管業攻略ノート

役員と理事会をやさしく解説|理事長・監事の役割と理事会の決め方(標準管理規約)【管業攻略ノート】

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役員と理事会|管業攻略ノート

マンションの理事長や理事は、どうやって決まるのですか?
けんた
けんた
まずは結論
理事と監事は総会で組合員から、理事長・副理事長・会計担当理事は理事会で理事から選びます。理事長は区分所有法の管理者で、監事は業務を監査して理事会で意見を述べます。理事会は理事の半数以上の出席・出席理事の過半数で決めます。

「理事長は理事会で選ぶ」「理事会は半数以上の出席」を覚えるのがおすすめ!

この記事は、マンション管理士(マン管)と管理業務主任者(管業)の勉強を始めたばかりの人に向けて、標準管理規約の役員と理事会を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、図を見ながらやさしく解説します。

同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。

✍ この記事を書いた人:ごりへい(宅建士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・FP2級)
海外から宅建に一発合格、賃管・管業もダブル合格。不動産業の実務経験あり。 ▶ プロフィール

動画で学ぶ|役員と理事会(約4分)

あおい先生とけんたさんの会話で、役員の選び方、任期と役員になれない人、理事長の役割と利益相反取引、監事の仕事、理事会の開き方と決め方を確認できます。

▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ

役員の選び方の図、理事会と総会の数え方の比べ、過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。

 

役員の選び方|理事・監事は総会、理事長は理事会

この章の答え理事と監事は総会の決議で組合員の中から、理事長・副理事長・会計担当理事は理事会の決議で理事の中から選び、解任も同じ機関で行います。任期が終わっても後任が就任するまでは職務を続けます。

理事・監事と理事長の選び方

あおい先生
あおい先生
管理組合には、理事長、副理事長、会計担当理事、理事、監事という役員を置きます。
あおい先生
あおい先生
理事と監事は、総会の決議で、組合員の中から選びます。理事長、副理事長、会計担当理事は、理事会の決議で、理事の中から選びます。

役員の選び方の図。総会で組合員の中から理事・監事を選び、理事会で理事の中から理事長・副理事長・会計担当理事を選ぶ

理事・監事は総会、理事長などは理事会で選ぶ

あおい先生
あおい先生
たとえば、理事長を交代させたいときは、総会を開かなくても、理事会の決議で、理事長の職を解くことができます。

任期と、役員になれない人

役員の任期が終わったら、すぐにやめられるのですか?
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
任期が終わったり、辞任したりした役員は、次の役員が就任するまで、引き続き仕事をします。組合員でなくなった役員は、その時点で、役員ではなくなります。
あおい先生
あおい先生
破産して復権していない人や、拘禁刑以上の刑を受けて5年たっていない人、暴力団員などは、役員になれません。
ルール 中身 根拠
役員 理事長・副理事長・会計担当理事・理事・監事(理事長・副理事長・会計担当理事も理事にふくまれる) 35条1項
理事・監事 総会の決議で、組合員の中から選任・解任 35条2項
理事長・副理事長・会計担当理事 理事会の決議で、理事の中から選任・解任 35条3項・51条2項3号/管業 令和6 問32 d(不適切)
外部の専門家 外部専門家を役員にできる規約にした場合は、組合員以外から選ぶ方法を細則で定める 35条(外部専門家を選任できる場合)4項
任期 ○年(規約で決める)。再任できる。補欠の役員は前任者の残りの期間 36条1項・2項
任期が終わったとき 任期満了・辞任でも、後任が就任するまで職務を続ける 36条3項
組合員でなくなったとき その役員は地位を失う 36条4項
役員になれない人 破産者で復権を得ない者/拘禁刑以上の刑の執行を終えるなどして5年を経過しない者/暴力団員等 36条の2
報酬 役員は、別に定めるところで、必要経費と報酬を受けられる 37条2項/管業 令和5 問35 ウ

※マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年改正)35〜37条と、公式の正答をもとに整理。

令和7年改正で、役員になれない人のうち「禁錮以上の刑」は「拘禁刑以上の刑」になり、「精神の機能の障害により…」の項目は削られました(新旧対照表)。

 

理事長と監事|理事長は管理者、監事は外からチェック

この章の答え理事長は管理組合を代表する区分所有法の管理者です。役員の利益相反取引は理事会の承認がいり、理事長と管理組合の利益がぶつかるときは監事かほかの理事が代表します。監事は業務と財産を監査し、理事会で意見を述べます。

理事長と利益相反取引

あおい先生
あおい先生
理事長は、管理組合を代表し、区分所有法の管理者になります。通常総会で、前の年度の業務を報告し、理事会にも、定期的に職務の状況を報告します。
あおい先生
あおい先生
役員が、管理組合と取引をするときは、理事会で大事な事実を説明して、承認を受けます。これを、利益相反取引といいます。
あおい先生
あおい先生
管理組合と理事長の利益がぶつかる事柄では、理事長は代表できません。監事か、ほかの理事が代表します。

理事長の仕事(管理組合を代表・区分所有法の管理者・通常総会で業務報告・理事会に定期報告)。利益相反取引は理事会で事実を説明して承認。理事長と利益がぶつかるときは監事かほかの理事が代表

利益相反取引は理事会の承認。理事長とぶつかるときは監事などが代表

監事の仕事

監事は、何をする人ですか?
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
監事は、業務と財産の状況を監査して、総会に報告します。理事会に出席して、必要なときは、意見を述べなければなりません。
あおい先生
あおい先生
不正があると認めるときは、臨時総会を招集することもできます。理事長や理事の仕事を、外からチェックする役目だからです。

監事の仕事(業務と財産の状況を監査・結果を総会に報告・理事会に出席して必要なら意見・不正があれば臨時総会を招集)。不正があるときは臨時総会を招集できる。なぜなら理事の仕事を外からチェックする役目だから

監事は、理事の仕事を外からチェックする

ルール 中身 根拠
理事長の立場 管理組合を代表し業務を統括。区分所有法の管理者 38条1項・2項
理事長の報告 通常総会で前会計年度の業務を報告。理事会には○か月に1回以上、職務の執行状況を報告 38条3項・4項
職員の採用・解雇 理事会の承認を得て、理事長が行う 38条1項2号
利益相反取引 役員が自分や第三者のために管理組合と取引するときなどは、理事会で重要な事実を開示して承認を受ける 37条の2/管業 令和6 問32 c(適切)
理事長との利益相反 理事長は代表権をもたず、監事または理事長以外の理事が代表する 38条6項
副理事長 理事長を補佐し、理事長に事故があるときは代理、欠けたときは職務を行う 39条
理事 理事会を構成。管理組合に著しい損害のおそれを見つけたら、直ちに監事に報告 40条1項・2項/管業 令和5 問35 イ(不適切)
会計担当理事 管理費等の収納・保管・運用・支出などの会計業務 40条3項
監事の監査 業務の執行と財産の状況を監査し、結果を総会に報告。いつでも理事や職員に報告を求め、調査できる 41条1項・2項
監事と理事会 理事会に出席し、必要があれば意見を述べなければならない 41条4項
監事と臨時総会 業務や財産に不正があると認めるときは、臨時総会を招集できる 41条3項/管業 令和3 問28 ア
監事と理事会の招集 理事の不正などを理事会に報告し、必要なら理事長に招集を請求。5日以内に通知が出なければ、請求した監事が招集できる(いきなり招集はできない) 41条5〜7項/管業 令和4 問12 d(不適切)

※マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント37条の2〜41条と、公式の正答をもとに整理。

 

理事会|理事の半数以上の出席・出席理事の過半数

この章の答え理事会は理事で構成し、理事長が招集して議長を務めます。理事の半数以上の出席で開け、出席理事の過半数で決めます(総会は議決権総数の過半数の出席)。理事は本人出席が原則で、規約に定めがなければ代わりの人は出られません。

理事会の開き方と決め方

あおい先生
あおい先生
理事会は、理事でつくります。理事長が招集して、議長も理事長が務めます。
あおい先生
あおい先生
理事会は、理事の半数以上が出席すると開けて、出席した理事の過半数で決めます。総会は、議決権総数の過半数の出席なので、まちがえないようにしましょう。

理事会と総会の数え方の比べ。理事会は理事の半数以上の出席で開け、出席理事の過半数で決める。総会(ふつうの議題)は議決権総数の過半数の出席で開け、出席者の議決権の過半数で決める

理事会は「半数以上」、総会は「過半数」の出席

あおい先生
あおい先生
理事は、原則として本人が出席します。規約に定めがない限り、代わりの人に出てもらうことはできません。

理事会で決めること

あおい先生
あおい先生
理事会では、総会に出す議案、専有部分の工事の承認、臨時総会の招集などを決めます。災害で総会が開けないときの、応急的な修繕工事も決められます。
ルール 中身 根拠
構成・議長 理事で構成。理事長が招集し、議長も理事長 51条1項・3項・52条1項
理事会の職務 業務執行の決定・理事の職務の執行の監督・理事長などの選任と解任(監事は選ばない) 51条2項/管業 令和7 問36 イ(不適切)
理事からの招集請求 理事が○分の1以上の理事の同意で請求したら、理事長は速やかに招集。通知が出なければ請求した理事が招集 52条2項・3項
定足数と決議 理事の半数以上の出席で開き、出席理事の過半数で決める 53条1項/管業 令和7 問36 ア(適切)
書面・電磁的方法の決議 専有部分の工事などの承認(54条1項5号)だけは、理事の過半数の承諾で書面・電磁的方法の決議ができる 53条2項/管業 令和3 問31 c(適切)、令和4 問31 エ(不適切)
特別の利害関係 決議に特別の利害関係がある理事は、議決に加われない 53条3項
代わりの出席 本人出席が原則。職務代行者を出席させるには規約の明文の定めがいる。議長一任の委任状などは使えない コメント53条関係①②/管業 令和3 問31 a・d(不適切)
議事録 議長と、議長が指名する理事会に出席した理事2人が署名 53条4項
主な議決事項 収支決算案・予算案などの総会提出議案/専有部分の修繕等・共用部分の保存行為・窓ガラス等の改良の承認/利益相反取引の承認/臨時総会の招集/勧告・指示/災害時の応急的な修繕工事とそのための借入れ・修繕積立金の取崩し 54条1項・2項
専門委員会 理事会の責任と権限の範囲内で設置し、調査・検討させられる(範囲を超えるなら総会の決議) 55条・コメント55条関係①

※マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント51〜55条と、公式の正答をもとに整理。令和7年改正で、54条の議決事項に利益相反取引の承認・臨時総会の招集・所在等の探索などがはっきり書き加えられました。

 

試験に出る|ひっかけと過去問

この章の答え「だれが選ぶか(総会か理事会か)」「監事の報告先と招集のしかた」「理事会の定足数(半数以上)」「代わりの出席」がよく問われます。

よく出るひっかけ

ひっかけ 正しくは
理事長は、総会の決議で理事の中から選ぶ 理事会の決議で選ぶ(管業 令和6 問32 d)
理事会は、理事長などのほか監事も選任・解任できる 監事は総会で選ぶ(管業 令和7 問36 イ)
理事は、著しい損害のおそれを見つけたら理事長に報告する 監事に報告する(管業 令和5 問35 イ)
監事は、理事の不正のおそれがあれば、直ちに理事会を招集できる まず理事長に招集を請求し、通知が出なければ招集できる(管業 令和4 問12 d)
理事会は、理事の過半数の出席で開ける 理事の半数以上(総会の「過半数」と混同しない)
理事会に出られない理事は、配偶者に代わりに出てもらえる 規約に定めがなければできない(管業 令和3 問31 d)
収支予算案は、理事の過半数の承諾で電磁的方法の決議ができる できるのは専有部分の工事などの承認だけ(管業 令和4 問31 エ)

過去問の出題

令和3〜7年度の過去問で、標準管理規約の役員と理事会が主題の問題は、管業で9問、マン管で8問です。どちらの試験でも、ほぼ毎年1〜2問出ています。

試験 年度・問 出たポイント
管業 令和7 問36 理事会(定足数・職務・本人出席)
管業 令和7 問31 理事長の行為(会計年度と報告・支出)
管業 令和6 問32 役員(欠格・補欠・利益相反・理事長の選任)
管業 令和5 問35 役員(外部専門家・理事の報告先・報酬・監事)
管業 令和4 問12 監事(調査・臨時総会・意見・理事会の招集)
管業 令和4 問31 理事会(会計担当の解任・WEB会議・議事録・電磁的決議)
管業 令和3 問28 監事の職務
管業 令和3 問31 理事会に出席できない理事の扱い
管業 令和3 問38 理事会の決議だけでできること
マン管 令和7 問27 大規模マンションの理事会の組織と運営
マン管 令和7 問28 理事長と理事会の権限
マン管 令和6 問29 理事会と理事長の権限
マン管 令和5 問28 外部専門家を理事長に選ぶ手続
マン管 令和5 問29 役員と理事会
マン管 令和4 問31 理事・理事会
マン管 令和3 問27 理事会
マン管 令和3 問29 役員の選任

※問題文と公式の正答から1問ずつ数えたもの(令和3〜7年度、マン管・管業とも各年50問)。役員の欠格条項の「禁錮」は、令和7年改正で「拘禁刑」になっています。

 

まとめ|理事長は理事会で選び、理事会は半数以上の出席

まとめ
  1. 理事・監事は総会で組合員から、理事長・副理事長・会計担当理事は理事会で理事から選ぶ(解任も同じ)
  2. 任期が終わっても後任の就任まで職務を続ける。組合員でなくなれば地位を失う
  3. 理事長は代表で区分所有法の管理者。利益相反取引は理事会の承認、理事長との利益相反は監事などが代表
  4. 監事は監査して総会に報告、理事会に出席し必要なら意見。不正があれば臨時総会を招集できる
  5. 理事会は理事の半数以上の出席で開き、出席理事の過半数で決める。代わりの出席は規約の定めがいる
「理事長は理事会で選ぶ」と「理事会は半数以上」で、整理できました!
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
だれが選ぶか、だれに報告するかを、図で確かめながら覚えましょう。次は、規約違反への対応と電磁的方法です。

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出典・参考にした公式資料

※令和7年10月改正の標準管理規約(単棟型)にもとづく内容です。


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ごりへい

宅建・賃管・管業・FP2級など複数の資格を取得。学習法や合格体験をもとに、不動産業やキャリア形成に役立つ情報を発信中。実務と資格の両面から「キャリアアップを応援!」をテーマにブログを運営しています。

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