
重要事項説明は、書面を渡して口で説明します。説明する人は業務管理者でなくてよく、管理業者や宅建業者など8つの相手なら省略できます。賃管では毎年3〜4問出るので、「前は説明あり、あとは渡すだけ」から覚えるのがおすすめ!
この記事は、賃管の勉強を始めたばかりの人に向けて、管理受託契約の重要事項説明と書面を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話でやさしく解説します。
同じ内容は、約3分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|管理受託契約の重要事項説明と書面(約3分)
あおい先生とけんたさんの会話で、2つの書面のちがい・説明する人・省略できる相手・更新・メールで渡すときを確認できます。
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表と過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。
2つの書面|契約の前の重要事項説明と、契約したときの書面
管理会社が渡す書面は2つ
オーナーと管理会社の管理の契約を、管理受託契約といいます(賃貸住宅管理業法12条1項)。
| 項目 | 重要事項説明(13条) | 契約したときの書面(14条) |
|---|---|---|
| いつ | 契約を結ぶ前(説明から契約まで1週間程度あけるのが望ましい) | 契約を結んだら遅れずに |
| 口での説明 | 必要(書面を渡して説明する) | いらない(渡すだけ) |
| だれがする | 業務管理者でなくてよい | ― |
| 省略できる相手 | 管理業者・宅建業者など8つ | なし |
| メールなどで渡す | 承諾があればできる | 承諾があればできる |
| 契約書で代わりに | ― | 書くべき事項がそろえばできる |
※管理業法13条・14条、国土交通省「解釈・運用の考え方」(第13条関係1、第14条第1項関係1)。
説明するのは、業務管理者でなくてよい
説明は、委託を受けようとする管理会社自身が行います。別の会社の従業員には、子会社でも任せられません(解釈・運用の考え方 第13条関係1・令和6 問1)。
オーナーに賃貸経営の知識や経験があっても、十分に説明します(令和3 問1)。
重要事項説明で説明する11項目
説明する事項は、施行規則31条の11項目です。
| 番号 | 説明すること |
|---|---|
| 1 | 商号・名称、登録年月日と登録番号 |
| 2 | 対象の賃貸住宅(所在地・面積・設備など) |
| 3 | 管理業務の内容と実施方法(回数や頻度も) |
| 4 | 報酬の額と、支払の時期・方法 |
| 5 | 報酬に含まれない費用(水道光熱費・空室管理費など) |
| 6 | 一部の再委託(業務の内容と再委託予定者) |
| 7 | 責任と免責(保険で補償される損害に責任を負わないなら、その旨) |
| 8 | オーナーへの定期報告 |
| 9 | 契約期間 |
| 10 | 入居者への周知の方法 |
| 11 | 契約の更新と解除 |
※施行規則31条、国土交通省「解釈・運用の考え方」第13条関係2。令和7 問13では、1・2(面積)・7・11の4つとも「説明しなければならない」が正解でした。
説明がいらないとき|省略できる8つの相手・更新・メールで渡すとき
省略できる8つの相手
専門的な知識と経験があると認められる相手だからです(13条1項)。
| 番号 | 省略できる相手 |
|---|---|
| 1 | 賃貸住宅管理業者 |
| 2 | 特定転貸事業者(サブリース業者) |
| 3 | 宅地建物取引業者 |
| 4 | 特定目的会社 |
| 5 | 組合 |
| 6 | 賃貸住宅の信託の受託者(委託者などが1〜4に当たる場合) |
| 7 | 独立行政法人都市再生機構 |
| 8 | 地方住宅供給公社 |
※管理業法13条1項、施行規則30条。サブリースの重要事項説明も、施行規則44条で同じ8つです(令和6 問37・令和4 問39)。
「オーナーの勤務先が都市再生機構なので省略した」は誤りです(令和5 問1)。相手そのものが8つに当たるかで決まります。
更新や変更のとき
11項目のどれかを変える変更契約も、「契約を結ぼうとするとき」に当たります(解釈・運用の考え方 第13条関係1)。
| ケース | 重要事項説明 | 契約したときの書面 |
|---|---|---|
| 契約の同一性を保ったまま、期間だけを延ばす | いらない(形式的な変更) | いらない |
| 組織運営が変わらない、商号だけの変更 | いらない(形式的な変更) | いらない |
| 報酬・管理業務の内容などを変える | 変わる事項を説明 | 変わる事項の書面を渡す |
| 法律の施行前の契約で、まだ全部の説明・書面をしていない | 全部の事項を説明 | 全部の事項の書面を渡す |
※国土交通省「解釈・運用の考え方」第13条関係1・第14条第1項関係2、令和7 問14・令和6 問3・令和5 問4・令和4 問4。
メールで渡すとき・オンラインで説明するとき
承諾は、使う方法とファイルの形式を示したうえで、書面かメールなど記録に残る方法でもらいます(13条2項・施行令2条・解釈・運用の考え方 第13条関係4)。
- テレビ会議など:映像と音声が十分で双方向にやりとりでき、書面を見ながら聞けるなら、対面と同じ扱いです。
- 電話:できるのは変更契約の説明だけで、オーナーからの依頼などが条件です。
契約したときの書面
書くのは、対象の賃貸住宅・実施方法・契約期間・報酬・更新や解除の定めなどです(14条1項・施行規則35条)。「重要事項説明書と一体の書面にできる」は、正しくない記述でした(令和4 問4)。
試験に出る|ひっかけと過去問16問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 説明は、業務管理者がしなければならない | 業務管理者でなくてよい(令和3 問1・令和6 問1) |
| 説明は、契約とできるだけ近い時期が望ましい | 1週間程度あけるのが望ましい(令和3 問1) |
| 相手が都市再生機構でも、説明がいる | 省略できる(令和6 問1) |
| 期間を延ばすだけの更新でも、書面がいる | 形式的な変更なので、いらない(令和4 問4) |
| 報酬の変更なら、承諾がなくても説明のあとすぐ契約してよい | すぐ契約してよいのは、オーナーが承諾したとき(令和6 問3・令和7 問14) |
| 承諾があれば、電話で説明してよい | 電話は変更契約の説明だけ(令和3 問3) |
| 報酬に含まれる水道光熱費も、説明がいる | 説明するのは、含まれない費用(令和5 問2) |
過去問の出題|直近5年で16問
賃管の過去問(令和3〜7年度)を1問ずつ見ると、この論点の問題は16問でした(令和7年3問・令和6年3問・令和5年4問・令和4年3問・令和3年3問)。
| テーマ | 出た回数 | 出題(年度・問) |
|---|---|---|
| 説明する事項(11項目) | 5問 | 令和7 問13/令和6 問2/令和5 問2/令和4 問1/令和3 問2 |
| 変更・更新のとき | 5問 | 令和7 問14/令和6 問3/令和5 問4/令和4 問4/令和3 問1 |
| メール・テレビ会議・電話 | 5問 | 令和7 問15/令和5 問3/令和4 問2・問4/令和3 問3 |
| 説明する人(業務管理者・自社) | 4問 | 令和7 問14/令和6 問1/令和5 問1/令和3 問1 |
| 契約したときの書面(14条) | 3問 | 令和6 問3/令和5 問4/令和4 問4 |
| 省略できる相手 | 2問 | 令和6 問1/令和5 問1 |
※問題文と公式の正答をもとに、テーマごとに数えました(1問に複数のテーマが入るため、合計は16問より多くなります)。標準管理受託契約書の問題は含めていません。
まとめ|重要事項説明は「契約の前に、書面を渡して口で説明」
- 管理会社が渡す書面は、契約の前の重要事項説明と、契約したときの書面の2つ
- 重要事項説明は、契約の前に書面を渡して口で説明する
- 説明する人は業務管理者でなくてよい(管理・監督の下で、自社が行う)
- 8つの相手なら省略できる。期間を延ばすだけの更新もいらない
- メールなどで渡すには、記録に残る方法での承諾が必要
あわせて読みたい関連論点
出典・参考にした公式資料
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行令(e-Gov法令検索)
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)
- 国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」
- 賃貸不動産経営管理士試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答
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