
管理会社は、仕事を全部まとめて任せない、家賃を分けて管理する、などのルールも守ります。毎年出るので、「営業所ごと・兼任なし」から押さえるのがおすすめ!
この記事は、賃管の勉強を始めたばかりの人に向けて、業務管理者と、管理会社が守る業務のルールを、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話でやさしく解説します。
同じ内容は、約3分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|業務管理者と業務のルール(約3分)
あおい先生とけんたさんの会話で、業務管理者になれる人・営業所ごとの置き方・再委託・分別管理・定期報告を確認できます。
▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ
表と過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。
業務管理者ってだれ?|なれる人と、営業所ごとに1人以上
業務管理者になれる人
| 要件 | 中身 |
|---|---|
| 資格 | 賃管の試験(登録証明事業の試験)に合格し、その証明を受けた人/宅建士で、国土交通大臣が指定する講習を修了した人 |
| 実務の経験 | 管理業務の実務が2年以上。2年の実務に代わる講習の修了などでもよい |
| なれない人 | 破産して復権を得ていない人、拘禁刑以上の刑や管理業法の罰金の刑を受けて5年たたない人など |
※賃貸住宅管理業法12条4項・6条1項、施行規則14条、国土交通省「解釈・運用の考え方」第12条関係3・4、令和5 問42。
営業所や事務所ごとに1人以上
本店・支店などの名前は問わず、継続的な営業の拠点として実態がある施設が当たります(解釈・運用の考え方 第4条第1項関係2・令和5 問27)。
人数は1人以上で、戸数や従業員の数では決まらず、必要な数を置くのが望ましいとされます(第12条関係1)。宅建士の仕事との兼務はできます(第12条関係2・令和6 問31)。
置くのは、登録を受けた管理会社(2条3項)の営業所すべてです。営業所ごとの戸数は関係ありません。
| 会社 | 営業所 | 業務管理者 |
|---|---|---|
| A社(全体500戸・登録あり) | 本店(450戸) | 必要 |
| A社 | 支店(50戸) | 必要(営業所ごとの戸数は関係ない) |
| B社(150戸・登録なし) | 本店 | 義務なし(登録業者ではない) |
| C社(150戸・自分から登録) | 本店 | 必要(登録すれば同じルール) |
※管理業法2条3項・3条1項・12条1項、施行規則3条、解釈・運用の考え方 第3条第1項関係1。200戸の登録は管理業法のきほんで解説しています。
業務管理者がいなくなったら
12条2項が止めるのは、新しく選ぶまでの契約の締結です。「全員」がいなくなったときのルールなので、2人のうち1人が辞めても契約は結べます(令和7 問10)。
いないのに契約を結ぶと、30万円以下の罰金です(44条3号)。
業務管理者が管理・監督すること
対象は、重要事項説明と契約の書面、維持保全とお金の管理、帳簿、定期報告、秘密を守ること、苦情の処理です(施行規則13条)。全部を自分で行う役目ではありません(令和3 問43)。
管理会社が守るルール|再委託・分別管理・定期報告ほか
再委託は一部だけ
複数の会社に分けて全部を任せるのもダメです(15条・第15条関係1)。再委託先は登録業者でなくてよいですが、責任を負うのは元の管理会社で、再委託先を指導・監督します(第15条関係2・令和5 問28)。
預かったお金は分別管理
家賃などの口座を会社の口座と分け、どの契約のお金か帳簿ですぐわかるようにします(16条・施行規則36条)。家賃などの口座は、オーナーごとに分けず1つでも構いません(第16条関係・令和4 問21)。
証明書・帳簿・標識・秘密
| ルール | 中身 |
|---|---|
| 従業者証明書(17条) | 業務に従事する人に携帯させ、請求があれば見せる。内部の事務だけの人はいらない |
| 帳簿(18条) | 営業所・事務所ごとに備え、事業年度の末日で閉じて5年間保存 |
| 標識(19条) | 営業所・事務所ごとに、公衆の見やすい場所に掲げる |
| 秘密を守る(21条) | 仕事で知った秘密を漏らさない。やめたあとも同じ。再委託先など、直接雇われていない人も含む |
※管理業法17〜19条・21条、施行規則38条3項、解釈・運用の考え方 第17条関係・第21条第2項関係、令和6 問27・問28・令和4 問8。
オーナーへの定期報告
| 項目 | ルール |
|---|---|
| いつ | 契約した日から1年を超えない期間ごとと、期間の満了後に遅れずに |
| 何を | 管理業務報告書に、対象の期間・管理業務の実施状況・入居者の苦情の発生と対応の状況を書く |
| どうやって | 報告書を交付して説明。方法は問わないが、オーナーが理解したことを確かめる |
| だれが | 業務管理者でなくてよい |
※管理業法20条、施行規則40条、解釈・運用の考え方 第20条関係、令和7 問25・令和6 問8・令和5 問8・令和4 問6。
試験に出る|ひっかけと過去問18問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| やむを得ないときは、ほかの営業所の業務管理者を兼ねられる | 兼任できない(12条3項・令和5 問27) |
| 2人のうち1人が辞めたら、新しい契約は結べない | 結べないのは、全員いなくなったとき(令和7 問10) |
| いなくなったら、管理の仕事そのものができない | 止まるのは新しい契約の締結(令和4 問30) |
| 電話の取次ぎだけの施設にも、業務管理者がいる | 営業所に当たらない(令和6 問31) |
| 破産して復権を得ていない人もなれる | なれない(令和7 問10・令和3 問32) |
| 再委託先が登録業者なら、全部任せてよい | 全部はできない(令和7 問11・令和3 問31) |
| 定期報告は口頭でよく、業務管理者がする | 報告書を交付して説明。業務管理者でなくてよい(令和7 問25) |
過去問の出題|直近5年で18問
賃管の過去問(令和3〜7年度)を1問ずつ見ると、この論点の問題は18問でした(令和7年3問・令和6年6問・令和5年4問・令和4年4問・令和3年1問)。
| テーマ | 出た回数 | 出題(年度・問) |
|---|---|---|
| 業務管理者(12条) | 4問 | 令和7 問10/令和6 問31/令和5 問27/令和4 問30 |
| 定期報告(20条) | 4問 | 令和7 問25/令和6 問8/令和5 問8/令和4 問6 |
| 分別管理(16条) | 4問 | 令和6 問19/令和5 問18/令和4 問21/令和3 問31 |
| 従業者証明書(17条) | 4問 | 令和7 問11/令和6 問27/令和5 問28/令和3 問31 |
| 再委託(15条) | 3問 | 令和7 問11/令和5 問28/令和3 問31 |
| 帳簿(18条) | 2問 | 令和6 問28/令和3 問31 |
| 秘密を守る(21条) | 2問 | 令和5 問27/令和4 問8 |
| 標識(19条) | 1問 | 令和6 問29 |
※問題文と公式の正答をもとに、テーマごとに数えました(1問に複数のテーマが入るため、合計は18問より多くなります)。
まとめ|業務管理者は「営業所ごと・兼任なし」
- 業務管理者は、登録した管理会社の営業所・事務所ごとに1人以上。兼任はできない
- なれるのは、賃管の証明を受けた人か講習を修了した宅建士で、実務2年以上(または講習)
- 全員いなくなったら、新しく選ぶまで、その営業所で新しい契約は結べない
- 再委託は一部だけ。預かった家賃は分別管理。帳簿は営業所ごとに5年保存
- オーナーには、1年を超えない期間ごとに報告書を渡して説明する
あわせて読みたい関連論点
出典・参考にした公式資料
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)
- 国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」
- 賃貸不動産経営管理士試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答
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