
期間の決まりがない契約の解約は、大家さんから6か月・借りる人から3か月。この数字はセットで覚えるのがおすすめ!
この記事は、賃管の勉強を始めたばかりの人に向けて、普通建物賃貸借の更新と解約を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話でやさしく解説します。
同じ内容は、約3分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|普通建物賃貸借(約3分)
あおい先生とけんたさんの会話で、期間のルール・大家さんが更新しないための通知と正当事由・期間の決まりがない契約の解約を確認できます。
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表と過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。
普通建物賃貸借ってなに?|期間のルール
賃管の問題では、「定期建物賃貸借でも一時使用目的の賃貸借でもない建物賃貸借」を、普通建物賃貸借と呼んでいます(令和7 問28の問題文)。
更新や解約のルールは借地借家法の26〜29条にあり、これに反する特約で借りる人に不利なものは無効です(30条)。
期間のルール
| 期間の決め方 | どうなる? |
|---|---|
| 1年以上(例:2年) | そのまま有効 |
| 1年より短い(例:6か月) | 期間の決まりがない契約とみなされる |
| 50年を超える | 有効。民法の「50年まで」は、建物の賃貸借には当てはまらない |
| 期間を決めない | 契約は成り立つ。期間の決まりがない契約になる |
| (参考)定期建物賃貸借 | 1年より短い期間も有効 |
※借地借家法29条・38条1項、民法604条・617条、令和6 問21・令和7 問4(公式の正答)。
期間の決まりがない契約は、期間の満了では終わりません。終わらせるには、あとで説明する解約の申し入れをします(民法617条)。
大家さんが契約を終わらせるには|通知・正当事由・解約
更新しないための通知
通知をしても、それで終わりとは限りません。期間が終わったあとも借りる人が住み続け、大家さんが遅れずに異議を言わなかったときも、更新したものとみなされます(26条2項)。
| ケース | 結果 |
|---|---|
| 1年前から6か月前までに「更新しない」と通知した(正当事由あり) | 期間が終わると、契約も終わる |
| 通知をしなかった(6か月前を過ぎてからの通知も同じ) | 前と同じ条件で更新。期間の決まりはなくなる |
| 正当事由がない | 更新しない通知ができないので、更新される |
| 通知はしたが、期間後も住み続けるのに、大家さんが遅れずに異議を言わない | 更新したものとみなされる |
※借地借家法26条1項・2項、28条。
正当事由で考えること
| 条文が挙げる材料 | やさしく言うと |
|---|---|
| 建物の使用を必要とする事情(大家さん・借りる人の両方) | それぞれが、その建物を使う必要性(中心になる材料) |
| 建物の賃貸借に関する従前の経過 | これまでのいきさつ |
| 建物の利用状況・建物の現況 | 建物の使い方や、建物の状態 |
| 財産上の給付をする旨の申出 | 立退料を払う申し出(補う材料) |
※借地借家法28条。「使う必要性が中心で、立退料は補う材料」という整理は、令和6 問21・令和7 問5の公式の正答にもとづきます。
立退料の申し出は、使う必要性などとあわせて考えられる材料の一つです。立退料だけで正当事由が決まるわけではありません。
期間の決まりがない契約の解約
| 申し入れる人 | 契約が終わるのは | 正当事由 |
|---|---|---|
| 大家さん | 申し入れの日から6か月たったとき | 必要 |
| 借りる人 | 申し入れの日から3か月たったとき | いらない |
※大家さん=借地借家法27条1項・28条、借りる人=民法617条1項2号。
期間の決まりがある契約で、途中で解約できるという約束(特約)がない場合は、借りる人でも期間の途中では解約できません(令和7 問5・民法618条)。
試験に出る|ひっかけと過去問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 大家さんの更新しない通知は、期間が終わる3か月前まででよい | 1年前から6か月前までに通知する(26条1項) |
| 期間を1年より短くすると、その期間で契約が終わる | 期間の決まりがない契約になる(29条1項) |
| 建物の賃貸借の期間は、50年を超えられない | 民法の50年の上限は当てはまらない(29条2項・令和6 問21) |
| 更新しないと通知すれば、借りる人が住み続けても契約は終わる | 大家さんが遅れずに異議を言わないと、更新したものとみなされる(26条2項・令和6 問21) |
| 正当事由は、立退料の申し出が中心になる | 中心は双方の使う必要性。立退料は補う材料(28条・令和7 問5) |
| 期間の決まりがない契約で、借りる人が解約を申し入れると、6か月後に終わる | 3か月後に終わる(民法617条・令和7 問5) |
| 期間が終わったら解約する、という特約をつければ更新を防げる | 借りる人に不利な特約なので無効(30条・令和6 問4) |
| サブリースなら、オーナーは正当事由なしで更新を断れる | サブリースでも正当事由が必要(令和7 問2) |
過去問の出題|令和3〜7年度
令和3〜7年度の過去問を1問ずつ見ると、普通建物賃貸借の期間・更新・解約が中心の問題は2問でした。ほかの問題の選択肢としても3問で出ています。
| 出題 | その問題のテーマ | 出たポイント |
|---|---|---|
| 令和7 問5 | 賃貸借契約の終了 | 正当事由と立退料、期間の途中の解約、借りる人からの解約(3か月) |
| 令和6 問21 | 契約期間と更新 | 50年の上限、期間は成立の条件か、通知後の使用継続と異議、立退料 |
| 令和7 問2(選択肢ア) | サブリース | オーナーが更新を断るにも正当事由が必要 |
| 令和6 問4(選択肢d) | 賃貸借契約の有効性 | 期間満了時に解約するという特約は無効 |
| 令和4 問28(選択肢ア) | 建物賃貸借と使用貸借 | 法定更新があるのは建物賃貸借だけ |
※問題文と公式の正答をもとに数えたものです。定期建物賃貸借の問題(各年1問・計5問)と、賃料の増減額の問題は、別の記事で扱います。
まとめ|普通建物賃貸借は「通知・正当事由・6か月と3か月」
- 普通建物賃貸借は、借地借家法で借りる人が強く守られる
- 1年より短い期間は、期間の決まりがない契約になる
- 大家さんが更新しないには、1年前から6か月前までの通知と、正当事由が必要
- 通知がない・正当事由がないと、前と同じ条件で更新。期間の決まりはなくなる
- 期間の決まりがない契約の解約は、大家さんから6か月・借りる人から3か月
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出典・参考にした公式資料
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