
登録には床面積が原則25㎡以上などの基準があります。登録住宅には改修や家賃の支援があり、生活保護の住宅扶助費は貸主に代理納付できます。賃管では令和7年度と令和2年度に1問ずつ。「範囲は限れる」と「規模・構造の基準がある」をセットで覚えるのがおすすめ!
この記事は、賃管の勉強を始めたばかりの人に向けて、住宅セーフティネット法を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、写真を見ながらやさしく解説します。
同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|住宅セーフティネット法(約4分)
あおい先生とけんたさんの会話で、住宅確保要配慮者・登録住宅の基準・国や自治体の支援・代理納付・居住支援法人と居住支援協議会を確認できます。前半が住宅セーフティネット法の内容で、後半は「家賃債務保証業者」の内容です。
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写真と表、過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。
住宅確保要配慮者と登録住宅|一戸単位で登録・範囲は限れる・25㎡の基準
住宅確保要配慮者とは

スロープと手すりのあるマンションのエントランス。住宅セーフティネット法は、住まい探しに配慮が必要な人の入居を支える(写真はイメージ)
住宅確保要配慮者は、住宅セーフティネット法2条1項の1号〜6号で決められています。6号の「国土交通省令で定める者」には、日本の国籍を有しない人などが入ります(施行規則3条)。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 低額所得者 | 収入が国土交通省令で定める金額をこえない人(1号) |
| 被災者 | 災害(発生から3年を経過していないもの)で住宅を失ったり傷んだりした人など(2号) |
| 高齢者・障害者 | 高齢者(3号)、障害者基本法の障害者(4号) |
| 子どもを養育している人 | 子ども=18歳に達する日以後の最初の3月31日までの人(5号) |
| 国土交通省令で定める人 | 日本の国籍を有しない人、犯罪被害者等など。自治体の賃貸住宅供給促進計画で定める人も入る(施行規則3条) |
※住宅セーフティネット法2条1項、施行規則3条をもとに整理。
要配慮者を受け入れる「登録住宅」

家具のない1Kの部屋。登録住宅には、各戸の床面積が原則25㎡以上などの基準がある(写真はイメージ)
要配慮者の入居を受け入れる賃貸住宅を貸す事業をする人は、都道府県知事の登録を受けることができます(住宅セーフティネット法8条)。指定都市と中核市では、市長が登録します(89条)。
登録を受けた貸主は、入居を希望する要配慮者を、要配慮者であることを理由に拒んではいけません。受け入れる範囲を決めたときは、その範囲に入る人が対象です(17条)。
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 登録するのは | 都道府県知事(指定都市・中核市は市長)(8条・89条) |
| 登録の単位 | 一棟単位だけでなく、住戸単位でも登録できる(令和7 問23) |
| 各戸の床面積 | 原則25㎡以上。既存の住宅は18㎡以上など、ゆるめた基準もある(10条1項1号・施行規則10条) |
| 構造・設備 | 耐震関係規定への適合、各戸の台所・便所・浴室などの基準がある(10条1項2号・施行規則11条) |
| 受け入れる範囲 | 限って登録できる。ただし、入居を不当に制限しないものに限る(9条1項6号・10条1項3号・施行規則12条) |
| 登録簿 | 都道府県知事が一般の閲覧に供する(13条) |
※住宅セーフティネット法8条・9条・10条・13条・17条・89条、施行規則10条〜12条、令和7 問23・令和2 問5(公式の正答)をもとに整理。
登録住宅への支えと居住支援|改修・家賃の支援、代理納付、居住支援法人と協議会
国や自治体の支援
試験でも、登録住宅の改修への支援と、入居者の負担を軽くする支援が用意されている、という肢が正しいとされています(令和7 問23・令和2 問5)。補助の細かい中身は予算の制度で決まり、条文には書かれていないので、この記事では扱いません。
生活保護の住宅扶助費の代理納付
保護の実施機関は、保護の目的を達するために必要があるときは、被保護者に代わって支払うことができます(生活保護法37条の2)。登録住宅で家賃が払われないときは、一定の要件にあたる貸主が保護の実施機関に通知でき、実施機関は代理納付などが必要かを判断します(住宅セーフティネット法21条)。
令和7年10月にできた居住サポート住宅では、一定の要件にあたる貸主が希望を通知すると、口座振替のときなどを除き、保護の実施機関が家賃などを貸主に直接支払います(53条)。
居住支援法人と居住支援協議会
| 項目 | 居住支援法人 | 居住支援協議会 |
|---|---|---|
| だれが | NPO法人・一般社団法人などの営利を目的としない法人や、居住の支援を目的とする会社を、都道府県知事が指定(59条) | 地方公共団体が、居住支援法人・宅建業者・賃貸住宅を管理する事業者・社会福祉協議会などで構成して置く(81条1項) |
| すること | 家賃債務の保証、入居の情報提供・相談、入居後の生活の相談、貸主への情報提供、死亡時の契約の解除と残置物の処理(62条) | 要配慮者や貸主への情報提供、相談の体制づくり、住宅と福祉の施策の連携などを協議する(81条2項) |
※住宅セーフティネット法59条・62条・81条、令和5 問48(公式の正答)をもとに整理。
令和7年10月施行の改正
住宅セーフティネット法は令和6年に改正され、令和7年10月1日に施行されました(令和6年法律第43号。e-Govの改正履歴、国土交通省の資料)。賃管の勉強で押さえたい改正点は、次の4つです。
| 改正点 | 内容 |
|---|---|
| 居住サポート住宅の創設 | 居住支援法人などが、訪問などで入居者の生活の状況を把握し、福祉サービスにつなぐ援助を行う賃貸住宅。市長などが計画を認定する(40条。正式名は居住安定援助賃貸住宅) |
| 認定家賃債務保証業者 | 国土交通大臣が認定。親族などの連絡先を出すことを、保証の契約の条件として求めない(72条) |
| 居住支援法人の業務 | 入居者からの委託にもとづき、死亡したときの契約の解除と残置物の処理を行う業務が加わった(62条5号) |
| 居住支援協議会 | 地方公共団体は、居住支援協議会を置くように努める(81条1項) |
※住宅セーフティネット法40条・62条・72条・81条(施行2025-10-01の改正後)、国土交通省・厚生労働省の関係事業者向け資料(令和7年6月)をもとに整理。認定家賃債務保証業者の基準は「家賃債務保証業者」の回でくわしく解説しています。
試験に出る|ひっかけと過去問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 登録住宅は、あらゆる要配慮者の入居を常に拒まない住宅 | 受け入れる範囲を限って登録できる(令和2 問5・令和7 問23) |
| 登録するとき、住宅の規模・構造等についての制限はない | 床面積は原則25㎡以上、構造・設備にも基準がある(令和7 問23) |
| 登録は一棟単位でなければできない | 住戸単位でも登録できる(令和7 問23) |
| 登録住宅に入居する人の家賃への支援はない | 入居者の負担を軽くする支援がある(令和7 問23・令和2 問5) |
| 住宅扶助費を貸主に直接払うことはできない | 保護の実施機関が貸主に代理納付できる(令和2 問5) |
| 登録住宅の登録や、居住支援法人の指定をするのは国土交通大臣 | 登録は都道府県知事(指定都市・中核市は市長)、指定も都道府県知事(8条・89条・59条) |
過去問の出題
令和3〜7年度の賃管の過去問で、住宅セーフティネット法が主題の問題は1問(令和7 問23)。令和2年度にも1問あり、ほかの問題の選択肢の1つとしても出ています。
| 区分 | 年度・問 | 出たポイント |
|---|---|---|
| 主題 | 令和7 問23 | 改修と家賃の支援/範囲の限定/規模・構造の基準/住戸単位の登録 |
| 主題 | 令和2 問5 | 範囲の限定/改修費と家賃の支援/代理納付 |
| 選択肢の1つ | 令和5 問48 | 居住支援協議会の構成と支援 |
| 選択肢の1つ | 令和3 問47 | 登録基準への適合 |
| 選択肢の1つ | 令和7 問45・令和4 問45・令和3 問48 | 代理納付の制度を貸主に説明する(経営管理士の役割) |
※問題文と公式の正答から1問ずつ数えたもの。経営管理士の役割の問題は「賃貸不動産経営管理士の役割」の回でも扱っています。令和元年度は公式の正解番号表が手元にないため数えていません。
まとめ|範囲は限れる、25㎡の基準、代理納付と居住支援
- 住宅確保要配慮者=低額所得者・被災者・高齢者・障害者・子どもを育てている人など(外国人などは省令で追加)
- 登録は都道府県知事(指定都市・中核市は市長)。住戸単位でも登録でき、受け入れる範囲を限ることもできる
- 登録には基準がある。各戸の床面積は原則25㎡以上、構造・設備にも基準
- 登録住宅には改修や家賃の支援。生活保護の住宅扶助費は、保護の実施機関が貸主に代理納付できる
- 居住支援法人は都道府県知事が指定。居住支援協議会は地方公共団体が置く。令和7年10月の改正で居住サポート住宅などができた
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出典・参考にした公式資料
- 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(e-Gov法令検索・令和7年10月1日施行の改正後):2条・8条〜10条・13条・17条・21条・40条・53条・59条・62条・72条・81条・89条
- 同法施行規則(e-Gov法令検索):3条・10条〜12条
- 生活保護法(e-Gov法令検索):37条の2
- 国土交通省「住宅セーフティネット制度」:住宅セーフティネット法等の一部を改正する法律等について【関係事業者向け】(令和7年6月)
- 賃貸不動産経営管理士試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答(上の表の問題)
- 賃貸不動産経営管理士試験 令和2年度(問5)の過去問と公式の正答
※写真はイメージです(生成AIで作成)。
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