
登録した会社は、営業所ごとに業務管理者を置き、契約の前に書面で重要事項を説明します。賃管では毎年8〜12問出る中心の分野なので、まずこの3つから押さえるのがおすすめ!
この記事は、賃管の勉強を始めたばかりの人に向けて、賃貸住宅管理業法のきほんを、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話でやさしく解説します。
同じ内容は、約3分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|賃貸住宅管理業法のきほん(約3分)
あおい先生とけんたさんの会話で、登録が必要な会社・業務管理者・契約の前の重要事項説明・そのほかの主なルールを確認できます。
▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ
表と過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。
どんな法律?|管理の仕事と、登録が必要な会社
「管理業務」に当たる仕事
管理業務は、部屋の点検・清掃・修繕(維持保全)と、それとあわせて行う家賃などのお金の管理です(2条2項)。
点検から修繕までを一貫して行う場合が維持保全です。分譲マンションの1室だけでも当たります。一方、家賃の集金だけ、苦情対応だけ、共用部分やエレベーターなど一部分だけの点検・修繕は、管理業務に当たりません(解釈・運用の考え方・令和5 問32・令和6 問30)。
登録が必要な会社
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 登録が必要な会社 | 管理する部屋が200戸以上(国土交通大臣の登録) |
| 200戸未満の会社 | 義務はない。登録すれば、同じルールを守る(国は登録を勧めている) |
| 有効期間 | 5年。更新の申請は満了の90日前から30日前まで |
| 一時的にでも200戸以上になったら | 登録を受けていなければ営業できない(申請中でも不可) |
| 登録せずに営業したら | 1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金(両方のことも) |
※賃貸住宅管理業法3条・41条、施行規則3条・4条、国土交通省「解釈・運用の考え方」(第3条第1項関係)、令和7 問8。「懲役」は2025年6月1日から「拘禁刑」になりました。
登録した会社のルール|業務管理者・重要事項説明ほか
営業所ごとに業務管理者を1人以上
業務管理者は、契約の書面や家賃の管理、定期報告などを管理・監督する人です(12条1項・施行規則13条)。
なれるのは、管理の実務が2年以上(または代わりの講習を修了)で、賃管に合格して登録した人か、指定の講習を修了した宅建士です(施行規則14条・令和5 問42)。
ほかの営業所との兼任はできませんが、宅建士の仕事との兼務はできます(12条3項・解釈・運用の考え方)。全員がいなくなったら、新しく選ぶまで管理受託契約を結べません(12条2項)。
契約の前の重要事項説明と、契約したときの書面
ただし、業務管理者の管理・監督の下で、管理会社自身が行います。別の会社には任せられません(解釈・運用の考え方・令和6 問1)。
| 項目 | 重要事項説明(13条) | 契約したときの書面(14条) |
|---|---|---|
| いつ | 契約を結ぶ前 | 契約を結んだら、遅れずに |
| 口での説明 | 必要 | いらない(渡すだけ) |
| だれがする | 業務管理者でなくてよい(業務管理者の管理・監督の下で) | ― |
| 省略できる相手 | 管理業者・宅建業者・都市再生機構などの専門家 | なし |
| 主な中身 | 管理業務の内容と実施方法(回数や頻度も)、報酬、再委託、責任と免責 など | 対象の物件・実施方法・契約期間・報酬 など |
| 契約書で代わりにできる? | ― | 記載事項がそろった契約書ならできる |
※管理業法13条・14条、施行規則30条・31条・35条、国土交通省「解釈・運用の考え方」。説明から契約までは、1週間程度あけるのが望ましいとされています。
契約の途中で報酬などを変えるときも、変わる点の説明と書面が必要です。期間を延ばすだけといった形式的な変更なら、いりません(解釈・運用の考え方)。
そのほかの主なルール
| ルール | 中身 |
|---|---|
| 再委託の制限(15条) | 一部なら任せられる。全部を任せるのはダメ(分けて全部も不可) |
| 分別管理(16条) | 預かった家賃などは会社のお金と口座を分け、どの契約のお金か帳簿でわかるようにする |
| 従業者証明書・標識(17・19条) | 従業者に証明書を持たせ、求められたら見せる。営業所ごとに標識を掲げる |
| 帳簿(18条) | 営業所・事務所ごとに備え、事業年度の末日で閉じて5年間保存する |
| 定期報告(20条) | 契約日から1年を超えない期間ごとと期間満了後に、管理業務報告書(実施状況・苦情の対応状況など)を渡して説明する |
| 秘密を守る(21条) | 仕事で知った秘密を漏らさない。やめたあとも同じ |
※管理業法15〜21条、施行規則36条・38条・40条、国土交通省「解釈・運用の考え方」(第15条・第16条関係)。
試験に出る|ひっかけと過去問51問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 重要事項説明は、業務管理者がしなければならない | 業務管理者でなくてよい。ただし、業務管理者の管理・監督の下で行う(令和3 問1・令和6 問1) |
| 200戸未満の会社は、登録しても法律のルールは関係ない | 登録すれば、ほかの登録業者と同じルールを守る(令和7 問8・令和5 問29) |
| 任せる先が登録業者なら、管理の仕事を全部任せてよい | 全部の再委託はできない(令和3 問31・令和7 問11) |
| 帳簿は、本店にまとめて置けばよい | 営業所・事務所ごとに置く(令和6 問28) |
| 定期報告は口頭でもよく、業務管理者がしなければならない | 管理業務報告書を渡して説明する。業務管理者でなくてよい(令和7 問25) |
過去問の出題|直近5年で51問
賃管の過去問(令和3〜7年度)を1問ずつ数えると、管理業法の管理会社のルールの問題は51問でした(令和7年9問・令和6年11問・令和5年12問・令和4年11問・令和3年8問)。
| テーマ | 問題数 | 出題(年度・問) |
|---|---|---|
| 重要事項説明(13条) | 14問 | 令和7 問13〜15/令和6 問1〜3/令和5 問1〜3/令和4 問1・2/令和3 問1〜3 |
| 登録(3〜9条ほか) | 8問 | 令和7 問8・9/令和6 問26/令和5 問29・31/令和4 問31・34/令和3 問32 |
| 証明書・帳簿・標識・秘密、監督など | 8問 | 令和7 問11/令和6 問27〜29/令和5 問28・30/令和4 問8/令和3 問31 |
| 「賃貸住宅」「管理業務」とは(2条) | 5問 | 令和6 問30/令和5 問32/令和4 問33/令和3 問29・30 |
| 業務管理者(12条) | 4問 | 令和7 問10/令和6 問31/令和5 問27/令和4 問30 |
| 定期報告(20条) | 4問 | 令和7 問25/令和6 問8/令和5 問8/令和4 問6 |
| 分別管理(16条) | 3問 | 令和6 問19/令和5 問18/令和4 問21 |
| 標準管理受託契約書 | 3問 | 令和7 問16/令和4 問3/令和3 問5 |
| 契約したときの書面(14条) | 2問 | 令和5 問4/令和4 問4 |
※問題文と公式の正答をもとに、テーマごとに数えたものです。サブリースの部分(28〜36条)と、民法の委任・請負を問う問題は含めていません。
まとめ|管理業法は「200戸・業務管理者・重要事項説明」から
- 賃貸住宅管理業法は、オーナーから管理を任される会社の仕事のルール
- 管理する部屋が200戸以上なら国土交通大臣の登録。5年ごとに更新
- 営業所・事務所ごとに、業務管理者を1人以上置く
- 契約の前に、書面を渡して重要事項を説明。説明する人は業務管理者でなくてもよい
- 賃管では直近5年で51問。重要事項説明と登録が得点源
あわせて読みたい関連論点
出典・参考にした公式資料
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)
- 国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」
- 賃貸不動産経営管理士試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答
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