば十分得点できます。
- 損益計算書(P/L)…売上総利益 → 営業利益 → 経常利益 → 税引前当期純利益 → 当期純利益、と段階的に計算。営業利益=売上総利益 −(販売費及び一般管理費)。
- 貸借対照表(B/S)…資産=負債+純資産。債務超過なら純資産の部がマイナスになることもある。
- キャッシュ・フロー計算書…営業・投資・財務の3区分。借入金の返済・配当金の支払は財務活動によるキャッシュ・フロー。
⚠️ひっかけ
「営業利益は、経常利益から販売費及び一般管理費を差し引いた額」——これは誤り(2025年5月・問40の不適切肢)。順序が逆で、営業利益は売上総利益から販管費を引いた額。営業利益に営業外損益を加減したものが経常利益です。
また「純資産の部の合計額がマイナスになることはない」も誤り(2025年1月・問40の不適切肢)。債務超過ならマイナスになり得ます。
「短期借入金の減少・配当金の支払は投資活動のキャッシュ・フロー減少要因」も誤り(2026年5月・問40の不適切肢)。これらは財務活動のキャッシュ・フローです。
こちらもCHECK
-
-
FP2級の通信講座おすすめ4選|学習スタイル別の比較と選び方【2026年版】
続きを見る