管業攻略ノート

義務違反者への措置をやさしく解説|行為の停止・使用禁止・競売・引渡し請求(令和8年改正)【管業攻略ノート】

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義務違反者への措置|管業攻略ノート

マンションで、迷惑な行為を続ける人がいたら、どうしますか?
けんた
けんた
まずは結論
共同の利益に反する行為をする人には、軽い順に行為の停止→使用の禁止→競売を請求でき、借りて住んでいる人には契約の解除と引渡しを求めます。停止の訴えは普通の決議、ほかの3つは令和8年4月から出席者の各4分の3以上(各過半数の出席が条件)で、弁明の機会もいります。

「借りている人に使用の禁止はできない」「弁明の機会は借りている人に」を覚えるのがおすすめ!

この記事は、管理業務主任者(管業)とマンション管理士(マン管)の勉強を始めたばかりの人に向けて、区分所有法の義務違反者への措置を、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話で、写真と図を見ながらやさしく解説します。

同じ内容は、約4分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。

✍ この記事を書いた人:ごりへい(宅建士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・FP2級)
海外から宅建に一発合格、賃管・管業もダブル合格。不動産業の実務経験あり。 ▶ プロフィール

動画で学ぶ|義務違反者への措置(約4分)

あおい先生とけんたさんの会話で、共同の利益に反する行為と4つの請求、行為の停止、使用の禁止と競売(令和8年4月からの決議)、借りている人への引渡し請求を確認できます。

▼ 読んで学びたい人は、このまま下へ

図と表、改正前との比べ方、過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。

 

共同の利益に反する行為と4つの請求

この章の答え建物の保存に有害な行為や共同の利益に反する行為は禁止。借りて住んでいる人も同じで、区分所有法は4つの請求を用意しています。

してはいけない行為

マンションの外廊下

共用部分を壊すなど、共同の利益に反する行為は禁止(写真はイメージ)

あおい先生
あおい先生
区分所有者は、建物の保存に有害な行為や、区分所有者の共同の利益に反する行為を、してはいけません。部屋を借りて住んでいる占有者も、同じです。
あおい先生
あおい先生
たとえば、共用部分を壊したり、部屋にゴミをため込んで、悪臭で周りに迷惑をかけたりする行為です。
あおい先生
あおい先生
こうした人に対して、区分所有法は、4つの請求を用意しています。行為の停止、使用の禁止、競売、そして、借りている人への引渡しです。

区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他の、建物の管理・使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならず、この規定は占有者(借りて住んでいる人など)にも準用されます(区分所有法6条1項・3項)。

1行為の停止は集会の決議(出席者の各過半数)、2使用の禁止と3競売は出席者の各4分の3と弁明の機会、4引渡しは借りている人に対して契約の解除と引渡し

軽い順に、行為の停止→使用の禁止→競売。借りている人には引渡し

 

行為の停止・使用の禁止・競売|決議と弁明の機会

この章の答え停止の訴えは普通の決議。使用の禁止と競売は、令和8年4月から各過半数が出席して出席者の各4分の3以上で、弁明の機会もいります。

行為の停止の請求

1つ目の、行為をやめさせる請求は、どう決めますか?
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
行為の停止や、結果の除去、予防の請求は、他の区分所有者の全員か、管理組合法人ができます。裁判で請求するときは、集会の決議がいります。出席者の各過半数の、普通の決議です。
あおい先生
あおい先生
管理者や、集会で指定された区分所有者が、集会の決議で、みんなのために、訴えを起こせます。

使用の禁止と競売

あおい先生
あおい先生
2つ目は、使用の禁止です。共同生活の障害が著しく、行為の停止の請求では、解決が難しいとき、裁判で、相当の期間、部屋の使用の禁止を、求めることができます。
あおい先生
あおい先生
使用の禁止の決議は、区分所有者と議決権の、各過半数が出席して、出席者の各4分の3以上です。改正前は、集会に来なかった人も含めた、全体の4分の3でした。
あおい先生
あおい先生
決議の前には、その区分所有者に、弁明の機会を与えます。部屋を使えなくなるという、重い結果になるからです。
あおい先生
あおい先生
3つ目は、競売です。ほかの方法では解決が難しいとき、裁判で、その人の区分所有権と敷地利用権の、競売を請求できます。決議と、弁明の機会は、使用の禁止と同じです。
あおい先生
あおい先生
判決が確定してから、6か月を過ぎると、競売の申立てはできません。また、本人や、本人のために買おうとする人は、買い受けの申出ができません。本人が買い戻せたら、また同じことが、起きてしまうからです。
請求 できるとき 決め方 根拠
行為の停止・結果の除去・予防 共同の利益に反する行為をした・するおそれがある 裁判の外ならいつでも。訴えは集会の決議(出席者の各過半数) 57条1項・2項
使用の禁止(相当の期間) 共同生活上の障害が著しく、停止の請求では困難 訴えで。各過半数が出席し出席者の各4分の3以上+弁明の機会 58条/マン管 令和6 問9 a(誤り)
競売(区分所有権+敷地利用権) 障害が著しく、ほかの方法では困難 使用の禁止と同じ。判決確定から6か月で申立て不可。本人・本人の計算で買う人は買受け不可 59条/マン管 令和6 問8 イ(正しい)
訴えを起こす人 管理者・集会で指定された区分所有者が、集会の決議で全員のために — 57条3項・58条4項/マン管 令和5 問8 a

※区分所有法57条〜59条(令和8年4月1日施行)と、公式の正答をもとに整理。改正前の58条2項(59条・60条で準用)は「区分所有者及び議決権の各4分の3以上」で、集会に来なかった人も含めた全体で数えていました。

 

借りている人への引渡し請求

この章の答え借りて住んでいる人には使用の禁止はできず、契約の解除と部屋の引渡しを求めます。決議は使用の禁止と同じで、弁明の機会は借りている人に与えます(判例)。

契約の解除と引渡し

部屋を借りている人が、迷惑な行為をしたら、どうしますか?
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
借りている人には、使用の禁止ではなく、4つ目の請求をします。部屋を貸す契約を解除して、部屋の引渡しを求めるものです。決議は、使用の禁止と同じです。
あおい先生
あおい先生
弁明の機会は、判例では、借りている人に与えればよいとされています。
ルール 中身 根拠
請求する人 区分所有者の全員(貸している区分所有者も含む)または管理組合法人 60条1項/マン管 令和4 問9 エ(誤り)
請求の中身 占有者が使う契約の解除と、専有部分の引渡し(使用の禁止は請求できない) 60条1項/マン管 令和6 問9 c(正しい)
決議 使用の禁止と同じ(各過半数が出席し、出席者の各4分の3以上) 60条2項・58条2項
弁明の機会 借りている人(占有者)に与えればよく、貸している区分所有者に与える必要はない 判例(最判昭和62年7月17日)
引渡しを受けた人 遅滞なく、占有する権原のある人(貸している区分所有者など)に引き渡す 60条3項

※区分所有法60条と判例、公式の正答をもとに整理。弁明の機会の相手は条文ではなく判例にもとづく内容です。

 

試験に出る|ひっかけと過去問

この章の答え「決議の割合」「弁明の機会の相手」「借りている人に使用の禁止ができるか」「使用の禁止の要件」がよく問われます。

よく出るひっかけ

ひっかけ 正しくは
借りて住んでいる人に、使用の禁止を請求できる できない。契約の解除と引渡しを求める(マン管 令和6 問9 c)
使用の禁止は、停止の請求に任意に従わない場合にはじめて認められる 停止の請求では障害の除去が困難なとき(マン管 令和6 問9 a)
使用の禁止の決議は、各3分の2以上でよい 4分の3以上(令和8年4月からは出席者で数える。マン管 令和4 問9 イ)
引渡し請求は、貸している区分所有者以外の全員が請求する 区分所有者の全員(貸している人も含む)(マン管 令和4 問9 エ)
競売の決議の前に、弁明の機会は不要 弁明の機会が必要(マン管 令和6 問8 イ)
弁明の機会は、貸している区分所有者にも与えなければならない 判例では借りている人に与えればよい

過去問の出題

令和3〜7年度の過去問で、義務違反者への措置が主題の問題はマン管で2問です。ほかに、管理費の滞納・ゴミのため込み・共用設備の破損などの問題の肢として、マン管で3問、管業で1問に出ています。

試験 年度・問 出たポイント
マン管 令和6 問9 使用の禁止の請求(要件・賃貸・占有者・強制執行)
マン管 令和4 問9 停止・使用禁止・競売・引渡しの決議と請求する人
マン管 令和6 問8 管理費の滞納と競売の請求(弁明の機会)
マン管 令和5 問8 ゴミのため込みと訴え(集会の決議)
マン管 令和6 問30 集会室の共用設備の破損と停止の請求(標準管理規約も)
管業 令和5 問37 規約違反・義務違反への対応(使用の禁止の弁明の機会)

※問題文と公式の正答から1問ずつ数えたもの(令和3〜7年度、マン管・管業とも各年50問)。決議の割合を問う肢は、令和8年4月からは出席者で数える点に注意。

 

まとめ|停止は過半数、使用禁止・競売・引渡しは出席者の4分の3と弁明

まとめ
  1. 共同の利益に反する行為は禁止。借りて住んでいる人(占有者)も同じ
  2. 行為の停止・除去・予防の訴えは、集会の普通の決議(出席者の各過半数)
  3. 使用の禁止・競売は、各過半数が出席して出席者の各4分の3以上+弁明の機会(改正前は全体の4分の3)
  4. 競売は判決確定から6か月以内に申立て。本人・本人の計算で買う人は買い受けられない
  5. 借りている人には契約の解除と引渡し(使用の禁止は不可)。弁明の機会は借りている人に(判例)
「借りている人には引渡し」と「4分の3と弁明の機会」で、整理できました!
けんた
けんた
あおい先生
あおい先生
4つの請求の順番と、決議の割合をセットで覚えましょう。次は、建物の復旧と建替え、団地のルールです。

あわせて読みたい関連論点

出典・参考にした公式資料

  • 建物の区分所有等に関する法律(e-Gov法令検索):6条・57条〜60条(令和8年4月1日施行)、改正前の58条2項
  • 最高裁判所 昭和62年7月17日判決(占有者に対する引渡し請求の弁明の機会)
  • マンション管理士試験・管理業務主任者試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答(上の表の問題)

※令和8年度試験の基準日(令和8年4月1日)時点の規定です。※写真はイメージです(生成AIで作成)。


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ごりへい

宅建・賃管・管業・FP2級など複数の資格を取得。学習法や合格体験をもとに、不動産業やキャリア形成に役立つ情報を発信中。実務と資格の両面から「キャリアアップを応援!」をテーマにブログを運営しています。

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