
共同住宅は、居室の床面積の合計が100平方メートル(耐火・準耐火なら200平方メートル)を超える階に、直通階段が2つ以上必要です。賃管では直近5年で7問。数字を「何の数字か」とセットで覚えるのがおすすめ!
この記事は、賃管の勉強を始めたばかりの人に向けて、建築基準法の居室のルールを、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、写真を見ながらやさしく解説します。
同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|居室のルール(約4分)
あおい先生とけんたさんの会話で、採光と換気の窓・換気の方式・シックハウス対策・天井の高さと界壁・直通階段を確認できます。
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写真と表、過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。
居室とは?採光と換気の窓のルール
居室と採光の窓

居間や寝室のように、人が長い時間いる部屋が居室(写真はイメージ)
建築基準法では、居室は、居住や執務などのために継続的に使用する室のことです(建築基準法2条4号)。
採光の割合は居室の種類で決まり、住宅の居住のための居室は7分の1以上です。照明設備の設置など、国の基準に従った措置をとれば、10分の1までの範囲で緩和されます(28条1項・施行令19条3項)。
換気の窓と、ふすまで仕切った2室

ふすまや障子で仕切った2つの部屋は、採光・換気では1室とみなす(写真はイメージ)
換気に有効な窓などの面積は、床面積の20分の1以上です。決まりに従った換気設備を設ければ、この窓がなくてもよいとされています(28条2項)。
ふすまや障子など、いつでも開けられるもので仕切った2つの部屋は、採光と換気の決まりでは1室とみなします(28条4項)。
| ルール | 中身 |
|---|---|
| 居室 | 継続的に使う室。居間や寝室など。トイレは入らない |
| 採光の窓(住宅の居室) | 床面積の7分の1以上。措置をとれば10分の1まで緩和 |
| 採光の決まりの対象 | 住宅・学校・病院など。事務所や店舗は対象外 |
| 換気の窓 | 床面積の20分の1以上(換気設備を設ければ例外) |
| ふすま・障子で仕切った2室 | 採光・換気では1室とみなす |
※建築基準法2条4号・28条1項・2項・4項、施行令19条3項、令和6 問13・令和3 問12(公式の正答)をもとに整理。
換気の方式・天井の高さ・避難のルール
自然換気と機械換気

居室の壁の給気口:第3種換気では、ここから外の空気を入れる(写真はイメージ)

天井の換気扇:第3種換気では、浴室やトイレなどの換気扇で排気する(写真はイメージ)
| 方式 | しくみとポイント |
|---|---|
| 自然換気 | 温度差による対流や風圧を使う。経済的だが、換気量はいつも安定するとは限らない |
| 機械換気 | 換気扇や送風機で強制的に換気する。必要なときに換気できるが、エネルギー源がいる |
| 第1種換気(給気・排気とも機械) | 機械室・電気室などに使われる。居室の熱交換型換気設備にも使われる |
| 第2種換気(給気だけ機械) | 室内は正圧になる(負圧ではない) |
| 第3種換気(排気だけ機械) | 台所・浴室・トイレなどから機械で排気し、給気口から取り入れる。住宅に多い。給気が足りないと、室内外の差圧が大きくなって障害が起きる |
※令和5 問14・令和3 問19・令和元 問32(公式の正答)をもとに整理。試験では「第1種」などの名前ではなく、「給気だけ機械」のようにしくみで問われる。
シックハウス対策と24時間換気
内装の仕上げに使う木質建材・壁紙・接着剤・塗装などで、ホルムアルデヒドを出すものは規制の対象です(令和4 問15)。建材と換気設備の基準は、建築基準法28条の2と施行令20条の7・20条の8にあります。
天井の高さと界壁

天井の高さが一定でない部屋は、平均の高さで考える(写真はイメージ)
居室の天井の高さは2.1メートル以上です。床面から測り、1つの部屋で高さがちがう部分があるときは、平均の高さで考えます(施行令21条)。
共同住宅の住戸と住戸の間の壁を界壁といいます。となりの生活の音を小さくするため、原則として小屋裏や天井裏まで届かせます。天井が遮音の基準を満たす場合は例外です(建築基準法30条)。
直通階段のルール

上の階へ続く共同住宅の共用階段(写真はイメージ)
| 場面 | 直通階段が2つ以上必要になるとき |
|---|---|
| 共同住宅の階 | その階の居室の床面積の合計が100平方メートルを超える |
| 主要構造部が耐火・準耐火構造など | 200平方メートルを超える |
| 6階以上の階 | 原則として必要(100平方メートル以下で、避難上有効なバルコニーなどがある場合などは例外) |
※施行令120条・121条1項5号・6号・2項、令和3 問12・令和4 問13(公式の正答)をもとに整理。歩行距離の上限は、建物の構造や居室の種類で変わります。
試験に出る|ひっかけと過去問7問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 採光の決まりは、事務所や店舗にも適用される | 適用されない。用途変更のときに問題になりやすい(令和6 問13) |
| 住宅の居室の採光は、床面積の20分の1以上 | 7分の1以上。20分の1は換気の数字(令和6 問13・令和3 問12) |
| ふすまで仕切った2つの居室は、換気では1室とみなせない | 1室とみなす(令和3 問12) |
| 自然換気は、いつでも安定した換気量が確保できる | いつも安定するとは限らない(令和5 問14) |
| 給気だけを機械で行うと、室内は負圧になる | 正圧になる(令和3 問19) |
| シックハウス対策の決まりは、新築だけに適用される | 中古でも増改築・大規模な修繕・模様替えのときは適用(令和4 問14) |
過去問の出題|直近5年で7問
賃管の過去問(令和3〜7年度)で、居室・換気・シックハウス・避難のルールが主題の問題は7問ありました(令和7年度は出題なし)。
| 年度 | 問 | 出たポイント |
|---|---|---|
| 令和6 | 問13 | 採光の決まり(7分の1・事務所への適用・用途変更) |
| 令和5 | 問14 | 換気の方式(自然換気・機械換気・第3種換気) |
| 令和4 | 問13・14・15 | 直通階段/シックハウスの適用と界壁/シックハウスの原因と24時間換気 |
| 令和3 | 問12・19 | 居室・換気の窓・ふすま・直通階段/換気設備と24時間換気 |
※問題文と公式の正答をもとに、テーマごとに数えたものです。建築基準法の用語の問題(令和7 問47)や防火区画の問題は含めていません。
まとめ|居室のルールは「7分の1・20分の1・2.1メートル」から
- 居室は人が継続的に使う部屋。トイレは入らない
- 採光は床面積の7分の1以上、換気は20分の1以上。採光は事務所・店舗に適用されない
- 住宅は第3種換気が多い。給気だけ機械なら正圧。新築の居室には原則24時間換気
- 天井は2.1メートル以上(平均の高さ)。界壁は原則、小屋裏・天井裏まで
- 直通階段2つ以上は100平方メートル超(耐火・準耐火は200平方メートル超)。賃管では直近5年で7問
あわせて読みたい関連論点
出典・参考にした公式資料
- 建築基準法(e-Gov法令検索):2条4号・28条・28条の2・30条
- 建築基準法施行令(e-Gov法令検索):19条・20条の7・20条の8・21条・120条・121条
- 賃貸不動産経営管理士試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答(令和6年度問13、令和5年度問14、令和4年度問13・14・15、令和3年度問12・19)
- 賃貸不動産経営管理士試験 令和元年度 問32の過去問と公式の正答(換気の方式の補足)
※写真はイメージです(生成AIで作成)。
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