
「説明は契約の前、書面は契約のあと、新築は10年」と覚えるのがおすすめ!
この記事は、管理業務主任者(管業)の勉強を始めたばかりの人に向けて、マンションの売買で出る宅建業法の説明と書面、そして品確法を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、図を見ながらやさしく解説します。
同じ内容は、約8分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|宅建業法と品確法(約8分)
あおい先生とけんたさんの会話で、重要事項説明、マンションならではの説明、説明するときとしないとき、37条書面、品確法の新築住宅、転売と特約を確認できます。
▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ
マンションで説明する事項の一覧、説明と37条書面のちがい、品確法の条文、過去問のひっかけまで、記事でくわしく解説しています。
重要事項説明|契約が成立するまでに宅地建物取引士が
いつ、だれが説明する?

説明も記名も宅地建物取引士。専任でなくてよい
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 時期 | 売買の契約が成立するまでに説明する。書面だけ先に渡して説明は契約後、はできない | 法35条1項/令和6 問45 b(不適切) |
| 説明する人 | 宅地建物取引士が、書面を交付して説明する | 法35条1項 |
| 取引士証 | 説明するときは、宅地建物取引士証を提示する | 法35条4項 |
| 記名 | 書面に記名するのも宅地建物取引士。専任でなくてよい | 法35条5項/令和5 問45 a(不適切)・令和2 問45 d(適切) |
マンションならではの説明|積立額まで、委託先は名前と住所
規約と管理費

管理費は、売買の代金でなくても説明する
修繕積立金は、積み立てられている額も

規約の内容だけでは足りない
管理の委託先は、名前と住所

委託先は名前と住所まで
| 説明する事項(主なもの) | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 敷地の権利 | 一棟の建物の敷地に関する権利の種類と内容 | 規則16条の2第1号 |
| 共用部分の規約 | 共用部分に関する規約の定めがあるときは、その内容 | 規則16条の2第2号 |
| 専有部分の利用制限 | 用途その他の利用の制限の規約(ペットの禁止など) | 規則16条の2第3号 |
| 専用使用権 | 建物や敷地の一部を特定の者だけに使わせる規約 | 規則16条の2第4号 |
| 費用の減免 | 修繕の費用や管理費用を特定の者だけ減免する規約 | 規則16条の2第5号 |
| 修繕積立金 | 積み立てる規約の内容と、すでに積み立てられている額 | 規則16条の2第6号/令和2 問45 c(不適切) |
| 管理費用 | 所有者が負担する通常の管理費用の額 | 規則16条の2第7号/令和7 問45 b(不適切) |
| 管理の委託先 | 委託先の氏名(商号)と住所。委託契約の内容や主任者の氏名は入らない | 規則16条の2第8号/令和6 問45 d・令和7 問45 a(不適切) |
| 修繕の記録 | 維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容 | 規則16条の2第10号 |
説明するとき・しないとき|私道は「ない」ときも説明
ないときも説明する私道、あるときに説明する区域

私道は「ない」ことも説明する
石綿と建物状況調査は、自分で調査しなくてよい

説明はするが、自分で調査する義務はない
売買に入らない設備の状況

設備の状況は、賃貸の説明
| 事項 | いつ説明する? | 根拠 |
|---|---|---|
| 私道の負担 | ないときも、ないと説明する | 法35条1項3号/令和5 問45 b(適切) |
| 土砂災害警戒区域 | 区域の中にあるときに説明する | 規則16条の4の3第2号/令和5 問45 c(不適切) |
| 水害ハザードマップ | 市町村の図面に位置が出ているとき、その所在地を説明する | 規則16条の4の3第3号の2/令和3 問45 a(適切) |
| 住宅性能評価 | 評価を受けた新築住宅なら、その旨を説明する | 規則16条の4の3第6号/令和6 問45 c(適切) |
| 石綿 | 調査結果が記録されているとき、その内容。自ら調査する義務はない | 規則16条の4の3第4号/令和3 問45 b・令和7 問45 c(不適切) |
| 建物状況調査(既存の建物) | 実施の有無と結果の概要。実施後1年(マンションなどの共同住宅等は2年)以内のものに限る。自ら実施する義務はない | 法35条1項6号の2イ・規則16条の2の2/令和2 問45 b(適切)・令和3 問45 c(不適切) |
| 損害賠償額の予定・違約金 | 内容を説明する | 法35条1項9号/令和2 問45 a・令和7 問45 d(適切) |
| 台所・浴室などの設備 | 建物の売買では説明事項でない(建物の貸借の事項) | 規則16条の4の3柱書・第7号/令和3 問45 d・令和5 問45 d(不適切) |
37条書面|契約のあと遅滞なく渡す
書く事項と書かない事項

定めがあれば書く。規約の内容は書かない
説明と書面の入れ替えに注意

天災は書面、規約は説明
| 事項 | 重要事項説明(35条) | 37条書面 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 時期 | 契約が成立するまで | 契約のあと遅滞なく | 法35条1項・37条1項 |
| 解除 | 説明する | 定めがあれば書く | 法35条1項8号・37条1項7号/令和4 問45 b(適切) |
| 損害賠償額の予定・違約金 | 説明する | 定めがあれば書く | 法35条1項9号・37条1項8号 |
| 代金のローンのあっせん | 説明する | 定めがあれば、成立しないときの措置を書く | 法35条1項12号・37条1項9号/令和4 問45 c(適切) |
| 天災などの損害の負担 | 事項にない | 定めがあれば書く | 法37条1項10号/令和6 問45 a(不適切)・令和4 問45 d(適切) |
| ペット禁止などの規約 | 説明する | 事項にない | 規則16条の2第3号/令和4 問45 a(不適切) |
品確法|新築住宅の売主は10年間の責任
柱は3つ
引き渡した時から10年

引き渡した時から10年。対象は構造と雨水の部分
新築住宅とは

未入居で、完了から1年以内

買主への引渡しからではない
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 法律の柱 | 性能の表示基準と評価の制度、紛争の処理体制、新築住宅の瑕疵担保責任の特別の定め | 品確法1条/令和2 問25 |
| 瑕疵 | 種類または品質に関して契約の内容に適合しない状態 | 品確法2条5項 |
| 新築住宅 | 新たに建設され、まだ居住の用に供したことがなく、工事完了の日から1年を経過していないもの | 品確法2条2項/令和5 問41 c(2年は不適切)・令和4 問40 d(適切) |
| 売主の責任 | 買主に引き渡した時から10年間。対象は構造耐力上主要な部分等 | 品確法95条1項/令和5 問41 a(適切) |
| 起算点の例外 | 請負人から売主に引き渡された住宅は、その引渡しの時から10年 | 品確法95条1項かっこ書/令和4 問40 a(適切) |
※住宅の品質確保の促進等に関する法律と公式の正答をもとに整理。
転売と特約|不利な特約は無効、20年以内まで延ばせる
転売で買った人
無効な特約、できる特約

買主が認めても、無効のまま

有利な特約はできる
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 転得者 | 売主が責任を負うのは買主に対して。転得者は当然には追及できない | 品確法95条1項/令和4 問40 b(不適切) |
| 不利な特約 | 修補に限る特約など、買主に不利なものは無効。買主が容認しても無効 | 品確法95条2項/令和5 問41 b・令和4 問40 c(適切) |
| 期間の延長 | 特約で、引き渡した時から20年以内にできる。その他の部分を含めることもできる | 品確法97条/令和5 問41 d(適切) |
※住宅の品質確保の促進等に関する法律と公式の正答をもとに整理。
試験に出る|ひっかけと過去問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 書面は契約前に渡すが、説明は契約後でよい | 説明も契約が成立するまで(令和6 問45 b) |
| 説明書に記名する宅地建物取引士は、専任でなければならない | 専任でなくてよい(令和5 問45 a) |
| 修繕積立金は、規約の内容を説明すれば足りる | 積み立てられている額も説明(令和2 問45 c) |
| 管理費は売買の内容ではないので、説明しなくてよい | 額を説明する(令和7 問45 b) |
| 委託先の商号のほか、専任の管理業務主任者の氏名も説明する | 氏名までは不要(令和7 問45 a) |
| 管理委託契約の内容を説明する | 委託先の名前と住所(令和6 問45 d) |
| 土砂災害警戒区域の中にないときも、その旨を説明する | 区域の中にあるときに説明(令和5 問45 c) |
| 石綿の有無や建物状況調査は、自ら調査して説明する | 自ら調査する義務はない(令和3 問45 b・c、令和7 問45 c) |
| 台所や浴室の設備の状況を説明する | 売買では説明事項でない(令和3 問45 d・令和5 問45 d) |
| 天災などの損害の負担の定めを、重要事項として説明する | 37条書面の事項(令和6 問45 a) |
| ペットの飼育禁止の規約を、37条書面に書く | 重要事項説明の事項(令和4 問45 a) |
| 新築住宅は、工事の完了から2年を経過していないもの | 1年(令和5 問41 c) |
| 転得者は、元の売主に当然に責任を追及できる | 当然にはできない(令和4 問40 b) |
過去問の出題
令和2〜7年度の管業で、問題文を読んで確かめると、宅建業法が主題の問題は6問、品確法が主題の問題は3問あります。宅建業法は、毎年の問45で出ています。
| 年度・問 | 出たポイント |
|---|---|
| 令和2 問25 | 品確法の目的(1条の語句) |
| 令和2 問45 | 重要事項説明(損害賠償額の予定・建物状況調査・積立額・記名) |
| 令和3 問45 | 重要事項説明(水害ハザードマップ・石綿・建物状況調査・設備) |
| 令和4 問40 | 品確法(起算点・転得者・修補に限る特約・1年を経過した分譲) |
| 令和4 問45 | 37条書面(規約・解除・ローンのあっせん・天災) |
| 令和5 問41 | 品確法(10年・修補に限る特約・新築の定義・20年以内) |
| 令和5 問45 | 重要事項説明(記名・私道・土砂災害警戒区域・設備) |
| 令和6 問45 | 重要事項説明(天災・説明の時期・住宅性能評価・委託契約) |
| 令和7 問45 | 重要事項説明(委託先・管理費用・石綿・損害賠償額の予定) |
※問題文と公式の正答から1問ずつ確かめたもの(令和2〜7年度)。
まとめ|説明は契約の前、書面は契約のあと、新築は10年
- 重要事項説明は、契約が成立するまでに宅地建物取引士が書面を渡して行う。記名の取引士は専任でなくてよい
- 修繕積立金は積み立てられている額も説明する。管理費の額も説明する。委託先は名前と住所
- 私道の負担はないときも説明する。石綿と建物状況調査は自分で調査する義務はない
- 37条書面は契約のあと遅滞なく渡す。天災は書面の事項、規約は説明の事項
- 新築住宅は未入居で完了から1年以内。売主は構造と雨水の部分に10年間の責任を負う
- 買主に不利な特約は、買主が認めても無効。期間は特約で20年以内まで延ばせる
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出典・参考にした公式資料
- 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索):35条・37条
- 宅地建物取引業法施行規則(e-Gov法令検索):16条の2・16条の2の2・16条の4の3
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律(e-Gov法令検索):1条・2条・95条・97条
- 管理業務主任者試験 令和2〜7年度の過去問と公式の正答(上の表の問題)
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