
亡くなると保証する金額が確定し、契約が更新されても保証はふつう続きます。賃管では直近5年で4問出ているので、「個人か会社か」で整理して覚えるのがおすすめ!
この記事は、賃管の勉強を始めたばかりの人に向けて、賃貸借の保証のルールを、あおい先生と、不動産会社に入ったばかりのけんたさんの会話でやさしく解説します。
同じ内容は、約3分の動画でも紹介しています(目次のすぐ下)。
動画で学ぶ|賃貸借の保証(約3分)
あおい先生とけんたさんの会話で、保証の契約の書き方・連帯保証人・極度額・金額が確定するとき・更新後の保証を確認できます。
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表と過去問の出題まで、記事でくわしく解説しています。
保証人ってなに?書面のルールと連帯保証人
保証人は、借りる人が家賃を払わないときに、代わりに払う人です。民法446条2項は、保証の契約は書面でしなければ効力が生じないとしています。
電子の記録(電磁的記録)でした契約も、書面でしたものとみなされます(446条3項)。この書面のルールは、保証人が個人でも会社でも同じです。
ふつうの保証人と連帯保証人
| できること | ふつうの保証人 | 連帯保証人 |
|---|---|---|
| 「まず借りる人に請求して」と言う(催告の抗弁・452条) | 言える | 言えない |
| 「先に借りる人の財産から取って」と言う(検索の抗弁・453条) | 借りる人に払う力があり、取り立てが簡単なことを証明すれば言える | 言えない |
※民法452条・453条・454条(e-Gov法令検索)。454条は、借りる人と連帯して保証した人は、この2つを言えないとしています。
賃管の過去問でも、保証がメインの問題は4問とも連帯保証人の問題でした。
極度額ってなに?個人と会社でちがうルール
賃貸借の保証は、これから生まれる家賃などをまとめて保証する根保証です。保証人が個人なら、民法465条の2のルールが当てはまります。
極度額は、家賃・利息・違約金・損害賠償などの全部を合わせた上限です(465条の2第1項)。極度額を決めないと効力が生じず(同2項)、極度額も書面か電子の記録で決める必要があります(同3項)。
口で極度額を合意しただけでは足りません(令和4年度問27・公式の正答)。過去問の4問では、すべて極度額が問われています。
465条の2は、保証人が法人でない場合のルールだからです。書面のルール(446条)は、会社にも当てはまります。
| ルール | 個人が保証人 | 会社(法人)が保証人 |
|---|---|---|
| 書面か電子の記録で契約する(446条2項・3項) | 必要 | 必要 |
| 極度額を決める(465条の2) | 必要(決めないと無効) | いらない |
| 亡くなるなどで保証する金額が確定する(465条の4) | 当てはまる | 当てはまらない(個人の根保証のルール) |
| 求められたら大家さんが支払い状況を教える(458条の2) | 当てはまる(借りる人に頼まれた保証人) | 当てはまる(同じ) |
| 事業のための賃貸借で、借りる人が自分の財産の状況などを伝える(465条の10) | 当てはまる | 当てはまらない(同条3項) |
※民法446条・458条の2・465条の2・465条の4・465条の10(e-Gov法令検索)。
保証する金額が確定するとき
借りる人が亡くなって相続人が住み続ける場合でも、亡くなったあとの家賃は保証の対象になりません(465条の4第1項)。
| できごと | 保証する金額は確定する? |
|---|---|
| 借りる人が亡くなった | 確定する(465条の4第1項3号) |
| 保証人が亡くなった | 確定する(同3号) |
| 保証人が破産手続開始の決定を受けた | 確定する(同2号) |
| 大家さんが、保証人の財産に強制執行などを申し立てた | 確定する(同1号。手続が始まったときに限る) |
| 借りる人が破産した・借りる人の財産に強制執行 | 賃貸借の保証では確定しない(同条2項はお金を借りる債務の保証だけ) |
※民法465条の4(e-Gov法令検索)。
契約が更新されたとき
これは条文ではなく、判例の考え方です。判例は、建物の賃貸借の保証人は、特別な事情がない限り、更新後の家賃などについても責任を負うとしています。
保証人に伝えられる情報
| ルール | だれが・だれに | 伝える中身 |
|---|---|---|
| 458条の2 | 大家さんが、借りる人に頼まれた保証人に(求められたとき) | 不払いがあるか、残りの額、支払期限が来ている額 |
| 465条の10 | 借りる人が、保証人になる人に(事業のための債務の保証を頼むとき) | 財産と収支の状況、ほかの借金や担保 |
※民法458条の2・465条の10(e-Gov法令検索)。465条の10は、保証人が会社のときは当てはまりません。
試験に出る|ひっかけと過去問4問
よく出るひっかけ
| ひっかけ | 正しくは |
|---|---|
| 会社が保証人でも、極度額を決めないと無効 | 極度額のルールは個人だけ。会社ならいらない(令和7 問30・令和3 問27) |
| 極度額は、口で合意すればよい | 極度額も書面か電子の記録で決める(465条の2第3項・令和4 問27) |
| 連帯保証人も「まず借りる人に請求して」と言える | 言えない(454条・令和7 問28・令和3 問27) |
| 保証人に払ってもらうには、先に賃貸借を解除する | 解除しなくても請求できる(令和6 問24) |
| 賃貸借が法定更新されると、保証契約も法定更新される | 保証契約が更新されるのではない。保証は特別な事情がない限り続く(判例・令和4 問27) |
| 大家さんは、個人情報を理由に支払い状況を教えなくてよい | 頼まれて保証人になった人から求められたら、教える(458条の2・令和4 問27・令和6 問24) |
| 借りる人が亡くなっても、保証する金額は確定しない | 確定する(465条の4・令和4 問27) |
| 連帯保証人は、借りる人と連絡がとれなければ賃貸借を解除できる | 解除を任されていなければ、解除できない(令和7 問30) |
過去問の出題|直近5年で4問
賃管の過去問(令和3〜7年度)を1問ずつ見ると、保証がメインの問題は4問ありました(令和7・6・4・3年度に1問ずつ)。このほか、選択肢の1つで保証が出た問題が3問あります。
| 区分 | 出題(年度・問) | 問われたこと |
|---|---|---|
| 保証がメイン | 令和7 問30 | 会社が連帯保証人のとき(極度額・情報・解除) |
| 保証がメイン | 令和6 問24 | 電子の記録・請求と解除・極度額・情報 |
| 保証がメイン | 令和4 問27 | 法定更新・口での極度額・情報・借りる人の死亡 |
| 保証がメイン | 令和3 問27 | 検索の抗弁・物上保証人とのちがい・会社の極度額・随伴性 |
| 選択肢の1つ | 令和7 問28 | 連帯保証人に先に借りる人へ請求させられるか |
| 選択肢の1つ | 令和7 問6・令和5 問25 | 家賃債務保証業者が保証しているときの不払いと解除 |
※問題文と公式の正答をもとに、1問ずつ数えたものです。
まとめ|保証は「個人か会社か」で整理する
- 保証の契約は、書面か電子の記録でしないと効力がない(個人も会社も)
- 連帯保証人は「まず借りる人に請求して」と言えない
- 個人が保証人なら、極度額を書面で決めないと無効。会社ならいらない
- 借りる人や保証人が亡くなると、保証する金額が確定する
- 契約が更新されても、保証はふつう続く(判例)
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出典・参考にした公式資料
- 民法(e-Gov法令検索):446条・447条・452〜454条・458条の2・465条の2・465条の4・465条の10
- 賃貸不動産経営管理士試験 令和3〜7年度の過去問と公式の正答
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