
「理事長は理事会で選ぶ」「理事会は半数以上の出席」を覚えるのがおすすめ!
この記事は、マンション管理士(マン管)と管理業務主任者(管業)の勉強を始めたばかりの人に向けて、標準管理規約の役員と理事会を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、図を見ながらやさしく解説します。
同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|役員と理事会(約4分)
あおい先生とけんたさんの会話で、役員の選び方、任期と役員になれない人、理事長の役割と利益相反取引、監事の仕事、理事会の開き方と決め方を確認できます。
▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ
役員の選び方の図、理事会と総会の数え方の比べ、過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。
役員の選び方|理事・監事は総会、理事長は理事会
理事・監事と理事長の選び方

理事・監事は総会、理事長などは理事会で選ぶ
任期と、役員になれない人
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 役員 | 理事長・副理事長・会計担当理事・理事・監事(理事長・副理事長・会計担当理事も理事にふくまれる) | 35条1項 |
| 理事・監事 | 総会の決議で、組合員の中から選任・解任 | 35条2項 |
| 理事長・副理事長・会計担当理事 | 理事会の決議で、理事の中から選任・解任 | 35条3項・51条2項3号/管業 令和6 問32 d(不適切) |
| 外部の専門家 | 外部専門家を役員にできる規約にした場合は、組合員以外から選ぶ方法を細則で定める | 35条(外部専門家を選任できる場合)4項 |
| 任期 | ○年(規約で決める)。再任できる。補欠の役員は前任者の残りの期間 | 36条1項・2項 |
| 任期が終わったとき | 任期満了・辞任でも、後任が就任するまで職務を続ける | 36条3項 |
| 組合員でなくなったとき | その役員は地位を失う | 36条4項 |
| 役員になれない人 | 破産者で復権を得ない者/拘禁刑以上の刑の執行を終えるなどして5年を経過しない者/暴力団員等 | 36条の2 |
| 報酬 | 役員は、別に定めるところで、必要経費と報酬を受けられる | 37条2項/管業 令和5 問35 ウ |
※マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年改正)35〜37条と、公式の正答をもとに整理。
令和7年改正で、役員になれない人のうち「禁錮以上の刑」は「拘禁刑以上の刑」になり、「精神の機能の障害により…」の項目は削られました(新旧対照表)。
理事長と監事|理事長は管理者、監事は外からチェック
理事長と利益相反取引

利益相反取引は理事会の承認。理事長とぶつかるときは監事などが代表
監事の仕事

監事は、理事の仕事を外からチェックする
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 理事長の立場 | 管理組合を代表し業務を統括。区分所有法の管理者 | 38条1項・2項 |
| 理事長の報告 | 通常総会で前会計年度の業務を報告。理事会には○か月に1回以上、職務の執行状況を報告 | 38条3項・4項 |
| 職員の採用・解雇 | 理事会の承認を得て、理事長が行う | 38条1項2号 |
| 利益相反取引 | 役員が自分や第三者のために管理組合と取引するときなどは、理事会で重要な事実を開示して承認を受ける | 37条の2/管業 令和6 問32 c(適切) |
| 理事長との利益相反 | 理事長は代表権をもたず、監事または理事長以外の理事が代表する | 38条6項 |
| 副理事長 | 理事長を補佐し、理事長に事故があるときは代理、欠けたときは職務を行う | 39条 |
| 理事 | 理事会を構成。管理組合に著しい損害のおそれを見つけたら、直ちに監事に報告 | 40条1項・2項/管業 令和5 問35 イ(不適切) |
| 会計担当理事 | 管理費等の収納・保管・運用・支出などの会計業務 | 40条3項 |
| 監事の監査 | 業務の執行と財産の状況を監査し、結果を総会に報告。いつでも理事や職員に報告を求め、調査できる | 41条1項・2項 |
| 監事と理事会 | 理事会に出席し、必要があれば意見を述べなければならない | 41条4項 |
| 監事と臨時総会 | 業務や財産に不正があると認めるときは、臨時総会を招集できる | 41条3項/管業 令和3 問28 ア |
| 監事と理事会の招集 | 理事の不正などを理事会に報告し、必要なら理事長に招集を請求。5日以内に通知が出なければ、請求した監事が招集できる(いきなり招集はできない) | 41条5〜7項/管業 令和4 問12 d(不適切) |
※マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント37条の2〜41条と、公式の正答をもとに整理。
理事会|理事の半数以上の出席・出席理事の過半数
理事会の開き方と決め方

理事会は「半数以上」、総会は「過半数」の出席
理事会で決めること
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 構成・議長 | 理事で構成。理事長が招集し、議長も理事長 | 51条1項・3項・52条1項 |
| 理事会の職務 | 業務執行の決定・理事の職務の執行の監督・理事長などの選任と解任(監事は選ばない) | 51条2項/管業 令和7 問36 イ(不適切) |
| 理事からの招集請求 | 理事が○分の1以上の理事の同意で請求したら、理事長は速やかに招集。通知が出なければ請求した理事が招集 | 52条2項・3項 |
| 定足数と決議 | 理事の半数以上の出席で開き、出席理事の過半数で決める | 53条1項/管業 令和7 問36 ア(適切) |
| 書面・電磁的方法の決議 | 専有部分の工事などの承認(54条1項5号)だけは、理事の過半数の承諾で書面・電磁的方法の決議ができる | 53条2項/管業 令和3 問31 c(適切)、令和4 問31 エ(不適切) |
| 特別の利害関係 | 決議に特別の利害関係がある理事は、議決に加われない | 53条3項 |
| 代わりの出席 | 本人出席が原則。職務代行者を出席させるには規約の明文の定めがいる。議長一任の委任状などは使えない | コメント53条関係①②/管業 令和3 問31 a・d(不適切) |
| 議事録 | 議長と、議長が指名する理事会に出席した理事2人が署名 | 53条4項 |
| 主な議決事項 | 収支決算案・予算案などの総会提出議案/専有部分の修繕等・共用部分の保存行為・窓ガラス等の改良の承認/利益相反取引の承認/臨時総会の招集/勧告・指示/災害時の応急的な修繕工事とそのための借入れ・修繕積立金の取崩し | 54条1項・2項 |
| 専門委員会 | 理事会の責任と権限の範囲内で設置し、調査・検討させられる(範囲を超えるなら総会の決議) | 55条・コメント55条関係① |
※マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント51〜55条と、公式の正答をもとに整理。令和7年改正で、54条の議決事項に利益相反取引の承認・臨時総会の招集・所在等の探索などがはっきり書き加えられました。
試験に出る|ひっかけと過去問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 理事長は、総会の決議で理事の中から選ぶ | 理事会の決議で選ぶ(管業 令和6 問32 d) |
| 理事会は、理事長などのほか監事も選任・解任できる | 監事は総会で選ぶ(管業 令和7 問36 イ) |
| 理事は、著しい損害のおそれを見つけたら理事長に報告する | 監事に報告する(管業 令和5 問35 イ) |
| 監事は、理事の不正のおそれがあれば、直ちに理事会を招集できる | まず理事長に招集を請求し、通知が出なければ招集できる(管業 令和4 問12 d) |
| 理事会は、理事の過半数の出席で開ける | 理事の半数以上(総会の「過半数」と混同しない) |
| 理事会に出られない理事は、配偶者に代わりに出てもらえる | 規約に定めがなければできない(管業 令和3 問31 d) |
| 収支予算案は、理事の過半数の承諾で電磁的方法の決議ができる | できるのは専有部分の工事などの承認だけ(管業 令和4 問31 エ) |
過去問の出題
令和3〜7年度の過去問で、標準管理規約の役員と理事会が主題の問題は、管業で9問、マン管で8問です。どちらの試験でも、ほぼ毎年1〜2問出ています。
| 試験 | 年度・問 | 出たポイント |
|---|---|---|
| 管業 | 令和7 問36 | 理事会(定足数・職務・本人出席) |
| 管業 | 令和7 問31 | 理事長の行為(会計年度と報告・支出) |
| 管業 | 令和6 問32 | 役員(欠格・補欠・利益相反・理事長の選任) |
| 管業 | 令和5 問35 | 役員(外部専門家・理事の報告先・報酬・監事) |
| 管業 | 令和4 問12 | 監事(調査・臨時総会・意見・理事会の招集) |
| 管業 | 令和4 問31 | 理事会(会計担当の解任・WEB会議・議事録・電磁的決議) |
| 管業 | 令和3 問28 | 監事の職務 |
| 管業 | 令和3 問31 | 理事会に出席できない理事の扱い |
| 管業 | 令和3 問38 | 理事会の決議だけでできること |
| マン管 | 令和7 問27 | 大規模マンションの理事会の組織と運営 |
| マン管 | 令和7 問28 | 理事長と理事会の権限 |
| マン管 | 令和6 問29 | 理事会と理事長の権限 |
| マン管 | 令和5 問28 | 外部専門家を理事長に選ぶ手続 |
| マン管 | 令和5 問29 | 役員と理事会 |
| マン管 | 令和4 問31 | 理事・理事会 |
| マン管 | 令和3 問27 | 理事会 |
| マン管 | 令和3 問29 | 役員の選任 |
※問題文と公式の正答から1問ずつ数えたもの(令和3〜7年度、マン管・管業とも各年50問)。役員の欠格条項の「禁錮」は、令和7年改正で「拘禁刑」になっています。
まとめ|理事長は理事会で選び、理事会は半数以上の出席
- 理事・監事は総会で組合員から、理事長・副理事長・会計担当理事は理事会で理事から選ぶ(解任も同じ)
- 任期が終わっても後任の就任まで職務を続ける。組合員でなくなれば地位を失う
- 理事長は代表で区分所有法の管理者。利益相反取引は理事会の承認、理事長との利益相反は監事などが代表
- 監事は監査して総会に報告、理事会に出席し必要なら意見。不正があれば臨時総会を招集できる
- 理事会は理事の半数以上の出席で開き、出席理事の過半数で決める。代わりの出席は規約の定めがいる
あわせて読みたい関連論点
出典・参考にした公式資料
- マンション標準管理規約(国土交通省):令和7年改正 単棟型・同コメント 35条〜41条・51条〜55条
- 令和7年改正 新旧対照表(単棟型):36条の2・54条の改正前の文言
- マンション管理士試験・管理業務主任者試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答(上の表の問題)
※令和7年10月改正の標準管理規約(単棟型)にもとづく内容です。
こちらもCHECK
-
-
管理業務主任者の通信講座・予備校おすすめ4選|料金・合格率を比較【2026年版】
続きを見る
