
「国は義務、自治体は任意、認定は5年・7年・30年」と覚えるのがおすすめ!
この記事は、管理業務主任者(管業)の勉強を始めたばかりの人に向けて、マンション管理適正化法の基本方針と管理計画の認定を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、図を見ながらやさしく解説します。
同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|管理計画認定と基本方針(約4分)
あおい先生とけんたさんの会話で、国と自治体の役わり、助言・指導と勧告、管理計画の認定の申請先と書くこと、認定の基準、5年ごとの更新と取消しを確認できます。
▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ
条文の「しなければならない」と「できる」の区別、認定の基準の一覧、更新・変更・取消しの流れ、過去問のひっかけまで、記事でくわしく解説しています。
国と自治体の役わり|基本方針は義務、推進計画は任意
基本方針と推進計画

国は「定めなければならない」、自治体は「作ることができる」
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 基本方針 | 国土交通大臣が定めなければならない。定めたり変えたりしたら、遅滞なく公表 | 法3条1項・4項 |
| 基本方針の中身 | 適正化の基本的な事項、目標の設定、マンション管理適正化指針(管理組合のための指針)、合意形成の促進、推進計画の策定の基本的な事項など | 法3条2項 |
| 全国計画との調和 | 住生活基本法15条1項の全国計画と調和したものでなければならない | 法3条3項/管業 令和4 問46 ア(適切) |
| 推進計画 | 都道府県等(市の区域は市、事務を処理する町村の区域は町村)が、基本方針にもとづいて作成することができる | 法3条の2第1項/マン管 令和4 問48 ア(町村も作れる) |
| 推進計画に書くこと | 区域内の適正化の目標、管理状況を把握する措置、施策、都道府県等マンション管理適正化指針、啓発、計画期間など | 法3条の2第2項/管業 令和7 問46 c(目標は不要は誤り) |
| 関係者への協力要請 | 推進計画の作成・変更・実施に特に必要なとき、関係地方公共団体・管理組合・マンション管理業者などに調査の協力を求めることができる | 法3条の2第6項/管業 令和5 問46 ア・マン管 令和4 問48 エ・令和5 問46 エ(いずれも正しい) |
※マンション管理適正化法(e-Gov法令検索の現行条文)と、公式の正答をもとに整理。
助言・指導と勧告

助言・指導は都道府県等、勧告は知事や市長
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 助言・指導 | 都道府県等は、管理組合の管理者等(いなければ区分所有者等)に必要な助言・指導をすることができる(推進計画を作っていなくてもよい) | 法5条の2第1項/管業 令和4 問46 イ(不適切)・マン管 令和5 問46 ア(正しい) |
| 勧告 | 都道府県知事等(市長・町村長を含む)は、管理組合の運営(2026年4月からは修繕の実施も)が指針に照らして著しく不適切なとき、管理者等に勧告できる | 法5条の2第2項/管業 令和5 問46 ウ(適切)・マン管 令和4 問48 ウ(業者への勧告は誤り) |
| 管理組合の努力 | 指針に留意して適正に管理するよう自ら努める | 法5条1項/管業 令和7 問46 a(適切) |
| 区分所有者等の努力 | 管理組合の一員としての役割を適切に果たすよう努める | 法5条2項/管業 令和5 問46 イ(規定がないは不適切)・マン管 令和5 問46 イ(正しい) |
※マンション管理適正化法5条・5条の2と、公式の正答をもとに整理。2026年4月1日施行の改正で、勧告の対象に修繕の実施が加わり、報告の徴収・立入検査(5条の2第6項)もできるようになりました。
管理計画の認定|推進計画を作った自治体の長に申請
だれが、どこに申請するか

申請先は「推進計画を作った」自治体の長
なぜ、この仕組みがあるのか
基本方針は、マンションの管理水準を保ち、管理の状況が市場で評価される環境を整えることを、国と地方公共団体の取り組みの目標にしています(管業 令和7 問46 b は適切)。認定を受けているかどうかが、買う人や住む人にとって、管理の良さを知る手がかりになります。
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 申請する人 | 管理組合の管理者等(認定の申請は「できる」=任意) | 法5条の13第1項/管業 令和4 問46 ウ(適切) |
| 申請先 | 推進計画を作成した都道府県等の長(計画作成都道府県知事等)。推進計画がない区域では認定できない | 法5条の13第1項/マン管 令和4 問49 a(誤り) |
| 書くこと | ①修繕その他の管理の方法 ②修繕その他の管理に係る資金計画 ③管理組合の運営の状況 ④国土交通省令で定める事項 | 法5条の13第2項/管業 令和5 問46 エ(資金計画は必ず記載・適切) |
| 認定の基準 | 管理の方法・運営の状況が省令の基準に合う、資金計画が適切、マンション管理適正化指針と都道府県等の指針に照らして適切 | 法5条の14 |
| 認定の通知 | 認定したら、速やかに認定管理者等に通知 | 法5条の15 |
※マンション管理適正化法5条の13〜5条の15(2026年4月1日施行の条番号)と、公式の正答をもとに整理。改正前の過去問では「5条の3」「5条の4」と書かれています。
認定の基準|総会・監事・名簿と、長期修繕計画の7年・30年
運営・経理・名簿の基準

運営と名簿、そして滞納の割合
長期修繕計画の基準

「7年以内」と「30年以上かつ2回以上」
| 分野 | 基準 | 過去問 |
|---|---|---|
| 管理組合の運営 | ①管理者等が定められている ②監事が選任されている ③集会(総会)が年1回以上開かれている | — |
| 管理規約 | ①管理規約がある ②緊急時などの専有部分への立入り、修繕等の履歴情報の管理を定めている ③財務・管理の情報の書面交付(電磁的方法)を定めている | 管業 令和6 問46 b(適切) |
| 管理組合の経理 | ①管理費と修繕積立金等を区分経理 ②修繕積立金会計から他の会計へ充当していない ③直前の事業年度末で修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内 | 管業 令和6 問46 c(適切) |
| 長期修繕計画 | ①標準様式に準拠し、内容と修繕積立金額を集会で決議 ②作成・見直しが7年以内 ③計画期間30年以上、かつ残存期間内に大規模修繕工事2回以上 ④将来の一時的な徴収を予定していない ⑤積立金の平均額が著しく低額でない ⑥最終年度に借入金の残高がない | 管業 令和6 問46 d(10年以内は不適切)・マン管 令和4 問49 c(「又は」は誤り) |
| その他 | ①組合員名簿・居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認 ②都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切 | マン管 令和4 問49 d(正しい) |
※国土交通省「マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」別紙二(2026年4月1日施行の版)をもとに整理。すべての基準に合うことが必要です。
認定のあと|5年ごとの更新・変更の認定・改善命令と取消し
5年ごとの更新と変更の認定

5年ごと。期限までに結果が出なければ前の認定が続く
改善命令と取消し

いきなり取消しではなく、まず改善命令
| ルール | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 更新 | 認定は5年ごとに更新を受けなければ、期間の経過で効力を失う | 法5条の16第1項/マン管 令和4 問49 b(10年は誤り)・令和5 問46 ウ(正しい) |
| 処分が遅れたとき | 有効期間の満了日までに更新の処分がなければ、処分がされるまで従前の認定が効力を有する(更新後の期間は満了日の翌日から) | 法5条の16第3項・4項/マン管 令和6 問47 a(効力を失うは誤り) |
| 変更の認定 | 認定管理計画を変更するときは認定を受ける。ただし軽微な変更は不要 | 法5条の17第1項/マン管 令和7 問47 c(正しい)・令和6 問47 d(監事の変更は申請不要=正しい) |
| 報告の徴収 | 認定管理者等に、管理の状況について報告を求めることができる | 法5条の18 |
| 改善命令 | 認定管理計画に従って管理していないときは、相当の期限を定めて改善に必要な措置を命ずることができる | 法5条の19 |
| 取消し | ①改善命令に違反したとき ②管理を取りやめる申出があったとき ③不正の手段で認定・更新を受けたとき、に取り消すことができる | 法5条の20第1項/管業 令和4 問46 エ(直ちに取消しは不適切)・マン管 令和6 問47 b(正しい) |
※マンション管理適正化法5条の16〜5条の20と、公式の正答をもとに整理。
試験に出る|ひっかけと過去問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 都道府県等は、推進計画を作らなければならない | 作成することができる(法3条の2第1項) |
| 推進計画を作ったうえで、助言・指導をしなければならない | 助言・指導はすることができる(管業 令和4 問46 イ) |
| 町村は推進計画を作れない | 事務を処理する町村も作れる(マン管 令和4 問48 ア) |
| 推進計画には、目標まで定める必要はない | 目標も定める(管業 令和7 問46 c) |
| 著しく不適切なときは、管理業者に勧告できる | 勧告の相手は管理組合の管理者等(マン管 令和4 問48 ウ) |
| 区分所有者等の役割は規定されていない | 管理組合の一員としての役割を果たすよう努める(管業 令和5 問46 イ) |
| 推進計画がなくても、知事が管理計画を認定できる | 推進計画を作った自治体の長だけ(マン管 令和4 問49 a) |
| 認定は10年ごとに更新 | 5年ごと(マン管 令和4 問49 b) |
| 長期修繕計画の作成・見直しは10年以内 | 7年以内(管業 令和6 問46 d) |
| 計画期間30年以上「又は」大規模修繕2回以上 | 30年以上「かつ」2回以上(マン管 令和4 問49 c) |
| 期限までに処分がなければ、従前の認定は効力を失う | 処分まで効力を有する(マン管 令和6 問47 a) |
| 計画どおりでなければ、直ちに認定を取り消せる | まず改善命令、違反したら取消し(管業 令和4 問46 エ) |
過去問の出題
管理計画の認定の制度は2022年4月に始まったので、出題は令和4年度からです。令和4〜7年度で、基本方針・推進計画・管理計画の認定が主題の問題は、管業で4問(毎年1問)、マン管で4問です。
| 年度・問 | 出たポイント |
|---|---|
| 管業 令和4 問46 | 基本方針と全国計画・助言指導・認定の申請・改善命令と取消し |
| 管業 令和5 問46 | 協力要請・区分所有者等の役割・勧告・管理計画の資金計画 |
| 管業 令和6 問46 | 認定の基準(管理者等・管理規約・区分経理・7年以内) |
| 管業 令和7 問46 | 基本方針(管理組合の努力・市場で評価・推進計画の目標) |
| マン管 令和4 問48 | 推進計画を作る自治体・勧告の相手・協力要請 |
| マン管 令和4 問49 | 認定(推進計画がない区域・10年・「又は」・名簿の確認) |
| マン管 令和5 問46 | 助言指導・区分所有者等の役割・5年更新・協力要請 |
| マン管 令和6 問47 | 更新の処分が遅れたとき・改善命令と取消し・監事の変更 |
※問題文と公式の正答から1問ずつ数えたもの(令和4〜7年度)。肢として:マン管 令和7 問47 c(変更の認定)。
まとめ|国は義務、自治体は任意、認定は5年・7年・30年
- 基本方針は国土交通大臣が定めなければならず、定めたら公表。住生活基本法の全国計画と調和させる
- 推進計画は都道府県等が作ることができる(任意)。助言・指導は都道府県等、勧告は知事や市長
- 管理計画は管理者等が作り、推進計画を作った自治体の長に申請。推進計画がない区域では認定なし
- 基準は総会年1回以上・監事・名簿の年1回確認・滞納1割以内、長期修繕計画は7年以内と30年以上かつ2回以上
- 認定は5年ごとに更新。処分が遅れれば前の認定が続く。改善命令に違反すると取消し
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出典・参考にした公式資料
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律(e-Gov法令検索):3条・3条の2・5条・5条の2・5条の13〜5条の20
- 国土交通省 マンション関係法令:マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針(別紙二 認定の基準)
- 国土交通省 マンション管理計画認定制度
- 管理業務主任者試験・マンション管理士試験 令和4〜7年度の過去問と公式の正答(上の表の問題)
※2026年4月1日施行の改正まで反映したマンション管理適正化法と基本方針にもとづく内容です。
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