
「復旧は出席者、建替えは全体」の区別を覚えるのがおすすめ!
この記事は、管理業務主任者(管業)とマンション管理士(マン管)の勉強を始めたばかりの人に向けて、区分所有法の復旧と建替えを、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、図を見ながらやさしく解説します。
同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|復旧と建替え(約4分)
あおい先生とけんたさんの会話で、小規模滅失の復旧、大規模滅失の復旧の決議(令和8年4月から)と買取請求、建替え決議と売渡し請求を確認できます。
▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ
図と表、改正前との比べ方、過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。
小規模滅失の復旧|2分の1以下なら自分で直せる
小規模滅失と大規模滅失の分かれ目
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 小規模滅失 | 建物の価格の2分の1以下に当たる部分が滅失 | 61条1項 |
| 自分で直す | 各区分所有者が、滅失した共用部分と自分の専有部分を復旧できる。ただし共用部分は、工事に着手するまでに復旧・建替えなどの決議があればできない | 61条1項 |
| 費用の請求 | 共用部分を直した人は、ほかの区分所有者に共用部分の持分の割合で償還を請求できる | 61条2項 |
| 集会の決議 | 共用部分の復旧は普通の決議(出席者の各過半数)で決められる | 61条3項・39条 |
| 規約 | 1〜3項は規約で別の定めができる | 61条4項 |
※区分所有法61条1項〜4項(令和8年4月1日施行)をもとに整理。
大規模滅失の復旧|出席者の3分の2と買取請求
復旧の決議(令和8年4月から)

改正前は全体の4分の3、令和8年4月からは出席者の3分の2
買取請求と6か月のルール
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 大規模滅失の復旧の決議 | 各過半数が出席し、出席者の各3分の2以上(改正前は区分所有者と議決権の各4分の3) | 61条5項/管業 令和6 問26 a |
| 議事録 | 決議についての各区分所有者の賛否も記載する | 61条6項 |
| 買取請求 | 決議の日から2週間を過ぎたら、賛成しなかった人が賛成した人に時価で買取りを請求できる(買取指定者がいればその人に) | 61条7項・8項 |
| 催告 | 集会を招集した人は、4か月以上の期間を定めて、買取請求をするか書面で催告できる。期間を過ぎると請求できない | 61条11項・13項 |
| 決議がないとき | 滅失の日から6か月以内に復旧・建替えなどの決議がなければ、各区分所有者が買取りを請求できる | 61条14項/マン管 令和6 問10 d(誤り) |
| 自分で直した費用 | 大規模滅失では、決議の前に共用部分を自分で直しても、2項の償還請求はできない(小規模滅失だけのルール) | 61条1項・2項/管業 令和6 問26 b(不適切) |
※区分所有法61条(令和8年4月1日施行)と、公式の正答をもとに整理。改正前の61条5項は「区分所有者及び議決権の各4分の3以上」で、集会に来なかった人も含めた全体で数えていました。
建替え決議|全体の5分の4・説明会・売渡し請求
建替え決議の割合

建替えは全体の5分の4。安全性が足りない建物などは4分の3
説明会と売渡し請求
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 建替え決議 | 区分所有者(議決権のない人を除く)と議決権の各5分の4以上(全体で数える) | 62条1項 |
| 4分の3になる建物 | 地震・火災への安全性の基準に合わない、外壁などがはがれ落ちるおそれ、配管の劣化、バリアフリーの基準に合わない(令和8年4月新設) | 62条2項 |
| 決議で定める事項 | 再建建物の設計の概要、取壊しと建築の費用の概算額、その分担、再建建物の区分所有権の帰属 | 62条4項/マン管 令和7 問9 |
| 招集の通知 | 会日の2か月前まで(規約で伸ばせる)。建替えが必要な理由、修繕にかかる費用、修繕積立金の額なども通知 | 62条6項・7項 |
| 説明会 | 会日の1か月前までに開く | 62条8項 |
| 参加するかの催告 | 賛成しなかった人に遅滞なく書面で催告。2か月以内に回答しないと参加しないと回答したものとみなす | 63条1項・3項・4項/マン管 令和5 問9 a、令和3 問9 a |
| 売渡し請求 | 回答期間の満了から2か月以内に、参加しない人へ時価で売り渡すよう請求できる | 63条5項/管業 令和3 問34 d |
※区分所有法62条・63条(令和8年4月1日施行)と、公式の正答をもとに整理。
令和8年4月から増えた決議
| 決議 | 中身 | 割合 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 建物更新決議 | 構造上主要な部分の効用を保つため、共用部分の形状を変え、あわせて全部の専有部分の形状・面積・位置を変える | 区分所有者と議決権の各5分の4 | 64条の5 |
| 建物敷地売却決議 | 建物と敷地をまとめて売る | 区分所有者・議決権・敷地利用権の持分の価格の各5分の4 | 64条の6 |
| 建物取壊し敷地売却決議 | 建物を取り壊して敷地を売る | 同上(各5分の4) | 64条の7 |
| 取壊し決議 | 建物を取り壊す | 区分所有者と議決権の各5分の4 | 64条の8 |
※どの決議も、62条2項の建物(安全性が足りない建物など)なら4分の3になります(各条の2項で62条2項を準用)。
試験に出る|ひっかけと過去問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 建替え決議は、令和8年4月から出席者の各5分の4で決める | 全体の各5分の4(出席者で数えるのは大規模滅失の復旧の決議) |
| 大規模滅失でも、決議の前に共用部分を直した人は償還を請求できる | 償還請求は小規模滅失のルール(管業 令和6 問26 b) |
| 復旧の決議の集会は、2か月前までに通知する | 2か月前は建替え決議の集会(マン管 令和6 問10 a) |
| 滅失から2年たっても決議がなければ、買取りを請求できる | 6か月(マン管 令和6 問10 d) |
| 催告に2か月以内に回答しないと、参加する扱いになる | 参加しない扱い(マン管 令和5 問9 a) |
| 建替え決議で「敷地利用権の割合」を定めなければならない | 定めるのは設計の概要・費用の概算額・分担・区分所有権の帰属(マン管 令和7 問9 c) |
過去問の出題
令和3〜7年度の過去問で、区分所有法の復旧・建替えが主題の問題は、管業で2問、マン管で4問です。
| 試験 | 年度・問 | 出たポイント |
|---|---|---|
| 管業 | 令和6 問26 | 大規模滅失の復旧の決議・償還請求・買取指定者・6か月 |
| 管業 | 令和3 問34 | 建替えに参加しない人への売渡し請求 |
| マン管 | 令和7 問9 | 建替え決議で定める事項 |
| マン管 | 令和6 問10 | 大規模滅失の復旧の決議(通知・買取請求・6か月) |
| マン管 | 令和5 問9 | 参加するかの催告と売渡し請求 |
| マン管 | 令和3 問9 | 建替え決議のあとの手続 |
※問題文と公式の正答から1問ずつ数えたもの(令和3〜7年度、マン管・管業とも各年50問)。被災マンション法・建替え円滑化法の問題は含めていません。管業 令和6 問26は令和8年4月の改正後の表記で確認。
まとめ|小規模は自分で、大規模は出席者の3分の2、建替えは全体の5分の4
- 建物の価格の2分の1以下は小規模滅失。それぞれが自分で直せ、共用部分の費用は持分の割合で請求できる
- 2分の1を超えたら大規模滅失。復旧の決議は各過半数が出席して出席者の各3分の2以上(改正前は全体の4分の3)
- 賛成しなかった人は2週間後から時価で買取請求。6か月以内に決議がなければ各区分所有者が買取請求
- 建替え決議は全体の各5分の4(改正でも同じ)。安全性が足りない建物などは4分の3
- 通知は2か月前・説明会は1か月前。催告に2か月以内に答えないと不参加扱いで、売渡し請求の対象に
あわせて読みたい関連論点
出典・参考にした公式資料
- 建物の区分所有等に関する法律(e-Gov法令検索):61条〜63条・64条の5〜64条の8(令和8年4月1日施行)、改正前の61条5項
- マンション管理士試験・管理業務主任者試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答(上の表の問題)
※令和8年度試験の基準日(令和8年4月1日)時点の規定です。
こちらもCHECK
-
-
管理業務主任者の通信講座・予備校おすすめ4選|料金・合格率を比較【2026年版】
続きを見る
