賃管攻略ノート

住宅セーフティネット法をやさしく解説|住宅確保要配慮者・登録住宅・代理納付・居住支援法人【賃管攻略ノート】

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住宅セーフティネット法|賃管攻略ノート

お年寄りや子育て中の人が、賃貸住宅を借りやすくなる、しくみはありますか?
けんた
けんた
まずは結論
住宅セーフティネット法は、住まい探しに配慮が必要な住宅確保要配慮者の入居を支える法律です。貸主は、要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として都道府県知事などの登録を受けられます。一戸単位でも登録でき、受け入れる要配慮者の範囲を限ることもできます。

登録には床面積が原則25㎡以上などの基準があります。登録住宅には改修や家賃の支援があり、生活保護の住宅扶助費は貸主に代理納付できます。賃管では令和7年度と令和2年度に1問ずつ。「範囲は限れる」と「規模・構造の基準がある」をセットで覚えるのがおすすめ!

この記事は、賃管の勉強を始めたばかりの人に向けて、住宅セーフティネット法を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、写真を見ながらやさしく解説します。

同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。

✍ この記事を書いた人:ごりへい(宅建士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・FP2級)
海外から宅建に一発合格、賃管・管業もダブル合格。不動産業の実務経験あり。 ▶ プロフィール

動画で学ぶ|住宅セーフティネット法(約4分)

あおい先生とけんたさんの会話で、住宅確保要配慮者・登録住宅の基準・国や自治体の支援・代理納付・居住支援法人と居住支援協議会を確認できます。前半が住宅セーフティネット法の内容で、後半は「家賃債務保証業者」の内容です。

▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ

写真と表、過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。

 

住宅確保要配慮者と登録住宅|一戸単位で登録・範囲は限れる・25㎡の基準

この章の答え要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として、都道府県知事などの登録を受けられます。床面積は原則25㎡以上です。

住宅確保要配慮者とは

段差のないスロープと手すりがある中層賃貸マンションのエントランスと自動ドア

スロープと手すりのあるマンションのエントランス。住宅セーフティネット法は、住まい探しに配慮が必要な人の入居を支える(写真はイメージ)

あおい先生
あおい先生
住宅セーフティネット法では、住まい探しに配慮が必要な人を、住宅確保要配慮者と呼びます。低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子どもを育てている人などです。

住宅確保要配慮者は、住宅セーフティネット法2条1項の1号〜6号で決められています。6号の「国土交通省令で定める者」には、日本の国籍を有しない人などが入ります(施行規則3条)。

区分 内容
低額所得者 収入が国土交通省令で定める金額をこえない人(1号)
被災者 災害(発生から3年を経過していないもの)で住宅を失ったり傷んだりした人など(2号)
高齢者・障害者 高齢者(3号)、障害者基本法の障害者(4号)
子どもを養育している人 子ども=18歳に達する日以後の最初の3月31日までの人(5号)
国土交通省令で定める人 日本の国籍を有しない人、犯罪被害者等など。自治体の賃貸住宅供給促進計画で定める人も入る(施行規則3条)

※住宅セーフティネット法2条1項、施行規則3条をもとに整理。

要配慮者を受け入れる「登録住宅」

オーナーは、どんな賃貸住宅を、登録できますか?
けんた
けんた

家具のない明るい1Kの室内をキッチン側から奥の窓に向かって見た様子とフローリング

家具のない1Kの部屋。登録住宅には、各戸の床面積が原則25㎡以上などの基準がある(写真はイメージ)

あおい先生
あおい先生
要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として、都道府県知事などの登録を受けられます。建物まるごとでなく、一戸単位でも登録できます。登録には基準があります。一戸の床面積は、原則25平方メートル以上です。構造や設備にも、基準があります。
あおい先生
あおい先生
受け入れる要配慮者の範囲を、限って登録することもできます。どんな要配慮者でも、いつも拒まない住宅、というわけではありません。

要配慮者の入居を受け入れる賃貸住宅を貸す事業をする人は、都道府県知事の登録を受けることができます(住宅セーフティネット法8条)。指定都市と中核市では、市長が登録します(89条)。

登録を受けた貸主は、入居を希望する要配慮者を、要配慮者であることを理由に拒んではいけません。受け入れる範囲を決めたときは、その範囲に入る人が対象です(17条)。

項目 ルール
登録するのは 都道府県知事(指定都市・中核市は市長)(8条・89条)
登録の単位 一棟単位だけでなく、住戸単位でも登録できる(令和7 問23)
各戸の床面積 原則25㎡以上。既存の住宅は18㎡以上など、ゆるめた基準もある(10条1項1号・施行規則10条)
構造・設備 耐震関係規定への適合、各戸の台所・便所・浴室などの基準がある(10条1項2号・施行規則11条)
受け入れる範囲 限って登録できる。ただし、入居を不当に制限しないものに限る(9条1項6号・10条1項3号・施行規則12条)
登録簿 都道府県知事が一般の閲覧に供する(13条)

※住宅セーフティネット法8条・9条・10条・13条・17条・89条、施行規則10条〜12条、令和7 問23・令和2 問5(公式の正答)をもとに整理。

 

登録住宅への支えと居住支援|改修・家賃の支援、代理納付、居住支援法人と協議会

この章の答え登録住宅には改修や家賃の支援があり、生活保護の住宅扶助費は貸主に代理納付できます。

国や自治体の支援

あおい先生
あおい先生
登録住宅には、バリアフリーなどの改修や、入居者の家賃の負担を軽くするための、国や自治体の支援があります。

試験でも、登録住宅の改修への支援と、入居者の負担を軽くする支援が用意されている、という肢が正しいとされています(令和7 問23・令和2 問5)。補助の細かい中身は予算の制度で決まり、条文には書かれていないので、この記事では扱いません。

生活保護の住宅扶助費の代理納付

あおい先生
あおい先生
生活保護を受けている人が、家賃を滞納するおそれがあるときは、保護の実施機関が、住宅扶助費をオーナーに直接払う、代理納付ができます。

保護の実施機関は、保護の目的を達するために必要があるときは、被保護者に代わって支払うことができます(生活保護法37条の2)。登録住宅で家賃が払われないときは、一定の要件にあたる貸主が保護の実施機関に通知でき、実施機関は代理納付などが必要かを判断します(住宅セーフティネット法21条)。

令和7年10月にできた居住サポート住宅では、一定の要件にあたる貸主が希望を通知すると、口座振替のときなどを除き、保護の実施機関が家賃などを貸主に直接支払います(53条)。

居住支援法人と居住支援協議会

居住支援法人と居住支援協議会は、どうちがうんですか?
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
居住支援法人は、都道府県知事が指定する法人で、入居の相談や、家賃債務の保証などを行います。地方公共団体や関係する業者、居住支援の団体などは、居住支援協議会をつくり、住宅の情報の提供などで、入居を支えています。
項目 居住支援法人 居住支援協議会
だれが NPO法人・一般社団法人などの営利を目的としない法人や、居住の支援を目的とする会社を、都道府県知事が指定(59条) 地方公共団体が、居住支援法人・宅建業者・賃貸住宅を管理する事業者・社会福祉協議会などで構成して置く(81条1項)
すること 家賃債務の保証、入居の情報提供・相談、入居後の生活の相談、貸主への情報提供、死亡時の契約の解除と残置物の処理(62条) 要配慮者や貸主への情報提供、相談の体制づくり、住宅と福祉の施策の連携などを協議する(81条2項)

※住宅セーフティネット法59条・62条・81条、令和5 問48(公式の正答)をもとに整理。

令和7年10月施行の改正

住宅セーフティネット法は令和6年に改正され、令和7年10月1日に施行されました(令和6年法律第43号。e-Govの改正履歴、国土交通省の資料)。賃管の勉強で押さえたい改正点は、次の4つです。

あおい先生
あおい先生
令和7年10月の法改正で、国土交通大臣が認定する、認定家賃債務保証業者のしくみが、できました。保証を申し込んだ人に、親族などの連絡先を出すことを、保証の条件として求めません。
改正点 内容
居住サポート住宅の創設 居住支援法人などが、訪問などで入居者の生活の状況を把握し、福祉サービスにつなぐ援助を行う賃貸住宅。市長などが計画を認定する(40条。正式名は居住安定援助賃貸住宅)
認定家賃債務保証業者 国土交通大臣が認定。親族などの連絡先を出すことを、保証の契約の条件として求めない(72条)
居住支援法人の業務 入居者からの委託にもとづき、死亡したときの契約の解除と残置物の処理を行う業務が加わった(62条5号)
居住支援協議会 地方公共団体は、居住支援協議会を置くように努める(81条1項)

※住宅セーフティネット法40条・62条・72条・81条(施行2025-10-01の改正後)、国土交通省・厚生労働省の関係事業者向け資料(令和7年6月)をもとに整理。認定家賃債務保証業者の基準は「家賃債務保証業者」の回でくわしく解説しています。

 

試験に出る|ひっかけと過去問

この章の答え「あらゆる要配慮者を常に拒まない」「規模・構造の制限はない」など、ルールを言い過ぎたひっかけがよく出ます。

よく出るひっかけ

ひっかけ 正しくは
登録住宅は、あらゆる要配慮者の入居を常に拒まない住宅 受け入れる範囲を限って登録できる(令和2 問5・令和7 問23)
登録するとき、住宅の規模・構造等についての制限はない 床面積は原則25㎡以上、構造・設備にも基準がある(令和7 問23)
登録は一棟単位でなければできない 住戸単位でも登録できる(令和7 問23)
登録住宅に入居する人の家賃への支援はない 入居者の負担を軽くする支援がある(令和7 問23・令和2 問5)
住宅扶助費を貸主に直接払うことはできない 保護の実施機関が貸主に代理納付できる(令和2 問5)
登録住宅の登録や、居住支援法人の指定をするのは国土交通大臣 登録は都道府県知事(指定都市・中核市は市長)、指定も都道府県知事(8条・89条・59条)

過去問の出題

令和3〜7年度の賃管の過去問で、住宅セーフティネット法が主題の問題は1問(令和7 問23)。令和2年度にも1問あり、ほかの問題の選択肢の1つとしても出ています。

区分 年度・問 出たポイント
主題 令和7 問23 改修と家賃の支援/範囲の限定/規模・構造の基準/住戸単位の登録
主題 令和2 問5 範囲の限定/改修費と家賃の支援/代理納付
選択肢の1つ 令和5 問48 居住支援協議会の構成と支援
選択肢の1つ 令和3 問47 登録基準への適合
選択肢の1つ 令和7 問45・令和4 問45・令和3 問48 代理納付の制度を貸主に説明する(経営管理士の役割)

※問題文と公式の正答から1問ずつ数えたもの。経営管理士の役割の問題は「賃貸不動産経営管理士の役割」の回でも扱っています。令和元年度は公式の正解番号表が手元にないため数えていません。

 

まとめ|範囲は限れる、25㎡の基準、代理納付と居住支援

まとめ
  1. 住宅確保要配慮者=低額所得者・被災者・高齢者・障害者・子どもを育てている人など(外国人などは省令で追加)
  2. 登録は都道府県知事(指定都市・中核市は市長)。住戸単位でも登録でき、受け入れる範囲を限ることもできる
  3. 登録には基準がある。各戸の床面積は原則25㎡以上、構造・設備にも基準
  4. 登録住宅には改修や家賃の支援。生活保護の住宅扶助費は、保護の実施機関が貸主に代理納付できる
  5. 居住支援法人は都道府県知事が指定。居住支援協議会は地方公共団体が置く。令和7年10月の改正で居住サポート住宅などができた
「範囲は限れる」と「規模・構造の基準がある」で、整理できました!
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
言い過ぎのひっかけが多い分野なので、過去問で言い回しも確認しましょう。動画の後半は、家賃債務保証業者です。

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出典・参考にした公式資料

※写真はイメージです(生成AIで作成)。


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ごりへい

宅建・賃管・管業・FP2級など複数の資格を取得。学習法や合格体験をもとに、不動産業やキャリア形成に役立つ情報を発信中。実務と資格の両面から「キャリアアップを応援!」をテーマにブログを運営しています。

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