管業攻略ノート

リフォームの申請と部屋を貸すときのルールをやさしく解説|専有部分の修繕等・窓ガラスの改良・誓約書(標準管理規約)【管業攻略ノート】

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リフォームと部屋の貸し方|管業攻略ノート

部屋をリフォームしたり、人に貸したりするときは、管理組合に何か手続がいるのですか?
けんた
けんた
まずは結論
共用部分やほかの部屋に影響のおそれがあるリフォームは、理事長に申請し、理事会の決議で承認を受けます。工事のあとの影響は区分所有者の責任と負担です。窓ガラスなどの改良は原則管理組合の計画修繕、部屋を貸すときは契約書に規約を守る条項を入れ、借りる人の誓約書を出してもらいます。

「申請先は理事長、決めるのは理事会」「出すのは誓約書」を覚えるのがおすすめ!

この記事は、マンション管理士(マン管)と管理業務主任者(管業)の勉強を始めたばかりの人に向けて、標準管理規約のリフォームの申請と部屋を貸すときのルールを、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、図を見ながらやさしく解説します。

同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。

✍ この記事を書いた人:ごりへい(宅建士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・FP2級)
海外から宅建に一発合格、賃管・管業もダブル合格。不動産業の実務経験あり。 ▶ プロフィール

動画で学ぶ|リフォームの申請と部屋を貸すときのルール(約4分)

あおい先生とけんたさんの会話で、リフォームの申請と承認、届出だけでよい工事、窓ガラスなどの改良、部屋を貸すときの契約書と誓約書を確認できます。

▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ

手続の流れの図、承認と届出の比べ、過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。

 

リフォームの申請|申請先は理事長、決めるのは理事会

この章の答え共用部分やほかの専有部分に影響のおそれがあるリフォームは、設計図・仕様書・工程表をつけて理事長に申請し、理事会の決議で承認を受けます。承認を受けた工事でも、あとで出た影響は工事を頼んだ区分所有者の責任と負担です。承認のいらない工事でも、業者の出入りや音があるものは届け出ます。

申請と承認の流れ

あおい先生
あおい先生
床をフローリングにしたり、間取りを変えたりするなど、共用部分やほかの部屋に影響が出るおそれのある工事は、前もって理事長に申請して、承認を受けます。
あおい先生
あおい先生
申請書には、設計図、仕様書、工程表をつけます。承認するかどうかは、理事長ひとりではなく、理事会の決議で決めます。

影響のあるリフォームの流れ。1 理事長に申請(設計図・仕様書・工程表)、2 理事会の決議で承認・不承認、3 承認の範囲で共用部分の工事もできる、4 理事長などは立ち入って調査できる、5 工事のあとの影響は区分所有者の責任

申請先は理事長、決めるのは理事会

あおい先生
あおい先生
承認を受ければ、その工事に関係する共用部分の工事もできます。理事長などは、必要な範囲で工事の場所に立ち入って調査でき、区分所有者は、正当な理由がなければ断れません。

工事のあとの責任

承認を受けた工事のあとで、下の部屋に水漏れが起きたら、管理組合の責任ですか?
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
いいえ。工事を頼んだ区分所有者が、自分の責任と負担で対応します。承認は、工事の責任を軽くするものではないからです。

承認がいらない工事の届出

あおい先生
あおい先生
承認がいらない工事でも、工事業者が出入りしたり、音や振動が出たりするものは、前もって理事長に届け出ます。管理組合が、工事中の影響を先に知っておくためです。

承認と届出の比べ。承認がいる工事(ほかの部屋や共用部分に影響のおそれ)は理事長に申請して承認。承認がいらない工事でも業者の出入り・音・振動があるものは前もって理事長に届出。なぜなら管理組合が工事中の影響を先に知っておくため

影響のおそれ=承認、工事中の音や出入り=届出

ルール 中身 根拠
承認がいる工事 修繕・模様替え・建物に定着する物の取付けや取替え(修繕等)のうち、共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれのあるもの。例:床のフローリング、ユニットバスの設置、主要構造部に直接取り付けるエアコン、配管(配線)の枝管の取付け・取替え、間取りの変更 17条1項・コメント17条関係②
申請 あらかじめ理事長に申請し、書面(または電磁的方法)で承認を受ける。設計図・仕様書・工程表を添付 17条1項・2項
承認・不承認 理事会の決議で決める(理事長ひとりでは決めない)。理事会を開かずに理事の過半数の承諾で書面・電磁的方法の決議もできる 17条3項・54条1項5号・53条2項
専門家と費用 フローリング工事などは専門家への確認が必要。調査などに特別な費用がかかるときは申請者に負担させるのが適当 コメント17条関係⑤⑥/マン管 令和3 問25 a(適切)
共用部分の工事 承認があれば、承認の範囲内で、その修繕等に関係する共用部分の工事もできる 17条4項
立入り・調査 理事長またはその指定を受けた者は、必要な範囲で立ち入って調査できる。区分所有者は正当な理由がなければ拒めない 17条5項/管業 令和7 問35 イ
工事後の影響 承認を受けた工事でも、あとで共用部分や他の専有部分に影響が出たら、工事を発注した区分所有者の責任と負担で措置をとる 17条6項/管業 令和7 問35 エ(不適切)・マン管 令和3 問25 b(不適切)
届出だけの工事 承認がいらない修繕等でも、工事業者の立入り・資機材の搬入・騒音・振動・臭気など、工事中の影響を管理組合が事前に把握する必要があるものは、あらかじめ理事長に届け出る 17条7項/管業 令和7 問35 ア(不適切)・マン管 令和3 問25 c(適切)
承認を受けずに工事したら 規約違反として、理事長が理事会の決議を経て勧告・指示・警告や差止めなどの措置をとれる コメント17条関係⑬・67条

※マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年改正)17条と、公式の正答をもとに整理。専有部分の増築や、建物の主要構造部に影響を及ぼす行為は、そもそもできません(コメント17条関係①)。

 

窓ガラス等の改良|原則は管理組合の計画修繕

この章の答え窓枠・窓ガラス・玄関扉は共用部分です。防犯・防音・断熱などのための改良工事は、原則として管理組合が計画修繕として行います。管理組合がすぐにできないときは、理事長に申請して承認を受ければ、区分所有者が自分の責任と負担で工事できます。

窓ガラス・玄関扉の改良

窓ガラスを、断熱性の高いものに替えたいときは、どうするのですか?
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
窓枠や窓ガラス、玄関扉は、共用部分です。防犯や断熱のための改良工事は、原則として、管理組合が、計画修繕としておこないます。
あおい先生
あおい先生
管理組合がすぐにできないときは、理事長に申請して承認を受ければ、区分所有者が、自分の責任と負担で工事できます。

窓ガラス・玄関扉の改良。1 窓枠・窓ガラス・玄関扉は共用部分、2 改良は原則、管理組合の計画修繕、3 すぐできないときは理事長に申請、4 承認されれば区分所有者の負担で工事

すぐできないときは、申請して自分の負担で

ルール 中身 根拠
開口部の扱い 窓枠・窓ガラス・玄関扉(錠と内部塗装部分を除く)は専有部分に含まれず、共用部分 7条2項・コメント22条関係①
改良工事 防犯・防音・断熱など住宅の性能を上げる改良工事は、管理組合がその責任と負担で計画修繕として行う 22条1項/管業 令和7 問32 c(不適切)
すぐにできないとき 区分所有者が、あらかじめ理事長に申請して承認を受け、自分の責任と負担で工事できる。承認・不承認は理事会の決議 22条2項・3項・コメント22条関係④/マン管 令和3 問25 d(適切)
割れたときの修理 窓ガラスの破損などで専有部分の使用に支障があり、緊急を要するときは、区分所有者が保存行為として直せる 21条3項・管業 令和7 問32 d(適切)
一斉に交換するとき 窓枠・窓ガラスの一斉交換工事は、形状や効用の著しい変更を伴わないので総会の普通決議で行える コメント47条関係⑧/管業 令和3 問30 ア

※マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント21条・22条と、公式の正答をもとに整理。

 

部屋を貸すとき|契約書に条項、借りる人の誓約書

この章の答え部屋を貸すときは、借りる人にも規約と使用細則を守らせます。賃貸借の契約書に規約を守る条項を入れ、借りる人に誓約書を管理組合へ出してもらいます(契約書の写しではありません)。暴力団員に貸さない規定を置いた場合は、確約・無催告解約・管理組合の代理解約の条項を入れます。

契約書の条項と誓約書

部屋を人に貸すときは、どんなルールがあるのですか?
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
借りる人にも、規約と使用細則を守らせなければなりません。そのため、賃貸借の契約書に、規約を守るという条項を入れます。
あおい先生
あおい先生
さらに、借りる人に、規約を守るという誓約書を、管理組合へ出してもらいます。出すのは誓約書で、契約書の写しではありません。

部屋を貸すとき。1 借りる人にも規約・使用細則を守らせる、2 契約書に「規約を守る」条項、3 借りる人に誓約書を出してもらう、4 暴力団員に貸さない規定を置いたとき。管理組合に出すのは誓約書で、契約書の写しではない

管理組合に出すのは、借りる人の誓約書

暴力団員に貸さない規定

あおい先生
あおい先生
暴力団員に貸さないという規定を置いたときは、契約書に、暴力団員ではないと確約する条項も入れます。暴力団員だとわかったら、催告なしで解約でき、区分所有者が解約しないときは、管理組合が代わりに解約できます。
ルール 中身 根拠
守らせる義務 区分所有者は、借りる人(第三者)に規約・使用細則に定める事項を守らせなければならない 19条1項
契約書の条項 賃貸借などの契約に、規約・使用細則を守る旨の条項を定める 19条2項
誓約書 借りる人に、規約・使用細則を守る旨の誓約書を管理組合に提出させる(契約書の写しの提出は求められていない) 19条2項/管業 令和7 問34 a(不適切)・b(適切)
借用の届出 借りる人に、専有部分を借りた旨の届出を管理組合に出させる(氏名・住戸・電話番号・緊急連絡先など) 19条3項・コメント19条関係⑤
暴力団員でない確約 暴力団員に貸さない規定を置く場合、契約に「暴力団員ではない・契約後もならない」と確約する条項を定め、その誓約書も管理組合に提出させる 19条の2第1項1号・2項/管業 令和7 問34 c・d(適切)
解約 暴力団員とわかったら、区分所有者は催告なしで解約できる。区分所有者が解約しないときは、管理組合が代理して解約できる(代理を認める書面を区分所有者が出す) 19条の2第1項2号・3号・2項
代理解約を決める機関 理事会決議にすることも考えられるが、総会の決議によるのが望ましい コメント19条の2関係①

※マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント19条・19条の2と、公式の正答をもとに整理。借りている人の規約違反への対応は、規約違反への対応と電磁的方法で解説しています。

 

試験に出る|ひっかけと過去問

この章の答え「承認を決めるのはだれか」「工事後の影響はだれの責任か」「届出がいる工事」「窓ガラスの改良はだれが行うか」「管理組合に出すのは誓約書か契約書の写しか」がよく問われます。

よく出るひっかけ

ひっかけ 正しくは
承認を受けた工事のあとの影響は、区分所有者と管理組合が共同で責任を負う 工事を発注した区分所有者の責任と負担(管業 令和7 問35 エ)
承認を受けた工事のあとの影響は、管理組合の責任と負担で措置をとる 同じく区分所有者の責任と負担(マン管 令和3 問25 b)
影響のおそれがない工事なら、業者の出入りがあっても届出はいらない 工事中の影響を把握する必要があれば届出がいる(管業 令和7 問35 ア)
断熱性の高い複層ガラスへの交換は、原則として区分所有者が自分の負担で行う 原則は管理組合の計画修繕(管業 令和7 問32 c)
部屋を貸すときは、賃貸借契約書の写しを管理組合に提出する 出すのは借りる人の誓約書(管業 令和7 問34 a)
リフォームの承認は、理事長が一人で決める 申請先は理事長だが、理事会の決議で決める(17条3項)

過去問の出題

令和3〜7年度の過去問で、標準管理規約のリフォームの申請・窓ガラスの改良・部屋を貸すときのルールが主題の問題は、管業で3問、マン管で2問です。管業では令和7年度に3問続けて出ました。

試験 年度・問 出たポイント
管業 令和7 問32 窓ガラス(割れたときの修理・複層ガラスへの交換)
管業 令和7 問34 部屋を貸すとき(誓約書・暴力団員の排除)
管業 令和7 問35 専有部分の修繕等(届出・立入り・費用・工事後の責任)
マン管 令和3 問25 専有部分の修繕等の手続(専門家・工事後の責任・届出・玄関扉の交換)
マン管 令和3 問26 住戸を賃貸している場合の管理組合の運営
管業 令和3 問30 ア 窓枠・窓ガラスの一斉交換は総会の普通決議(選択肢)
マン管 令和7 問30 住戸を賃貸し、区分所有者がマンション外に住む場合(選択肢)

※問題文と公式の正答から1問ずつ数えたもの(令和3〜7年度、マン管・管業とも各年50問)。令和7年改正で答えが変わる問題はありません。

 

まとめ|申請は理事長、決めるのは理事会、出すのは誓約書

まとめ
  1. 影響のおそれがあるリフォームは、設計図・仕様書・工程表をつけて理事長に申請し、理事会の決議で承認
  2. 承認を受けた工事でも、あとの影響は工事を発注した区分所有者の責任と負担
  3. 承認がいらない工事でも、業者の出入りや音・振動があるものは理事長に届出
  4. 窓枠・窓ガラス・玄関扉の改良は原則、管理組合の計画修繕。すぐできなければ申請して自分の負担で
  5. 貸すときは契約書に規約を守る条項を入れ、借りる人の誓約書と借用の届出を管理組合に出してもらう
「申請は理事長、決めるのは理事会」で、整理できました!
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
だれに出して、だれが決めて、だれが責任を負うかを、図で確かめながら覚えましょう。

あわせて読みたい関連論点

出典・参考にした公式資料

  • マンション標準管理規約(国土交通省):令和7年改正 単棟型・同コメント 7条・17条・19条・19条の2・21条・22条・53条・54条
  • マンション管理士試験・管理業務主任者試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答(上の表の問題)

※令和7年10月改正の標準管理規約(単棟型)にもとづく内容です。


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ごりへい

宅建・賃管・管業・FP2級など複数の資格を取得。学習法や合格体験をもとに、不動産業やキャリア形成に役立つ情報を発信中。実務と資格の両面から「キャリアアップを応援!」をテーマにブログを運営しています。

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